2005年05月22日(日曜日)
1176.台湾で驚いたこと
台湾では、驚いたことがたくさんあった。
それをいくつか紹介したい。
?台湾のベジタリアン
台湾では、社会的に成功して名士となった人にベジタリアンが多いと聞いた。
若い時はガツガツとして一生懸命働くし、遊びもする。
当然、殺生もする。(肉を食べる)
台湾では徴兵制があるので、男はみんな銃器を取り扱うのに慣れていて、
狩りも盛んであるという。
それが、ビジネスにも成功して、
社会的な地位も立派に築かれた時、
今度は精神的な充実を望むものらしい。
宗教的な意味で、ある時から殺生を一切やめ、
食事も、精進料理のみを摂るようになるのだそうだ。
加えて健康的にも、年齢を重ねると成人病が心配になってきて、
肉食とか脂っこい料理を避けた方が長寿に結びつく事になるようだ。
私たちが訪問した「千越企業」の社長御夫妻も
何年か前から一切の食事を「精進料理」で通しているそうだ。
千越企業には、訪問当日「マグロ料理」専門店に御招待いただいた。
台湾の最南端の港にも千越企業さんのSSがあって、
そのSSを見学した続きとして、
台湾でのマグロの水揚げ基地の中心であるその港の脇に「マグロ料理」専門店が、
ずらっと並んでいて、その一番立派な一軒に招待いただいたのだ。
(役得?だよ~ん)
ギラギラまったりの大トロっ!は、もちろん。
マグロのありとあらゆる部所が、次から次へとテーブルに出される。
どれもこれも、絶品である。
しかし、大トロ以外はすべて“料理”をされて出てきた。
すばらしい料理で間違いなくうまいのだが、
日本人としては、マグロは、赤身も、中トロも刺身で食べたい。
出てくるものは、今まで食べたことのないような素晴らしくおいしい料理なのだが、
ものすごく新鮮な近海マグロであるだけに勿体無く思えてきてしまった。
(私は、日本に帰ってきてから寿司屋に飛び込み、
「赤身を刺身で!」と叫んだ。)
それだけ素晴らしいマグロであったということ。
そんな桁違いの御馳走をいただいたのに、
社長ご夫妻だけは、決して箸をつけようとはしない。
やがて、御夫妻用に「弁当」が運ばれた。“精進料理”の弁当だ。
精進料理のお弁当。それはそれは珍しいものであり、
素晴らしくおいしそうなものであった。
精進料理は一切の動物を使わっていない。
しかし、いかにもショウロンポウであったり、
いかにも、魚料理であったり、肉料理であったりと
実に手が込んでいる。
中華料理の精進料理と社長ご夫妻。
?台湾の高速道路
台湾の高速道路は、その多くが三車線であった。
「ほぉ~~まるでドイツのアウトバーンみたいじゃん」と思ったのだが、
走っている車はアウトバーンとは大違いであった。
ドイツのアウトバーンでは、一番外の車線をトラック達が淡々と100kmで走り、
2番目の車線をDセグメント以下の比較的遅い乗用車が150kmぐらいで走り、
真ん中の車線は、
200kmオーバーの高性能車が、
世界一の超高速クルージングを繰り広げている。
台湾ではというと、
どの車線にも、どんな車でも、遅いも速いも走っており、グチャグチャであった。
どういう車が、どの車線を走るかはまったく決まっていないようだ。
あるいは、決まっていても誰も守っていないようだ。
それを抜かしていく、私たちが乗るワゴン車は、
一番外の車線から内側の車線にまでいっぺんに車線移動するなど、
ハラハラのしどうし。
実にスリリングな移動であった。
※空いていれば、正にアウトバーンなのだが
台湾の高速のインターチェンジには料金所がない。
高速道路の途中、40kmぐらい毎(地元の人いわく)にバリアのような形で料金所がある。
これはうまい手だと思った。
この方法は、インターチェンジの設置費を大幅に節約できるし、
人件費も節約できる。
・・・・
と考えたが、40kmごとに現れる料金所は、
長距離を走る時にはひどくうっとうしいもので、何度も何度もの料金所での支払いとなる。
なかなかうまく行かないものである。
?ビンロウと下着姿の若い女
高速を降りて、街の道路を走っていると、
特にインターチェンジに近い道路に、突然、ガラス張りのボックスがあって、
あられもない姿の若い女が椅子に座っていたり、立っている。
“ぶったまげた!”
