谷 好通コラム

2003年11月20日(木曜日)

838話 もう、わかったよ

事業は「人・物・金」で構成されている

 

順序は「人・物・金」であって
「物・金・人」ではなく
「金・人・物」でもない

 

事業は、人・物・金の順序で構成されている

 

人とは、経営者、社員、スタッフ
そしてブレーン、そして仲間たち、そして協力者の方々
そしてもっとも大切なのはお客様たち
○狭い意味で言えば、「経営者と社員など事業スタッフ」

 

物とは、商品であり、建物や設備
○狭い意味で言えば「商品」

 

金とは、資金
○狭い意味でも広い意味でも、事業資金

 

「人」が十分に力を持っていれば
よい「商品」が作られるであろうし、その「商品」を販売できる

 

よい「商品」が作られ、売れれば、事業は栄える
事業が栄えれば

 

「金」は利益という形で集まってくる
あるいは、融資、投資という形でも集まってくる

 

「金」が集まってくれば
つまり資金が潤沢になれば
力のある人材も集まりやすくなるし、よい商品開発にも役に立つ

 

力のある人材が集まり、よい商品が開発され、販売する力もあれば
事業はより拡大し、資金もより集まってくる

 

事業拡大の単純な発展的サイクルである

 

しかし
事業を始めるときには
あるいは、発展する経過においては
いつでも、かならず、十分な資金などはないのである

 

だから、事業の拡大要素
力のある人、良い商品、集まってくる資金
人・物・金
この三要素のうち、一番初めに来るのは「人」でなければならない

 

最初から金があってはじめる事業は
人が育つことよりも、経営方向が資金力に頼ってしまうので
人を育てることを怠り
また、商品力の維持、開発を怠って
多くの場合、事業として失敗する
お役所仕事が始めた多くの事業が、呆れるような資金の使い方をして失敗するのは、こういうことなのだろうか

 

最初から良い商品があって始めた事業も
たとえば、自分のところだけが売っている特別の商品があったりすると
その商品力だけで売れてしまうので
接客がおろそかになったり、つまり人がだめになったりする
そして、新しい商品開発も怠り
商品力が相対的に下がってくると、低レベルな接客と相まって業績が下がってくる
業績が下がってくると
銀行などからの融資が引き上げられ始め
事業は短時間で崩壊する

 

事業は、物と金があっても
力のある人が育たなければ
事業は、いとも簡単にぶっつぶれてしまうのだ

 

事業とは、人・物・金の重要性の順位で構成されている

 

 

人とは、自分の思い通りには行かないものであるし
お金で買えるものでもない
人とは、物・金と違って不安定なもの
しかし、事業とはその人という要素がその命運を握っているもの
そういう意味では、事業とは非常にもろい物だとも言える
そんな風に思っている
人を育てることとは半端なエネルギーでは出来ないことなのだ

 

「人を育てる」ということにおいて
どうしようもなく限界を感じることがある

 

人を育てるとは、「教えること」
教えていての限界
それは、教わる側が勝手に早く「解ってしまった」状態になること

 

100の事を教えようと思って
基本的な事から教え始めると
ある人は10とか、20ぐらいの段階で突然「解ってしまう」のだ

 

まだ基本的なことしか教えていないのに
つまり、概要とか表面的なことしか教えていないのに
もう「解ってしまう」

 

この状態になってしまうと、もう手を付けられない
何も教えられなくなってしまうのだ
もう何も入っていかない

 

あるレベルまで物事を知ると
それが全部解ってしまったように思えてしまう
全容が見えたと思うと
その後は、その事を自分の価値観の方向で見るようになって
教えようとする人間の価値観の方向からの知識を拒否するようになるのだろう

 

教える側からすると
その人はまだぜんぜん知らない状態なので
一生懸命教えようとするが
もう、どうしようもない

 

すでに、その人は解ってしまっているので
何を言われても、押し付けに感じてしまう
「うるさいな~」なのであろう
いわゆる「聞く耳持たぬ」状態

 

