谷 好通コラム

2005年03月04日(金曜日)

1130.バナナとオレンジ

今年のIAAEのショーのテーマは“対話”。

 

商品のパンフレットを配りまくって、
ブースの前に立ち止まった来場者に強引に話しかけて行って、
出来るだけたくさんの人に商品を売り込んでいく。
そんな売り込み型のショーの参加の仕方を今回は変えた。
今回は、
私たちの提案に興味を持った方々と、
じっくりとお話をしようというスタイルとした。
たくさんの方と、じっくりと話をして、関係を深めようというスタンス。

 

だから、ブースにたくさん商品を展示するのをやめて、
去年より広いブースの中にテーブルと椅子を多めに置いた。
そのテーブルの上には“バナナ”と“オレンジ”。

 

「コーヒー飲みながら、バナナでも食べながら、腰を落ち着けて話をしましょう。」

 

私たちのブースには、いつもたくさんの訪問者があって、
どのテーブルもお話に花が咲いていた。
東京でのいつもの方。初めての方。
いろんな人がブースを訪れてくれて、
コーヒーを飲みながら、みんなニコニコしながら会話に花が咲いた。
しかし、テーブルに用意されたバナナとオレンジに手を伸ばす人はいない。
こちらも先に手を伸ばすわけには行かず、昼までバナナとオレンジはそのままであった。

 

「バナナは失敗だったかなぁ」と、ちょっと後悔したが
SONAXの吉村さんと、
ドイツからやってきた輸出部長Mr.クリーガーがブースを訪れた時、
Mr.クリーガーが、オレンジを一つ取っておいしそうに食べてくれた。

 

何年か前、私たちがドイツ・ノイブルグのSONAX本社を訪れた時に、
大きなテーブルの上に色々な飲み物とフルーツが置いてあって、
みんなそれを食べながらミーティングをしたことが印象的であった。
そして、次の年のフランクフルトにアウトメカニカのショーでのSONAXのブースでも、
やはりテーブルの上にフルーツがあいてあって、
みんなそれを食べながら商談をしていたのが、すごくカッコよかった気がした。
それを憶えていて、
いつか自分のブースでも、これをやりたいと思っていて、
やっと、今回のIAAEのショーで実行したわけだ。

 

やっぱりテーブルの上のフルーツに手を出してくれたのは、
その動機となったSONAX・Mr.クリーガーであった。

 

 

これで吹っ切れて、
テーブルに新しいお客様を迎えるたびに、
「バナナ食べましょうよ。おいしいですよ。」と言って、
先に自分からバナナに手を伸ばした。

 

すると、皆さんバナナとかオレンジに手を出して、
「おいしい、おいしい」と食べてくれる。

 

大勢の人前で食べ物を食べながら商談をするという姿は、
日本的ではないのだろうが、
みんなが、ニコニコして食べてくれたことが、すごくカッコよく思えたのだ。
なぜだか分からないが、すごくうれしかった。

 

 

おかげで、私は本日、バナナを5本も食べてしまい、
その上、幕の内弁当までもしっかり食べて、完璧なまでにカロリーオーバー。
コーヒーも10杯以上飲んで、胃の心地が少々悪い。

 

今回のショーの第一日目、
予想以上の対話がブースで実現し、予想以上の商談がスタートした。
とりあえず初日は大収穫であった。

 

わがブースとは裏腹に、
今回のショーは出展社が少なくなった。
それは、通路の幅がものすごく広くなったことで分かる。
だから、閉場時間のあと、
来場者がいなくなってから、ブースの写真を撮ると、
ポツンと孤立しているように写る。

 

 

今年の私たちのブース。
快洗隊を模したものだが、パラペットが1.5倍の幅があったら、
もっと存在感が出たのにと悔やみは残るが、それでも中々のものである。

 

 

さぁ、明日も
テーブルと椅子がいっぱいのこのブースで、
いっぱいバナナを食べるぞ!
・・・じゃなくって、いっぱいの人と話をするぞ!である。

 

 

明日の東京は大雪であると言うが、まっ何とかなるだろう。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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