谷 好通コラム

2004年08月29日(日曜日)

1008.なんて奴等なんだ

ひとつの国の特徴を、一部の人の性格でくくってはいけない。

 

それと同じように、
たとえ、誰かにひどい目にあっても、
決してその国全体をののしってはいけない。
もちろん、その国の人たち全部を否定してはいけない。

 

決して一部を見て、全体を決め付けてはいけないのだ。
ましてや、全体を見て、すべての人がそうであると思い込むのもいけない。
人それぞれであり。
一人一人、それぞれの価値を持っているのだから。

 

私は、
陶さんも、鮑さんも、陳さんも、信さんも、趙さんも、張さんも、鄭さんも
任さんも、韓さん、朱さん、毛さんも、朴さんも、仁さんも、唯さんも、包さんも、
頼さんも、羅さんも、申さんも、李さんも、いっぱいの人たちも
みんなの家族も、そのフィアンセも、そのスタッフの人たちも、
みんな大好きである。
それぞれの良さがあって、その意味でみんな尊敬できる。

 

 

その上で、あ・え・て書く。

 

<その1>
一昨日の夜、空港から乗ったタクシーはひどかった。
車は、相当に走りこんでいてアブソーバーが抜けているサンタナ。
空港からの無料の高速道路で、140km出して走っていた。
しかもタイヤバランスが悪いか、
あるいはハブがガタついているのか、かなりの振動がある。
メーターパネルの照明が切れている。
だから、最初は何キロ出しているか分からなかったのだが、
トラックのライトで一瞬、速度140kmと見えた時は、ぞっとした。
しかも、水温計が異常に高温を指している。
140kmを出している時に、
ラジエターのクーラントが焼ける独特の匂いがしてきた。
クーラーが効かなくなって、これはオーバーヒート寸前である。
運転手はまったく気がついていないよう、鈍い奴だ。
怖くなってきて
市街に近づいたところで、
「途中でご飯が食べたくなってので、ホテルに着く前に降りたい。」
と、通訳の李さんに言ってもらった。

 

が、運転手が変なことを言う。
「そんな、高速を途中で降りたら、ホテルに着くのが大廻りになるだけだ。」

 

もう、いつオーバーヒートするか分からない状態だ。
クーラントの焼ける匂いが強くなってきた。

 

で、もう一度、李さんに言ってもらう。
「ホテルの近くにはレストランがないので、この辺で降りたい。」

 

運転手
「・・・・・・・・・・」

 

李さんが私に
「途中で降りると言ったのが気に入らないみたいで、
この運転手、もう返事もしてくれません。絶対ホテルまで行くつもりです。」
意味もなく頑固なのは、
犬の散歩中に、首輪で頭が千切れそうに鎖を引っ張っても
ガンとして動かなくなった駄犬のようなもの。

 

結局、私たちは、
オーバーヒートでエンジンがロックしないように、ひたすら祈って、
返事をしなくなった運転手に乗せられてホテルまで、行くだけであった。

 

無事ついた時には、さすがにホッとした。
あのタクシーはその辺でオーバーヒート・ストップしているはずである。
あ~~っ怖かった。
とんでもない奴である。

 

 

<その2>
帰りの上海空港で、
出国検査で、イミグレーションに並んでいた時、
前に並んでいた中国人(多分)が、自分の仲間を手招きして呼ぶ。
何をするかと思ったら、
その仲間(家族?)10人ぐらいが、ドヤドヤっと、手招きした中国人の“前”に入った。
つまり、列の前の方に10人も割り込んだのである。
怖い顔をして睨んでも、
当たり前のような顔をしている。
今日の上海空港は、夏休み最後の日曜日で大変混んでいた。
少なくとも10分は余分に待つことになる。

 

なんて奴等だ。
マナーも何もない。とんでもない奴等である。

 

※私たちの列の前に割り込んだ10人ぐらいの集団

 

 

