谷 好通コラム

2004年09月12日(日曜日)

1017.より大きい入れ物

このところ連日飲んでいるような気がする。
本当にイカンと思うのだが、夜になると、ついつい誰かと飲むことになってしまう。
飲むのは、たいてい安居酒屋。
こういうところには、フライとか唐揚げなどの油分の多い高カロリーのツマミが多く、
十勝のレース前にせっかく苦労して体重を5~6kg落としたのに、
また、ジワジワっと増えてきている。

 

いくら飲んでも食べても太らない人がうらやましい。
そういう人は私と同じ量食べても、スマートなままなのに、何で私は太ってしまうのか。

 

ずっと前にテレビでこんな事を言っていたのを憶えている。
「太りやすい人と言うのは、脂肪を貯め込む細胞が先天的に多いのです。
逆に、太らない人はこの細胞が少なくて、
脂肪分を多く食べても、貯め込めないまま
排泄してしまうのです。」

 

つまり、太りやすい人とは、太るための細胞をたくさん持っていて、
痩せている人はそれが少ないということ。

 

しかし、
太りやすい人でも、食事をうんと減らして、
運動をして脂肪を燃やせば、体重は確実に減る。
だから、太っている人は、
食事をたくさん食べ過ぎている我慢の出来ない人であって、
かつ、運動をしない怠け者であると、
思われがちのだが、
決してそうではないのだ。

 

そうだ、私が太っているのは“私のせい”ではない。
この脂肪を貯め込む細胞が、たまたま人より多いだけなのだ。

 

そりゃあ、私は人よりたしかに多く食べるし、飲みもする。
私は事務所の椅子か、列車の椅子か、
はたまた飛行機の椅子に座っていることが多くて、
たまに激しい運動であるカーレースをやるが、それはほんのたまにだけで、
明らかに運動は不足している。

 

食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足は確かにある。
でも、私が太っているのはそれだけではない、
脂肪を貯め込む細胞が人より多いから。なのだ。
・・・・・・
自分に対する言い訳が続く。

 

でも、これは事実のようだ。(*^。^*)

 

「入れ物は多い方が、あるいは大きい方が、物が何であれ貯まりやすい」ようだ。

 

 

アイ・タック技研は最初、ガソリンスタンドの裏の駐車場に置いた物置きから始まった。
事務所はガソリンスタンドと共用である。

 

最初は、そんなついでの仕事のようであったが
だんだん忙しくなってきて、
半年ほど経ってから単独の事務所を借りて、そこへ移った。
20坪ぐらいの小さな事務所兼倉庫で、それでも社員は5名ほど。
(現在は、ちっちゃなインドカレー屋になっている。)

 

しかし、その事務所はすぐに手狭になってきた。
営業の社員も増え、増え過ぎて、
営業マンはどうせ、いつも事務所にいないのだからと言って、
2人で1つの机にしていた。
だから、たまたま2人とも事務所に帰ってくると、
どちらかが床で日報を書いていたありさま。
最初は面白がっていたが、いつまでもこんなことを続けているわけにも行かず、
倉庫の混雑もひどくなってきて、トラブルも発生するようになり、
事務所の移転を決心した。
そこへ移って2年経ったころである。

 

思い切って、そのころ営業していた2軒目のガソリンスタンドを閉めて、
大改装をして80坪ぐらいの倉庫を作り、事務所も倍ぐらいの大きさになって、
総敷地面積132坪。
前の倉庫兼事務所の4倍以上の大きさである。
(今のトレーニングセンターである)
最初は「こんなに大きい倉庫と事務所は無駄であったかな。」と思った。

 

しかし、これぐらいの大きさになると、
出荷もうんとスムーズになり、商品アイテムも増やすことが出来る。
営業も増えて、本格的な全国展開も軌道に乗り、
グンと売り上げも増えたのがこのころである。
この3つ目の事務所の時、今のアイ・タックの大枠が出来た。

 

しかし、余裕を感じていたのもつかの間。
いつの間にか、荷物が増え、営業が増え、また机が2人で1つになり、
ふたたび、床で日報を書く姿が目立ち始めた。

 

現・トレセンに事務所を移してから2年経ったころである。

 