ほとんど下・着・姿なのである。
「ありゃ、なんだっ・・・」
私たちは(私、森、廣瀬)目を点にしながら、
その姿を目で追うと、
「あれは、ビンロウ売りですよ。」と通訳の人が教えてくれた。
ビンロウとは、漢字で“鬢螻”と書いたか?
よく憶えていない。
ビンロウとは、
台湾独自のもので、弱~~~い覚醒効果があるらしい。
といって、違法の怪しいものではなく、
台湾の町では当たり前の様に売っている合法のものである。
高速道とで車を運転するドライバーに、“眠気覚まし”として売っているらしい。
しかし、若干の習慣性も持っているようだ。
ならば、タバコぐらいのものか。
そのビンロウを売っているのが、
なぜ、ガラス張りのボックスの中で、下着姿の娘なのか。
下着姿の若い娘が売っているビンロウは高い。
よく見るとオバサンとかオジサンが売っている店もある。
そんな店のビンロウは比較的安いと言っていた。
どうやら、下着姿の娘が売っているビンロウ屋は、
チェーン店のようで、
一番過激なのが「小天使」というビンロウ屋チェーン店である。
みんなで、そんな話を面白がり感心していたら、
今回の台湾での案内をしてくれた会社の人が、
その「小天子」の店の前に、突然、車を横付けした。「ビンロウを買っていらっしゃい」と言う。
「いや、いや、いや、結構です。」と、
みんなびっくりしていたら、
横付けしたビンロウ屋さんのボックスから、下着姿の若い女が出てきて、
「いらっしゃいませ」というようなことを言う。(多分)
そこは度胸一発、廣瀬君がボックスに入っていって、
ビンロウを買ってきた。
「ビンロウ売ってるだけでした。他には“何も”売ってないようですよ。」と、(つまらなさそう)
廣瀬君はあくまで明るい。
買って来たビンロウ。変な箱に入っている。
ビンロウは、台湾国内において合法である。
だから、私たちが買っても、それを噛んでも(食べない!噛むだけである。)
何の問題もない。
せっかく買ったビンロウ。
噛んでみたい。
で、噛んだ。
まず、廣瀬君が口に入れて噛んだ。
「うぇっ、にがい!にがいっ!にがいだけですよっ!」と、騒ぐ。
ニガサで目が覚めると言うことか?
廣瀬君が、噛んで「にがいっ!」と騒ぐだけで、
気持ちが悪くなるわけでもなければ、苦しみ始めるわけでもないことを確認した上で、
私も、ビンロウを一個、口に入れてみた。
そして噛んだ。
たしかにニガイ。しかし、廣瀬君のように騒ぐほどでもない。
ずっと噛んでいると、舌がほんの少し痺れてきた。
「きたっ、きたっ、」と面白がっていたら・・・
それだけであった。
ちょっとにがくって、ちょっと舌が痺れたような感じがして、
結局、渋みが長く舌に残っただけであった。
こんなのを、なぜ、“下着の女”が、さも何かありげに売っているのであろうか?
よく解らないままであった。
しかし、一番驚いたのは、やっぱりSSでの洗車。
ガソリンを入れた車は、ほぼ全車、洗車をしていく。
無料の洗車をしていく。(千越企業さんは半額にはするが、有料であった。)
その洗車は、
洗車機の前で、人間が車を洗って、連続洗車機が、残った泡をすすぐ。
洗車機は洗車をしていない。
人間が車を洗って、
洗車機が泡をすずく。
なんか変な、よく理解ではないような洗車であった。
この洗車では、車にはかなり洗い傷が入る。
間違いなく台湾の車には、かなり傷が入っている状態だ。
それもかなり深い傷で、
タダの洗車だからしょうがない、という感じなのだろうか。
しかし、100%の人がそれに納得している訳ではないだろう。
かなりの人が、この状態と、この洗車に不満を持っているはずで、
「正しく車のための洗車」を実践する“快洗隊”を、多くの人が待っているような気がした。
今回、台湾には、
千越企業さんを表敬訪問すると共に、
手法そのものはほぼ完成した「消臭・殺菌」のツールを、
よく使いやすくし、まとまった形にするためのステンレス製のBOXを製作するため、
台湾のメーカーに依頼をしに来た。
目的はほぼ達成されたと思う。
そして、その収穫以上に、
台湾における快洗隊によるビジネスチャンスを強く感じたのである。
今、台北の二つの大きな会社から、
快洗隊を作って欲しいと、オファーをもらっている。
その訳がよく分かったような気がした。