<その3>
昨日の夜遅く、みんなで食事をした後、
ミネラルウォーターが欲しくなって、街角の小さな汚い店で買った。
1本2元(26円)であるという。
小さい紙幣がなかったので、5元札を出したら、
店のおばさんが、私に、黄色い小さなコインをサッと渡して、店の奥に入ってしまった。
よく見たらそれは、5角硬貨(6.5円)である。
きっとあのおばさん、私が日本人であることが分かって、
ごまかしたって文句を言わないと思ったのだろう。
そのとき私は、
45゜のマオタイ酒を飲んでチョイと酩酊だったので、
反応が遅くなっていた。
なんとも、小馬鹿にされたと腹が立つが、
夜遅くなった上海の裏道で、怒鳴るだけの度胸はなかった。

 

「あのクソばばあ、馬鹿にしやがって。」と、2元5角(32.5円)損したぐらいで、
無性に腹を立てている大したことない私であった。

 

 

<その4>
昨日の夜、1泊350元の安いホテルで、
冷蔵庫の中のミネラルウォーターを飲んだ。
(<その3>で買ったミネラルウォーターは、なんと砂糖水であったのだ。^_^;)

 

そのミネラルウォーターは
日本では当たり前の「エイビアン」
ところがこのエイビアン、中国では特別に高くて、
普通のミネラルフォーターが2元で買えるのに、このエイビアンだけは約10元。
何でか知らないが、エイビアンだけは高いプレミアがついている。
そして、ホテルの冷蔵庫の中のエイビアンは、なんと20元!(260円)
酔っ払った私は、そのことをすっかり忘れていて、
何と、不覚にも2本も飲んでしまったのだ。

 

日本よりもとんでもなく高い「エイビアン」。
何が良くて「エイビアン」だけがクソ高いのかまったく分からないが、
とにかく腹が立ったのだ。
中国で異常なまでのブランディングに成功している「エイビアン」。
とんでもない奴である。

 

 

<その5>
私は、中国の国内便は大嫌いである。
みんなやたらと大きな手荷物を機内に持ち込むし、
飛んでいる間、やたらと大きな声で騒ぐし、シートを思いっきり倒す。
そして、国内便でも中国では必ずと言っていいほど機内食が出るのだが、
食事中でも平気でシートを倒している。
食事中にはシートを起こすのが
最低限のマナーであることを知らないのかと思ったら、そうでもなさそう。
客室乗務員が注意すると、しぶしぶシートを起こすが、
目を盗んで、またすぐ倒す。
図々しいったらありゃしない。

 

とんでもない破廉恥どもである。

 

 

<その6>
もう一つ、国内便でのこと。

 

飛行機が着陸する直前15分間ぐらいは、
航空無線の障害を防ぐために、電気製品の使用が全面的に禁止されている。
特に携帯電話は強い電波を発するので、
波長によっては大きな雑音となる。
これは、スピーカーの近くで携帯を使うと
スピーカーが共鳴するように雑音を発することを見ても、明らかである。

 

おととい、広州⇒上海の国内線に乗った時、
着陸寸前であり、電気製品の使用禁止のアナウンスが入ってからしばらくして
向こう隣の女性が携帯電話を取り出して、
電話をダイヤルし始めた。
「ひどい奴がいるもんだなぁ」と思って見ていたら、
何と電話が通じたようなのだ。
地面に近くなってくると、飛行機が飛んでいても携帯が通じるのだ。

 

そのうちに、座席のあちこちで着メロが鳴り出した。
着メロの大合唱。
(つまり、機内でも電源を切っていないということ)
そうすると、みんな必ず電話に出て、話し始めるのだ。
まだ、飛行機は飛んでいるのに。

 

その数は、10人とか20人とかのレベルではない。
もうあちこちで「ウェイ(もしもし)、・・・」とやり始めるのだ。
まだ、着陸もしていないのにっ・・・

 

