2004年01月05日(月曜日)
868話 SSの方が凄い?
前話まで長々と12月の快洗隊報告を書いてきた
自慢話のために書いてきたのではない
伝えたかったのは
快洗隊流のビジネスは、実は、やろうと思えば、SSでも十分に出来るということ
という意味もある
現に、広島県の呉にある「神垣石油さん」は
インターネットを通じて何年か前に知り合い
交流の中で
洗車について快洗隊の考え方に共鳴していただき
今年の年末、快洗隊流のやり方をご自分のSSの中に作り上げて
素晴らしい結果を出している
その神垣さんが、自身のホームページで書いていることを引用したい
以下、神垣石油さんのHPより ―――――――――――――――――――
http://www.kure-city.net/st31/
あけましておめでとう
ございます
一年のはじめを 明るい話題にしましょう
まずいつもの快洗隊さんの年末速報
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2003年12月31日(水) 大晦日、速報!
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刈谷店44.2万円 累積813.4万円 粗利益計873.2万円
知立店28.4万円 累積452.8万円 粗利益計481.4万円
安城店33.8万円 累積450.1万円 粗利益計464.8万円
北神戸店20.1万円累積321万円 粗利益計322.5万円
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さて 私と快洗隊の仲で誤解を恐れず そのままst31を並記すると
st31 37万円 累積368万円 油外粗利益計778万円
燃料油含めたSS粗利益合計(マージン10円として) 1100万円
12~15円方針をとれば 1200万円以上
改めてSS商売の良さを認識する
勿論 洗車専門店は200坪弱の店舗で洗車だけの設備(2千万円?)
と少ない人員いう効率の良さは抜群。
しかし SSも設備投資額が大きいが、それなりの粗利益もあがる
ということの再認識。あとはどのように黒字にするかだけ。
もう一点
うちは SS部分250坪 年末は計量機4基のうち2基は
実質使用しないようなレイアウトに徹して
とにかく洗車スペースをとる努力をしました。
計量機2基と灯油の導線を100坪としたら 残り150坪
そうです 快洗隊さんに近いメニューと単価と店舗にしたら
我々SSでも同じような実績が出たということです。
少なくとも 28-31日実績は近いものがある
人員は、高校生バイト3名含めて12名(事務と配達除く)での事件です
GS と SS の棲み分け
頭の中での棲み分けから 実績での棲み分けの年
以上です。 ――――――――――――――――――――――――――
ここで、もう一度、快洗隊の意味を確認したい
?快洗隊が提唱する「新しい洗車の客層」
つまり、「“きれい”を最重視し、仕上がりを価格とか時間に優先させる人達」
そういう人達の中に、想像以上の大きな洗車需要がある
?その客層にターゲットを絞った店舗=快洗隊を作ったら
十分に採算の取れるビジネスが構築できた
?刈谷店という一軒の店舗だけでなく、今年3軒続けざまに、あらたにオープンしたら
3軒とも、刈谷店と同じような軌跡を確実に描き始めた
?こうなると、この「新しい洗車の客層」は本物であって、ビジネスとして可能性が高い
?しかも、この客層はいまだ未開発であって、ほぼ、どの地域でも通用しそうだ。
しかし、その運営については実際に展開してみると
類似のビジネスであるはずのガソリンスタンドでの洗車の手法とは
かなり違うものが要求される
たとえば
?作業は効率重視ではなく、“品質重視”の商品作りが絶対条件
たとえ、混雑時であっても
仕事が雑になるので“急がない”。⇐ SS経験者には、特に、これが難しい
※神垣石油さんでは、年末、燃料の導線を縮小までして流れを別にし
余裕のある洗車スペースで、ジックリと、高価格洗車を高品質で提供した。
?従来の商品揃えにこだわらない、新しい客層に一致した“新商品メニュー”が必要
手洗い洗車は入り口商品であって、主力商品はキーパーなどの“磨き”商品
快洗隊の実績では、キーパーなどの“磨き”が全体の65%の売上を占めている。
※神垣石油さんも似たような商品構成になっている。
特に、年末はセットメニューが良く売れるところまで似ている。
?高品質商品を作り上げるための“訓練”が必須である。
そして、その高レベルの維持がより重要である。
※弊社広島営業所の山本を、かなり使ったらしい?
