2005年10月08日(土曜日)
1262.“うまい!”ポテト
6日の午前中にディモインからロス アンジェルスに帰って来て、
前もっての予定では、ロスで洗車場を経営しているグラントさんを訪ねて、
今後のアメリカでの活動の協力について
色々とお話をさせていただく予定になっていた。
しかし、グラントさんのお母さんの具合が悪くなって、
急遽、そちらに行かねばならなくなって、予定がキャンセルになってしまった。
土壇場で予定がキャンセルになったことを、
トニーは、しきりに申し訳ないと恐縮して言うが、
これは、そういう巡り合わせであって「仕方のないことだよ」と言って、
その分、せっかくロス アンジェルスに来たんだから遊ぼうよ。という事になった。
だから、ロスの空港に着いたら、
まず、面白いところでランチを食べようという事になる。
「IN-N-OUT」というハンバーガー屋だ。
「IN-N-OUT」の真ん中の「N」は「and」の意味で、
「イン アンド アウト」となるのだが、
発音は「イン ナ ナウト(?)」となるのそうだ。
トニーの本格的な英語の発音は何回繰り返して聞いても、難しい。
発音の話はそっちに置いといて、
このハンバーガー屋さん、
とにかく“うまい!”ということで評判が上がり、大繁盛なのだという。
特に、フライドポテトがものすごくうまいという。
マックなどでは、
ポテトは工場でカットされ冷凍された物を店でフライするが、
この「IN-N-OUT」では、
生のままの新鮮なジャガイモを、店でカットして、そのままフライにしているという。
そのフライドポテトが、特にものすごくうまいのだという。
空港のすぐ近くにあるその店は、
ドライブスルーの車が10台以上の並んでいて、
ぱっと見だけでも繁盛振りが分る。
中に入って、注文する。
メニューは単純である。
Aセット「ハンバーガー+フライドポテト+飲み物」
Bセット「チーズバーガー+フライドポテト+飲み物」
Cセット「ダブルバーガー+フライドポテト+飲み物」
3種類だけ。
私はBセット「チーズバーガー+・・・・」である。
森君と内田さんは、どちらかがBセットでどちらかがAセットであった。(忘れた)
トニーはCセット「ダブルバーガー+ポテト+飲み物」である。
男はやっぱりダブルバーガーでなきゃ、とトニーは強気である。
さぁ、これが4人分のポテト
山のようなポテト。
一目見ただけで、今まで見てきたポテトと違うことが解る。
見た目でも油っぽくないのである。
食べてみる。
あっさりしていて、しかしポテトの味と香りがしっかりしていて、
塩味もちょうどいいぐらいに効いて、たしかに“うまい!”
いくらでも食べられる。
食べても食べても胸ヤケがするような気持ち悪さがまったくない。
楽しくみんなで話しながら、
パクパクと食べられる。
肝心のハンバーガーはというと、
それほどは大きくないが、私たちにちょうどいいぐらい。
きっとポテトがたくさん付くので、大きさをセーブしてあるのだろうか。
肉がうまい。
このハンバーガーは、実に肉がうまいと感じた。
アメリカの牛肉は、本当に美味しい。
トニーが自宅で焼いてくれるバーベキューで、アメリカの肉の美味しさに驚いたが、
脂が少なく、でも軟らかくて、肉の味がたっぷりして、
脂の刺しが一番の和牛のうまさとは別物のうまさだ。
いずれにしても、
ポテトがやたらとうまい。
トニーがダブルバーガーに喰らいついている。
美味そうである。
ものの20分足らずで、
この通り、ぺロッと食べつくしてしまったのである。
外では、ドライブスルーに並んだ車たちから、
スタッフが前もって注文を聞いて回っている。
たぶん、一番前に言った時には、もう商品が出来上がっていて、
すぐに手渡されるのであろう。
車が一台一台前に進むペースが、大変に早い。
並んでいた台数を見ると、
並ぶのをためらってしまいそうだが、
この早いペースをしっている人たちは、平気で長蛇の列の後ろにつくのだろう。
この「IN-N-OUT」、今、アメリカで大評判で、
ものすごい勢いで、全米に広がっているのだという。
マックも真っ青の「IN-N-OUT」なのである。
“うまい!”が一番である。
店作りも、接客も、マネージメントも、すべてもちろん大事である。
この「IN-N-OUT」においても、そのいずれにおいても申し分ないと感じた。
しかし、この店が大繁盛しているのは、
“うまい!”からである。
ここを忘れてはいけない。
商売をやっていると、
つい、「商売とは」なんて、能書きを言ってみたりしたくなるのだが、
お客様には、そんなことはどうでもいい事で、
まず一番に“うまい!”が問題で、それからのすべてがある。
“うまくもない”のに、
販促がどうのこうのと、枝葉の事に一生懸命になっていて、
一番に来なければならない“美味い!”を、
おざなりにしているバカな商売人が多い。
美味いポテトを食いながら、我を戒めるのであった。