谷 好通コラム

2005年01月23日(日曜日)

1104.冬は冬眠するか?

[1月、2月は静かになる。]

 

毎年、1月と2月は洗車屋にとって冬眠中のようなものだ。
12月の大忙しが嘘の様に1月と2月の快洗隊は静まり返る。
アイ・タックも同様で1月は12月の3分の1にも満たない出荷で、倉庫も静かなもの。

 

 

[洗っても、またすぐ汚れてしまう。]

 

雪国では街中の除雪は頻繁になされているが、
道路は常時ベチャベチャに濡れている。
せっかく洗車しても、道路に出たとたんに汚れ始めることが普通だ。
また、北海道とか東北北部や山間部では凍結を防止するために、
“融雪剤”が頻繁に散布される。
この融雪剤には経費節減の意味で“岩塩”を使う場合が増えているそうで、
これは車の下回りなどの錆の元になり、けっこう深刻な問題になっている。
いずれにしても、雪が多く降るところでは、
「洗っても、すぐ汚れてしまう。」が普通だ。

 

雪国でなくとも、冬は車が汚れやすい。
車にホコリが乗っても、
ほとんどが風で吹き飛ばされたりして、
そのまま車の汚れになることは無いが、
冬の時期、
露が降りて、車の表面がジトッと濡れると、ホコリが表面にくっついてしまう。
何度も露が降りると、数日ですっかり車は汚れる。
屋根の無い露天駐車場の車は特にそうだ。
(簡易的なカーポートの屋根だと、屋根があってもある程度は露は降りる。)
屋根の無い駐車環境は、
マンションとかアパートに住んでいる人に多いので、
都会のマンションとかアパートが密集しているところでは、
冬の洗車、梅雨時の洗車が落ち込みやすい傾向があるのかもしれない。

 

私たちの快洗隊の洗車は、“上質”であることを武器に“高い”を実現している。
だから、
「洗っても、すぐ汚れる」という環境の中では、
「高いお金払っていくらキチンと洗ってもらっても、また汚れちゃうし。」となり、
1月、2月に来店客が著しく落ちることは理解できる。

 

しかし、
車を持った人は、すべて1月・2月は洗車をしないのかといえば、
こんな時期でも「キレイにしていたい」の欲求がなくなってしまうわけではない。

 

 

[安い、早い、気軽のセルフ洗車機は、
この時期、洗ってもまたすぐ汚れてしまうから、洗車回数が増える。]

 

セルフの洗車機洗車などでは、
1月と2月が最も利用度が上がる月であるというデータがある。
これは雪が多い長野県のセルフ洗車場でのデータで、
洗車の最繁忙月の12月よりも、1月と2月の方が洗車台数が多いというものだ。
「いくら洗っても、雪での汚れた道路で、車がまたすぐ汚れてしまう。
“だから、何度でも洗いたい。”」 →洗車台数が増える。
そんな理由らしい。

 

「すぐ汚れてしまうから、洗車をしない。」私たちは、当然、そう考えるが、
ある条件下では「すぐ汚れてしまうから、洗車回数が増える。」ということもある。
これも正解なのであろう。

 

この長野の洗車場の例のように、
セルフの洗車機洗車は、
「洗っても、すぐにまた汚れてしまう。だから何度でも洗いたい。」
という需要に、
「安い」ということと、「早い」「気軽」ということをメリットが有効に効いて、
この、“洗っても、すぐまた汚れてしまう”この時期に、
洗車台数のピークが来ているのだろう。

 

黄砂が飛んでくる時期、
やはり洗っても洗っても、黄砂が車に降ってすぐに汚れてしまう時期、
快洗隊がそれほど忙しくならないのに、
セルフの連続洗車機に長蛇の列が出来るのに似ている。

 

[ならば、わが快洗隊は、高品質洗車は冬眠するしかないのか。]

 

もちろん、そんなことはない。
方法はいくつかある。

 

まず、その1
[安く、早く、気軽な“手洗い洗車を作っちゃう” ?!]

 

安く、早く、気軽という面を追及すれば、機械には絶対にかなわない。
洗車機という機械ならば、
1時間に30台とか50台を洗うという超高速機でも、
1千万円から高くても2千万円も出せば買うことが出来る。
一見高そうだが、
これをリース料に直せば、6年のリース料率を1.7%として
17万円/月~34万円/円
平均しても、人間を一人を雇う人件費(すべての費用)より確実に安い。
その機械を使ってセルフならば、
500円/台とか、700円/台なんて単価も考えられる。
(しかし、水道代・補修費・場所代等を考えれば300円/台なんて価格は合わない。)

 

しかし、しかし、
最近では、布とかスポンジのブラシが発達したとしても、
機械の一部が車に触ること自体にアレルギーを持っている人は多く、
また、機械であるからには“洗い残し”は必ずあり、
汚れがひどい場合、その洗い残しがより目立ち、それを容認しがたい人もいる。
そういう人がむしろ多数だとも感じている。

 

ならば、
手洗い洗車で、10分、1200円(Mサイズ)、しかも何なら車に乗ったままでもOK。
そんな洗車を作ったら、喜んでもらえるのではないだろうかと考えた。
一つの形が「ドライブスルー手洗い洗車」である。
これはレイアウトとオペレーションが非常に難しいとは思うが、
試してみる価値はある。
これを前提にレイアウトしたのが快洗隊・鳴海店。
この店ではすぐに年末が来てしまったので、
はっきりと「極上手洗い洗車」と
「ドライブルー手洗い洗車」を割り切ったオペレーションを組めないまま来ているが、
この時期の機会にぜひ試してみたい。

