2004年02月28日(土曜日)
897話 激しい街・上海
上海空港に降り立って、まず一つ目の仕事は
飛行場の通路
今、洗車・コーティング作業専用の特別製ユニフォームを作っている
試作品ももう3種類
出来る度に快洗隊のスタッフに実際に着てもらって
その着心地、作業性をチェックしてもらって
今回のものは、出来れば最終の修正にしたいと思って
力を込めてサンプルを作ってもらった
そのサンプルを工場の社長に飛行場まで持ってきてもらった
今回もギッシリのスケジュールを組んだので
飛行場で会ってサンプルを受け取るのが
お互いに一番都合がいいということになったのだ
そこで、空港の通路での立ったままでの仕事となった
パッと見たところでは、キチンと出来ているようだ
また持って帰って快洗隊のみんなに着てもらうことにする
サンプルを受け取ったついでに、ちょっとだけ値段の交渉
チョッとだけのつもりがいつの間にか力が入って
空港からタクシーに乗る
出てしばらく行った所で「リニアモーターカー」を見た
もうすでに、日常的に試乗が行われていて
営業運転直前の状態だと言う
タクシーが120kmで高速をぶっ飛ばしていたところを
後ろから、あっという間に追い越していった
時速差100kmなんてものじゃない、ゆうに200km以上の速度差はあった
300km以上であったかもしれない
とすれば400km以上のスピードだ
とにかく、あっという間に視界から消えてしまったのだ
すごい乗り物だ
※これは、リニアモーターカーが止まっているところを写したもの
その足で、4月中旬の上海での展示会の会場を見に行った
(3月の幕張IAAEのあと、上海の展示会にも出展することになったのだ)
でかい国だけあって
展示会場もデカかった
1棟が幕張の大展示場ぐらいあるものが、ずらっと7棟も並んでいる
タクシーの運ちゃんに
「4月、ここで私たちも出展するんだ」と話したら
とってもうれしそうに笑ってくれた事が、私たちもうれしかった
それから、宿題の駐在事務所の物件探し
いくつ見ても、一長一短でキリがない
分譲のマンションを買った人から、賃貸しで借りるのだが
見るほどにびっくりするのが
上海のマンションの老朽化の早さ
その壁の汚れ具合・ペンキのはげ具合・サビの出具合・床の荒れ具合
その状態から
建ててから7~8年以上は経っているだろうと思ったものが
築後1年程度しか経っていないという
思わず唸ってしまう
材質の悪さ
施工の品質の低さ
汚れた空気・酸性雨などの環境の厳しさ
自分の部屋の中だけはきれいにするが・・という、使い方の悪さ
そんなことが激しい老朽化の原因なのだろう
上海はバブル真っ最中
マンションは投機の対象になって、恐ろしいぐらい値上がりしているが
(日本のレベルともう変わらないぐらい高い)
とても資産的な価値が続くとは思えない
超高層でデザイン的に凝った、一見立派なマンション群
あっという間にゴーストタウンになってしまうのではないと、ゾッとした
建設も激しいが、老朽化のスピードも激しい
恐ろしい風景に見えてくるマンション群である
かなりクタクタになった
腹も減った
そこで、庶民のためのファストフードのような中華屋さんに入った
今風のセルフサービス
頼んだのは「ショウロンポウ(漢字を忘れた)」と「ワンタン」のセット
3人で29元
一人で約140円ぐらい、意外と高い!
