2005年07月27日(水曜日)
1221.沈黙、9.11の跡
2001年9月11日、
ワールドトレードセンター・ツインタワービルに、
テロ犯に乗っ取られた2機の旅客機が突入して、
一万人以上の死者を出した事件は、いまだに記憶に新しい。
今回のニューヨークで、その悲劇の跡・グランドゼロに行くかどうかずいぶん迷った。
観光客気分の珍しい物見たさの気分で“そこ”に行くことは、
とてもいけないことのような気がしたからだ。
しかし、色々考えて、結局、行く事にした。
私はイスラムのことも、中近東の国々の事情とアメリカとの関わりなど、
この9.11の悲劇の背景の事についてほとんど何も知らない。
というよりも、アメリカのこと自体ほとんど知らないに等しい。
それは前回と今回のアメリカ出張で改めて強く感じている。
だからこそ、
そのアメリカの一面の象徴でもあるグランドゼロには、ぜひ行かねばならないと考えたのだ。
行って、亡くなった人たちの冥福を祈り、
人が人を憎み、狂信的になった時、
人は、どんなに大きな過ちまで犯すことが出来るのか、
この目で確かめておかなくてはと考えた。
大きな山のような量であったのであろう瓦礫と鉄くずは、すっかり片付けられて、
広大な場所に巨大な穴が開いていた。
たくさんの若者がやって来ていて、
ほとんど沈黙のうちに、目の前の大きな穴の意味を考え、
それぞれが、さまざまなことを胸によぎらせているように見えた。