しかし、実はその人は、まだ10とか20しか解っていないのだから
その事について失敗するケースが多い
あるいは、トンチンカンな方向に行ってしまう場合とか
低レベルのままであることもある

 

しかし、本人は解ってしまっているのだから
そのことには全く気がつかない

 

教える側にとっての勝負は
100の事を教えようと思ったら、どの時点まで「もう、わかった状態」を
後ろのほうに引っ張れるかだ

 

つまり、100の内、10ぐらいで「もう、解った」状態に入らせてしまったのでは
何も教えた事にならない
ほとんど何も伝わっていない
実に、薄っぺらな理解しか与えたことにならない

 

せめて60とか70ぐらいの段階まで
「もう、解ってしまった」と思わせないように引っ張るのである

 

そうはいっても、これはなかなか難しい
その本人の傾向によって
あっという間に「もう、解った」状態に入ってしまう者もいる

 

あるいは、うんと高いレベルまでその状態にならず
謙虚に学ぼうとする者もいる

 

 

実に、学ぶ能力とは
この「解ってしまった状態」が、どのレベルで来るのか
ということなのかもしれない

 

早い段階で、つまり浅い知識で「もう解ってしまった」と勘違いするものは
何を学んでも、浅いものしか受け入れないだろうし
結果、浅い知識しか身につかない
「浅憶え」
逆の言い方をすると
浅い段階、つまり簡単な知識の段階までしか理解できないので
早めに解ってしまおうとするのかもしれない
自己防衛の一つの形か

 

話をしていて
「要するに、・・・」とか
「結局、・・・」とか
たくさんのことを話しても、簡潔な形でしか理解できないので
やたらに要約したがる者がいる

 

1時間も話をしたあと
「要するに○○○○ということですね。」と言われると
さすがに、がっくりすることがある

 

多くのことを学ぶことができるのは
まだ知らないことが多く残っていることを知っているから
逆に
学ぶことをしない者は
学ぶべきことが多くあることを知らないから

 

「もう、解ってしまった」と思った瞬間に
その人の学ぶ姿勢は消えうせ、その人の成長は止まる

 

自らを振り返ってみよう
私は、教える側であるようなことを書いているが
そんなことを書いているのは
私自身が、もう解ってしまっていると勘違いしているのではないか
私は、私が知っていることなど
あまりにも少ないことを知っているか
自分は大丈夫か、自分自身が「もうわかった」になっていないか
自省の元に
学ばねばならない
いつまでたっても学ばねばならない

 

事業とは、人・商品・資金
人が育つことが事業成否の第一要件
いかに学ぶことが出来るか

 

あるいは、いかに人の力を結集できるか

 

自分自身がいかに新鮮でいられるか
学ぶということは、自分が新鮮であるという証拠

 

 

仙台から帰ってきた石川夫婦
いつも新鮮

 

 

快洗隊の新しいユニフォーム、原型 (モデルは藤村)

 

 

新しいユニフォームをデザインしてくれている・・・・名前・・忘れちゃった、ゴメンナサイ

 

 

正真正銘、新鮮そのもの
快洗隊安城店の成住夫婦
かっわいい奥さんのお腹には、たぶん今月生まれるであろう赤ちゃんがいるのだ
信じられない

 

 

「もてぎ」で、雨に濡れながらKeePreのぼりを持ってくれた大串さん
この人の気持ちの新鮮さにあらためて気がつき、ちょっと感動

 

 

多分、快洗隊大好きの京條さんが作ってくれた、新しい快洗隊の手作りモデル

 

 

新鮮な風を洗車シーンに吹かせることが出来るか、アクアキーパー体験会・神戸

 

 

実はいつも新鮮なのは、こいつたちなのかもしれない

 

 

やっぱりいつも新鮮なのは、毎度の富士山
今日の富士山は
手前に雪をうっすらとかぶった「乗鞍山」との2ショットです。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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