しかし、本場のショウロンポウは
肉汁たっぷりで、今まで食べたシュウロンポウの内で一番おいしいと感じた
このずいぶん遅い昼食を食べてから
もう一軒中古の賃貸しマンションを見に行って
それから頼さんの店に行く
頼さんの店は相変わらず繁盛していた
それも、アウディA6とか、BMWとか、ビュイックの3Lとか
金持ちが乗っているような車が次々に入ってくる
頼さんに聞いた
私「売上はどう?」
頼さん「12月から売上が増えない。1月も2月も12月と同じです。」
私「12月と同じって、それってすごいじゃない。季節指数ってものがあるよ」
頼さん「他の店は売上ッが落ちて、今はこの店がトップです」
私「・・・・・」
1月と2月が12月と同じ洗車売上であるならば
それはすごいことだと思ったのだが
実はそうではなかった
中国では、旧正月があくまでも正月であって
12月は別にドオッてことない月なのだそうだ
だから、「12月から売上が伸びない」と言うのは、あながち的外れの悩みでないのだ
キーパーは、100台ぐらいはこなしていると言う
しかし、来店客数からすればまだまだ少ない
洗車だけが多くて、だから平均単価が意外と低い
「頼さん、この店をブランドにしようよ」
たしかに、この店は日本の快洗隊と同じような洗車の仕方をしていて
その仕上がりもなかなかだ
高級車が集まってくるのもうなづける
待合室も、お客様がカウンターに座って洗車を見ている様は
快洗隊と一緒である
快洗隊の接客を中国流にアレンジして
洗車もうまい
街の屋台のような洗車屋とは明らかに違う技術
キーパーもソコソコやっている
やっていることは快洗隊にかなり近い
オーナーの頼さんも、自分の店を上海の快洗隊といって胸を張る
しかし、店を見て
快洗隊とキーパーのロゴがひとつもないことに
違和感を覚えた
中国の人は、ロゴを使う習慣がないのか
街の中にもロゴはあまり見られない
店をビジュアルとして作り上げていない
そこで
「KeePre」と「快洗隊」のロゴをでかく描くことにした
店自体にステータスを感じさせるものにしよう
そのためのデザインを一緒に考え
4月中旬の展示会までに作り上げることを約束する
この店がどうビジュアル化されるか
けっこう遅くまで話をして
晩御飯を食べに行くことにする
途中、頼さんの新しい事務所を見に行く
頼さんは、かなり儲かっているらしく
一等地に立派なマンションを買っていた
「すごいすごい」を、私は連発してしまった
頼さんは、壁が真っ白な“社長室”を作っていたのだ
私は、みんなと一緒の大部屋で机が二つ置いてあるだけの“社長コーナー”
えらい差である
晩御飯は頼さんがおごってくれた
これまたびっくり仰天するような超豪華レストラン
晩御飯のメンバーは
頼さん、黄さん(頼さんの男性秘書?)、私、荻野部長、李さん
以上5名
料理は、素晴らしく美味しかった
私は上海の料理が合うのか、何を食べてもすごくおいしい
鹿の足の皮(ほぼコラーゲン)
鴨の皮のご飯詰め→ばかうま
甘く美味しい小魚の揚げ物
小さな青物の炒め物
コリッコリッのくらげを黒酢で
焼豚と青菜の着け合わせ
水晶海老の炒め物(プリンプリン)
あと2品ぐらい(忘れた)
そして
ふかひれの姿煮スープを一人一鉢ずつ
これに赤い酢と香草を入れて食べる
何とも言えない食感と、深~い味がたまらない、全員が一滴も残さず完食
飲み物はビールが5本?8本?
絶対ダイエット命令の出ている私にとってはとんでもない違反メニューだ
これでいくらだと思います?
こそっと明細を覗いたら、1,250元とあった
日本円で17,500円ぐらい(一人3,500円)
日本で食べたら6~7万円(一人12,000万円以上)は絶対に取られる
中国の物価水準からすれば大変高いものであるが
日本の価格から見るとやっぱり安い
そして圧倒的にうまい!
上海はデブには絶対に毒な街である
激しく毒のある街である
頼さんご馳走様でした。
※超ワイドレンズで頼さんに迫ってみた
上海料理を楽しむのは、今日だけ、今日だけ
明日からは、絶対にダイエットと、強く自分に言い聞かせた上海の初日でした。