谷 好通コラム

2005年10月13日(木曜日)

1265.世の中をナメろ!

「世の中をナメるな!」とは、
普通に言われていることで、
自分勝手であり無謀な世間知らずに向けて放たれる言葉である。

 

その意味は正しい。
世の中、あるいは社会を舐めてかかり、
人のことを重んじず身の程知らずのばか者が多いこの世の中、
私自身もそんな輩に「ナメるんじゃない!」と思うことも多い。

 

しかし、ある人間に対しては
あえて「世の中ナメてかかれ」と言うことがある。

 

意味は簡単で、
「何ものをも恐れるな。」ということ。
これは非常に危険な言い方であるが、逆説的な意味でそのように言う事がある。

 

世の中で物事を成していこうとする時、
すべて思うがままに進むことは、極めて稀であり、
必ず、物事の進行を妨げる方向に、あって欲しくない要因が出てきて、
思うようにならないことのほうが多い。
そんな時に、
「・・・・があったから、ダメだった。」と、あきらめてしまう場合が多い。

 

何らかのことを成していこうとする場合、
困難が発生したら、それが「やり遂げることが出来ない理由」として、
「やらなくてもいい理由」にされることが多い。
その限界の程度が、その人の仕事の遂行力の限界となるわけだ。

 

物事を成す過程において、数々の困難があって、
「・・・だから、出来なかった。世の中はそんなに甘くないなぁ」と、簡単に嘆く前に、
「世の中、俺がやろうと思えば、出来ないことなんかあるわけがない。」と、
世の中をナメたようなことを呟きながら、
ふてぶてしくも困難に立ち向かっていって欲しい。

 

そんな意味で「世の中、ナメてかかれ」というのだ。

 

世の中にある色々な厳しい要因で、自分の限界が決まる訳ではなく、
自分の限界を決めているのは、自分自身なのだろうと思う。

 

「世の中は厳しい物だ。ナメテかかるひどい目に会う。」という、
大人びた言葉で自分を許す前に、
「世の中、俺に出来ないことは何もない。」ぐらいの、
世の中をナメたような、子供じみた勢いで、自分自身の限界をぶち壊して欲しい。

 

そう強く思う。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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