?高付加価値商品に十分見合う高価格=高採算価格を設定することが出来る。
「値引きによる販売促進」はホンの最初だけ。
ダラダラとした値引き販促、値引きシステムは命取りになる。
※自分の仕事にプライドがある神垣さんは無用に値引きをしない。
?手法は、レストランなどに準じる。
明確な“商品メニューボード”などによって、商品の選択をお客様に委ねる。この部分については確認していないが、
※神垣さんではメニューボードもさることながら、施工したお車の写真を撮って
店内に掲示することによって、お客様の購買意欲をそそっていた。
神垣さんいわく
「快洗隊と同じ面積を確保して、同じメニューを用意して、同じだけ人数を揃えたら
快洗隊に変わらない数字を挙げることになってしまった。」
このような結果になったのは
神垣石油さんが、元々、素晴らしいCSを実現しているSSであり
お客様からのゆるぎない信用が築かれていること
そして
スタッフの目標に対するモチベーションも非常に高いこと
そして、何より
849話にあったように
計量器の検定資格を自分自身で取得してしまうほど
SSの商売の枠にとらわれない
自由な発想を持っていること
しかも、
この店では利益を生んでいる商売が
洗車関連だけではなく、SSの油外収益全般であり、
オイル、タイヤ、車検、鈑金と幅が非常に広い。
合わせると
快洗隊最高の刈谷店の洗車売上に匹敵する収益を上げている
しかも、しかもだ!
忘れてはいけない
この店はガソリンスタンド
肝心な燃料油(外商も含む)から上がってくる収益(10~12円/?)まで入れると
総計で1100~1200万円になるそうだ
洗車専門店では、とても真似が出来ない芸当である
長年積み上げてきた信用と整備力を武器に
燃料油外収益をしっかりと積み上げ
燃料も下手に安売りに走らず、周辺より5~8円高をつっぱり
それでも、よく躾をされたスタッフのCS接客で
一定の燃料油販売数量を確保しながら
外販にも努力し、燃料油の収益を立派に上げている
そこに、既成のSS洗車とは違う快洗隊洗車メニューを取り入れ
ちゃんと訓練して
年末だからと、給油の導線にまで手を入れて
場所も思い切って確保した
人も必要数を揃えた
そうしたら、洗車において快洗隊のような売上げが実現して
1店全体で1100~1200万円という化け物のような実績が出た
洗車専門店にはとても真似ができない
ガソリンスタンドって、とても恵まれた商売である
大抵の場合、立地は素晴らしいし
元売マークを上げているだけで
燃料という商品に絶対的な品質を確保できている
店を開いていれば、お客様は向こうから入ってきてくれる
こんなに良い商売は無い
だから、多くのSSの人は
何もかもが昔からのガソリンスタンドの姿でありたいと思うだが
洗車まで
昔からのSS洗車の姿である必要などまったくないのだ
燃料油の口銭が激減した今
本当は、SSの在り方自体が
既成の発想からの物でなければならない理由は、とっくに消え失せた
既成のSS洗車の概念にとらわれなければ
ガソリンを入り口にした快洗隊だって立派に成り立つ
逆に、快洗隊を切り口にしたガソリンスタンドを
私は、その内、是非やってみたいと思っているぐらいだ
自分の商売を縮めているのは
他ならぬ、自分自身の発想の狭さなのだということを
神垣石油さんの
“年末・快洗隊”の成功が示しているような気がする
「既成の発想にさえ捉われなければ
可能性としては、SSの方がずっと凄いのに」
そう私に思わせた神垣石油さんであった
そう言えば
あのスバ抜けた接客と実績で有名な「アイビー石油さん」
8月に福岡にオープンした快洗隊・那珂川店は
洗車売上を367万円上げた
オープンわずか4ヶ月目での実績としては素晴らしいものだ
しかもこの店は、洗車専門店でもなんでもない
一見すれば普通のSSだ
設備的にも、決して恵まれたものではない
質の高い洗車商品を
質の高い接客を持って
高付加価値、高価格でキチンと販売し続けた、だけ
(もちろん快洗隊独特のノウハウもしっかりと実現しているが)
そして、もちろん
他にも油外収益があり、燃料油も安売りせず、収益もキチンと上げている
だからその総合計は、多分、刈谷店に勝るとも劣らぬものであるだろう
わずか4ヶ月で、刈谷店をゲットしてしまっているのかもしれないのだ
私たちの快洗隊は
100坪あまりの小規模な土地に
2000万円あまりの設備投資をして
平日2~3名の少人数で運営している
標準的なガソリンスタンドからすれば
あらゆる意味で“軽い体質”で経営している
その意味では、洗車屋とガソリンスタンドをダイレクトに比較することは
無意味であるが
本来、ガソリンスタンドは
投資すべき資金も大きいが
洗車屋の洗車をすることも出来るのであって
収益構造からして
洗車屋よりも、その意味では、ずっと凄いのである
しかし
自分自身を縮めているものがあるとするならば
それこそ、自らが作り出している呪縛の発想なのではないだろうか