 

ひょっとしたら、手洗い洗車の仕上げ部分を簡略化したマニュアルを作って、
一つのメニューにすることでも、
おおきな効果を挙げるかもしれない。
いずれにしても、
そんなメニューが用意されていることを
いかに効果的に告知するかということが、重要な要素といえるかもしれない。

 

 

その2
[この時期だからこその商品作り。まず、雪国においては下回り防錆]

 

雪国では、この時期、
凍結防止に大量の塩カリや岩塩が融雪剤として道路に散布され、
下回り、ボディーの錆の発生が深刻な“問題”になっていると書いた。
ある自動車メーカーの本社の販売に属した技術部の責任者と話をした時、
「これはかなり深刻なんですよ。」と言っていたことを思い出す。

 

問題があれば、
そこに必ずその問題を解決したいという需要がある。
需要があれば、必ずビジネスが発生し、
そのビジネスを支えるだけの商品作りが必要となってくる。
私たちは、
この雪国での融雪剤大量散布→錆の発生の多発の問題に、
SONAXの「コンサベーションワックス」に大変優れた性能を見出し、
「防錆・超硬ワックス」として、
その時点で最善と思われた作業マニュアルを持ってデビューさせた。
しかし、
ネーミングが良くなかったのか、
作業マニュアルが複雑過ぎたのか、
告知の方法が良くなかったのか、
店頭での販売のための販促ツール作りがまずかったのか、
ご紹介の方法がまずかったのか、
技術サポートがまずかったのか、
一部の施工店で採用されたに過ぎず、
本来持っている「下回り・防錆ワックス」の可能性を活かしきれなかった。

 

しかし、その後、
快洗隊で防錆ワックスを施工した車が一年後再施工をした時、
下回りが圧倒的なキレイさの状態で帰ってきて、
大きな防錆効果があったことに加えて、
下回りの美しさに想像以上の効果が有ったことが解った。

 

また、一部ではあるが、
下回りの防錆ワックスの施工を始めたところが、
着実な実績を上げていること、
お客様の信頼を得ていることが解ってきた。

 

下回りの防錆は、
分厚い防錆塗料を塗る方法が一般的だが、
車は走ることによって、車体が“たわむ”ことの連続であり、
その“たわみ”に分厚い塗料が付いていけず、
鋼板の継ぎ目などの肝心なところに、防錆塗料の“浮き”が発生して、
錆が出てくるところに問題がある。
加えて、
施工は塗装屋さん的仕事であり、
技術が必要であることと、マスキングの前作業が大変であり、
施工料金が高いこと(4~7万円)
外観が悪くなること。
つまり、“美しくない”ことが、防錆処理の普及の阻害要因になっている。

 

それに比較するば「下回り・防錆ワックス」は、
はるかに施工が簡単であるし、ボディーの塗装に着いても簡単に落とせる。
だから比較的安価で提供できる(2~3万円)
それより、何より、
「下回り・防錆ワックス」は美しい。
私たちは、車を美しくするのが仕事。
その意味で、美しく、車の下回りを錆から守るこの商品はぴったりである。

 

冬の時期の「下回り・防錆ワックス」は行ける、そう実感している。

 

当初は、冬の初めと春先が最も販売に適した時期と考えていたが、
これは間違っていた。
冬の初めと春先は、雪国においてタイヤ交換で大混雑する時期であり、
こういう手がかかる施工は不向きであった。

 

最も適する時期とは、正に“1月と2月。”
?お客様は、融雪剤のまかれた雪道を走ることで、車の錆が気になっている。
?雪の時期の途中で施工すれば、塩カリ・岩塩の堆積を減らす事が出来る。
?雪の季節が終わった時点で、一度下回りをキレイにすれば、効果がより有効。
?この時期、施工店の手も空いており、十分に丁寧な施工が出来る。

 

 

[雪国でなくともニーズはある。]

 

別に雪国の車でなくとも、たとえばスキーに行く人であれば、
やはり下回りの防錆のニーズはあるだろうし、
海に良く遊びに行く人ならば、海岸沿いの塩分が気になるだろうし、
潮風が吹く、海外に近い地方でも、
大きな需要があるはずだ。
あるいは、沖縄などの離島では、大きな需要があって当然である。

 

[“防錆”は一つのきっかけだが、モチベーションは“きれいになる事”]

 

しかし、ここまで書いては来たものの、
たとえば、私自身が“防錆”が購買のモチベーションになるかといえば、
?である。
しかし、「下回りがきれいになる」と言われれば、
グッと来るかもしれない。

 

そういえば、
私が、このコンサベーションワックスが気に入ったのは、
施工後の下回りが、
今まで見た下回りとは比べ物にならないほどの綺麗さだったからだ。
・・・・・・

 

う~~~~ん。
イカン。
本日のコラムは、
だんだん、しかも確実に「下回り・防錆ワックス」の宣伝なってしまった。
しかし、これを書いているうちに色々なことに気がついてきて、
本当にそう思ってきたので、しょうがないのです。
勘弁してください。

 

途中ですが、今日はここまでです。
コンサベーションワックスのことを書き始めたら、だんだんハマってしまって、
長くなりすぎました。

 

冬の洗車、特に1月、2月の洗車について、
肝心なところを、また明日書きます。

 

今日の写真
本文とは何の関係も無く、上海の夜の街かどの写真。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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