そんな時に、
事務所の目の前にあった「鉄鋼材の大倉庫」が、
その会社の業務の統合のために、
閉鎖になった。
倉庫の中には、巨大なホイストクレーンが掛けてあり、
取り扱い品が鉄鋼材だけあって、
すべてが頑丈に作られている。

 

私は思わず「ラッキー!」と小躍りをした。
その時の事務所の目の前の倉庫が借りられれば、
両方ともを連携して使うことが出来る。
いつも思うのだが、私は幸運のかたまりのような男である。

 

早速交渉して、その大倉庫を借りることが出来た。
倉庫部分だけでも200坪以上。
事務所も入れると300坪以上で、敷地面積は450坪ほどある。
今までの倉庫と比べると4倍近い大きさ、
全部の荷物を引っ越しても倉庫内はスッカスカで
今回こそは、いくらなんでも、これはデカ過ぎたと引越しの時に思った。
これが、今、現在の倉庫と事務所である。
今までの倉庫は、トレーニングセンターとして活用されている。

 

今から4年と少し前のことである。

 

入れ物が大きくなると、
今まで考えられなかったようなものまでストックすることが出来て、
商売の幅がグンと広がった。
たとえば「快洗Jr.」のような機械物を取り扱えるようになったことが大きい。
快洗Jr.の普及で、手洗い洗車が広がり、
手洗い洗車を好む客層の中に多く存在するKeePreのユーザー層を、結果として
効率よく発掘することになった。
快洗Jr.の普及と、KeePreの拡販は見事にリンクしたのだ。

 

入れ物が大きくなったことで、新しい事業展開が出来た。

 

いままでを思い返して見ると、
倉庫を大きくする度に、会社としての新しい展開が始まり、
商売がひとつ、ポンッと大きくなってきたような気がする。

 

4年前、大倉庫と思った今の倉庫も、
2.3年前から始めた輸入のおかげで、コンテナ単位の商品入荷となり、
たちまち倉庫を体積を奪っていった。
その上、去年末から始めた「快洗Taoる」タオルの輸入では、
毎月3本ないし4本のコンテナが入るようになって、とうとう今の倉庫からはみ出し、
今では、近くの港の近くにもう一つ予備の倉庫を借りるようになっている。

 

そろそろ考え時である。
今の入れ物のままでは、今の展開の中に会社が閉じこもってしまう。
いろいろな努力が空回りし始めると同時に、
新しい展開が出来ないままに時間が過ぎていってしまう。
そのうちに行き詰ってしまうに違いない。

 

・・・・・・・・・
また入れ物の大きさを4倍ぐらいにする時が来た。
そんなことを強く思い始めた。
・・
強く思い始めたら、
必然のように、私たちの前に1800坪の工業用地が出てきた。
1800坪!である。
広大なんてものではない、野球がやれそうなぐらい。

 

今日は部長会議、
みんなで見に行ったら、
「あんなことも出来る」「こんなことも出来る」と、
次から次へと新しい構想が出てくる。

 

やっぱり一番作りたいのは、宿泊設備まである充実した研修所だ。
「日本に新しい洗車文化を」が、私たちの行動の原点であり、
そのためには、じっくりと技術を身につけてもらう研修所がいつかは欲しい。

 

もちろん、十分すぎるほどの倉庫も、
何か新しい展開を生むものになるであろう。

 

この1800坪、
私たちには到底手が出ないものかもしれないが、
しかし、最初からあきらめることはない。
とりあえず、やって見るだけの価値はある。

 

入れ物が大きくなると、
新しい世界が見えてくる。
最初、スタンドの駐車場の物置きから始まったアイ・タックの入れ物は、
とうとう1800坪をどうするかと真剣に悩む次元にまで来た。

 

さぁ、どうするか。

 

※アイ・タック技研2軒目の事務所兼倉庫。今はインドカレー屋「ガンダーラ」

 

 

太りやすい体質の人には、
脂肪を蓄える細胞がたくさんある。
入れ物が多過ぎるから、太りやすいのだ。

 

1800坪の広大な土地を見ていて、
私は、そんなピントはずれなことを、ボォーっと考えてしまった。
今日の私はちょっとボケていたのかもしれない。

 

明日は岡山TIサーキットでスーパー耐久のレースがある。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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