2005年10月29日(土曜日)
リターン・トゥ・フォーエバー
昨日書いたコラムの中で、
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のことを
「リターン・トゥ・フォーエバー」と書いてしまった。
もちろん、これは間違いである。
訂正させていただきたい。
しかし、それにしても「リターン・トゥ・フォーエバー」とは、
何と懐かしい名前を書いてしまったのだろう。
これはジャズのアルバムの名前である。
もう何年前であろうか、
多分、私が高校生のころであったと思う。
友達の鈴木貫立君から、
ジョン・コルトレーンの「マイ・フェバリット・シングス」というジャズの曲を聞かされて、
それがきっかけで、
私は、すっかりジャズに狂ってしまっていた。
それから何年かは、ジョン・コルトレーンは私の神様であった。
ありとあらゆるコルトレーンを聴き、
特に「OLE」というアルバムは、何百回となく聴いた。
通ったジャズ喫茶では、
マスターが私の顔を見ると、かならず「OLE」をかけてくれたものだ。
ああ、懐かしい。
久しぶりにそんなことを思い出した。
そんな私が、
たしか、これも鈴木貫立君が教えてくれたものであったが、
エレクトリックピアノで何とも新鮮な曲を演奏していたチック・コリアの
「リターン・トゥ・フォーエバー」と出会ったのは、
私にとって大きなカルチァーショック。
その軽やかなメロディーと、爽やかさは、
わけの分からぬ哲学者にように神妙な顔をして、
ジョン・コルトレーンに閉じこもっていた私を、爽やかな高原にひきづり出してくれたのだ。
これを演奏したチック・コリア率いる「サークル」というグループは、
わずか一年で解散してしまい。
私にとっても、チック・コリア=「リターン・トゥ・フォーエバー」で、
それ以外ではなく、それだけであった。
20年前に独立してから、
特にここ何年かは忙しさにかまけて、音楽などほとんど聴かなくなった私だが、
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」と書こうとしたら、
何気なく、
「リターン・トゥ・フォーエバー」が出てきてしまったとは、
柴田さんが指摘して下さるまで、まったく気が着かなかった。
懐かしい「リターン・トゥ・フォーエバー」