谷 好通コラム

2005年02月07日(月曜日)

1113.アルプス越えの旅

今日は山形への日帰り出張だった。
名古屋空港から、山形空港。仙台空港。あるいは札幌新千歳空港。
名古屋空港から北へ向かう飛行機は、
必ず日本アルプスを飛び越える。

 

天気が良いと、
日本の代表的な山岳地帯を空から大パノラマで見ることが出来るのだ。
なんと贅沢なことか。

 

そんな時は、飛行機の席をどちらに取るか迷う。
Aの側の席、つまり進行方向に向かって左側の席を取るか、
Aの反対側、ANAのA320・B737ならば“F”の席、B767ならば“G”の席。
JALならばすべての機種において“K”の席。
つまり進行方向に向かって右の席を取るか。
どちらに座るかで、得られる風景がまるで違うのだ。

 

今日乗ったのはAの反対側の席、
JALの便だったので、“K”、右側の席。
飛行機はボンバルディアのCR-J。
40人乗り程度の日本に就航している一番小さな最新のジェット旅客機だ。
大型飛行機の何倍もの加速を感じながら大空に飛び立つ。

 

最初に、遠くに南アルプス越しの富士山が見えるはずであったが、
残念ながら、雲が出ていて見えず残念。
しかし、
その後すぐに晴れてきて、
まず「御岳山」が現れる。
火山性の単独峰だ。

 

 

次に現れるのが乗鞍岳
中央アルプスの一番南にくっついている。
頂上にはっきりといくつもの火口が見える。

 

 

乗鞍岳の北には「上高地」。
上高地の上に穂高が位置している。
谷間である上高地のから見る穂高の姿は絶景なのだ。

 

 

それを過ぎると、
すぐに槍ヶ岳を含む中央アルプスの中心部3000m級の山々が続く。
槍ヶ岳の頂上は、
周りの山が雪で真っ白になっているのに、
黒く尖った岩で出来ているので、すぐに探すことが出来る。

 

 

ここで、反対側の席、つまり“A”の席に移動すれば、
(よほど席が空いている時)
立山の山々、弥陀ヶ原、室堂、黒部第四ダム、黒部の山々と、
アルペンルートが手に取るように見え、
白馬の山々も力強く見ることが出来るはずだ。
今日は席は空いていたが、気流が乱れていてひどく揺れていたので、
シートベルトのランプが点きっぱなしで、席を移動することが出来なかった。

 

気流が乱れてくると同時に、雲が出てきて、
今日の“K”の席で次に見えてくるはずの北アルプスも、
ホンのちょっとだけしか見えない。
この二重火口は、何の山の火口だっけ。

 

 

最後に北アルプスの光景を見ながら日本海に出る。
この頃には下はもう真っ白な雲だけであった。

 

 

飛び立ってから35分、もう降下が始まる。
小型のCR-Jは、上昇も急であったが、降下も急である。
すぐに雲の下にくぐって下界が見えてくる。
普通は降下が始まって着陸まで30分はかかるのだが、わずか20分で着陸寸前。
山形の街が眼下に迫る。

 

 

私は、日本で定期就航している一番小型のジェット旅客機「CR-J」が大好きだ。

 

 

山形盆地は、今年は雪が深かった。
透き通った空気の山形の地は美しく、輝いている。

 

 

遥か遠くに見える「月山(がっさん)」
その山里の寒さは厳しく、それを真っ白な月山の姿が表しているようだった。

 

 

名古屋に帰ってきたのは午後6時過ぎ、
一仕事終わって、ホッとした頃、
心が痛む事があった。
私は、人の見えないところでの誠実さに気が付かなかった。
いや、気は付いていたのに、その大切さをおざなりにしていた。
ひたすら自分を恥じ入るばかりである。
恥じ入るばかりである。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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