これはマジに怖かった。
着陸寸前の飛行機と管制塔とのやり取りは非常に大事なのだ。
特に大量の離着陸機がある上海空港のような飛行場への着陸は、
交通整理をしている管制塔からの情報が重要である。
そこへ、こんな大量の携帯電話の電波が襲ったのでは、
管制塔との交信に支障が出ない訳がない。
飛行機の墜落事故の70%以上が離陸・着陸時に起きている。
「大丈夫かいな」と、マジに心配してしまった。

 

マナー違反は、この人達にとっては屁でもないことなのか。

 

しかし、フィリピン・マニラから香港への飛行機の中で、
フィリピーナたちの電話は、もっと凄かったことは付加えておく。

 

彼女らは、かなりとんでもない奴らなのだ。

 

 

<その7>
今日は、午前11時上海発の飛行機で、名古屋に帰る予定であった。
名古屋には時差も入れて午後2時くらいの到着予定。

 

ところが、上海浦東空港についてびっくり、インフォメーションに「遅延」と出ている。
それでもとりあえずチェックインすることにした。

 

チェックインカウンター脇に中国語だけで案内が出ていて、
14時50分に出発する予定と書いてあるらしい。
とにかくよく分からない案内だ。
4時間弱の遅れ。

 

以前の話、
大連空港でほとんど案内が無いまま、
13時間も空港で待たされたことがある。
(あの時は、みんながいて、にわか博打なんかやってけっこう楽しかった)

 

4日ほど前には、荻野と李がシンセン空港で、
飛行機に乗ってから、そのまま7時間待たされたと書いていた。

 

中国の飛行機は、ほんとによく遅れる。
これは、たまたまの偶然ではなく、「遅れてもあまり気にならない」と
誰かかしらが思っているとしか思いようがないのだ。

 

その証拠に、遅れが出ても、その案内をほとんどしないのが、
中国の飛行機の通例だ。
飛行機が遅れることによって客に迷惑をかけているという意識が
中国の航空会社には“欠如”しているように思える。

 

結局、上海からの出発は、約3時間遅れとなり、
あまりにも余った時間が、このネガティブな話を作ったというわけだ。

 

どうも思うに、
中国で腹が立つことは、自分勝手な人が目立つということ。

 

「人のことより自分のこと。自分のことだけ考えることが、一番得なこと」
「将来のお互いの利益よりも、目先の自分の利益」
「他人の気持ちなんて、知ったことではない。関係ない。」
これは、エゴの発想。

 

「これをやったら、相手がどう感じるだろう。不快にならないだろうか?」
「自分の行動や言動が、相手に迷惑をかけないだろうか。大丈夫だろうか?」
「相手にこれを知らせなければ、心配したり、不安になったりするのでないだろうか」
これは、
自分の行動、言動によって
相手の気持ちがどうなるのかを思い量る気持ち。
つまり、共感性という発想。

 

私たちが感じる中国の人々とは、
エゴの発想からの行動を思い浮かべやすい。
目立つからだろう。

 

文初にあるように、
人それぞれ、そうでない人もいっぱいいて、
決して決め付けるべきものでないが、
そういう人が多いな、とは思った。

 

そのことを、事実として受け入れた上で、
決して自分を甘くせずに、
しっかりと見極めながら
中国の話は進めていかねばならない。

 

とんでもない奴等もいっぱいいる中国だが、
日本にだって、とんでもないエゴな奴等がいっぱいいる。
しかし本当は、
それを陰湿にやっているのが日本。
あっけらかんとやっているのが中国。
そういうことかもしれない。

 

・・・・・・・・・・・・・・
やっぱし、よく考えてみれば日本だって変わらんな~。

 

でも、やっぱし、中国、好きだなぁ~。

 

 

日本も好きだなぁ~

 

 

フィリピンだって好きだなぁ~
あの馬車、もう一回乗りたいなぁ~

 

 

日本には、今、大型の台風が来ているらしい。
なんか行く先々で台風が待っているような感じで、これは、ちょっとうんざりである。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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