2003年10月20日(月曜日)
822話 弁当がうまい訳
先日、茶髪のおにいちゃんたちが喋っていた
「おい、セブンイレブンの弁当がうまいわけ知っとるか?」
「いやっ、知らん」
「セブンイレブンはなぁ、
社長が、自分とこの弁当、自分で食って
社長が“ウマい”と言った弁当しか出しとらんのだわ
ええか
セブンイレブンの社長ちゅったら、
どえりゃ~金持ちじゃん
いっつも、うまいもんばっか食って、口が肥えとるだろう
その社長がウマいちゅった弁当だで、うまいに決まっとるだら~
だで、セブンイレブンの弁当
でら、うまいんだわ」
これは三河弁である
私も、普段はキッチリ標準語であるが
三河弁で喋りかけられると
瞬間的、本能的に三河弁を喋りだす私である
しかし
文字に書いてみると実に難しいものだ
話は三河弁のことではない
弁当の話でもない
セブンイレブンの社長が自分のコンビニで売っている弁当を
いつも、昼食で食べていること
これは有名な話である
これはじつに教訓である
自分の会社がお客様に提供しているものを
自分が知っていることは
経営者としての、最低限の責任である
なかなか出来ないことではあるが
本当にせねばならないことだ
現場にすべてのヒントがあり
ビジネスの源泉がある
経営者、管理者は現場に足を運ばなくては
あるいは手を出してみなければ
何も分からない
本当にそう思う
何が本物か
何が偽者か
実際に自分の手で触ってみなければ分からない
実際に自分の目で見てみなければ分からない
現場に行かねば何も分からない
なぜかと言えば
現場にしかお客様はいないから
お客様が食べている弁当は、自分が食べてみなければ
うまいかどうか分からないから
三河弁の茶髪のお兄ちゃんが話していた
「弁当がうまい訳」を聞いて
新鮮な気持ちになれたような気がする
私は自分の店が売っている弁当を、本当に食べているか?
ふとっ、気持ちが空と雲の方に行っていないか?
また、ドイツの空を見たいし
西表の海を見たいし
シベリアの白い大地を見たいし
あっちにも、こっちにも行きたくなって
ボォ~ッとしていないか?
谷 好通・・渇!である