2003年10月01日(水曜日)
807話 ルンルンの長崎
先ほど長崎空港から飛び立った
最終の長崎⇒名古屋便
定刻を20分ほど遅れての離陸だ
遅れを取り戻すために
「途中のスピード精一杯出すつもりです。」と
機長が、機内アナウンスで言っていた
「へえ~なんかこわいな・・、別にそんなに急がなくてもいいよ」
と、思わずつぶやく
夜間飛行は、ただでさえ気持ちの良いものではないのに
“目一杯飛ばします”と言われると
よけいに気持ちが悪い
このように出張が続くような生活が始まってから約10年経つ
最初は、飛行機が怖くて仕方がなかった
それが何千回と乗るうちに、少々のことでは怖いと思うことはなくなった
それでも
「スピードを出します。」と言われると、いい気持ちはしない
今日は、長崎県佐世保市有福町で
「快洗隊・有福店」がオープンした
セルフのSSとのコラボレートである
有福店の周辺は、決して人口が多い場所でない
半径3kmで六千人ぐらい
今までの常識から言えば、マーケットが薄過ぎるということになる
ところが
チョッと考えた
たった六千人程度の街だと
色々な店舗がいっぱいあるわけではない
その真ん中に位置する場所に
今まで見たことも聞いたこともない商売「洗車屋」なるものが出来たとする
この店の、この地域においての存在感はもともと十分である
たちまち、ほとんどの住民の方たちの知るところになる
「あの変な店はなんだろう?」
「この前チラシが入ってたけど、ずいぶん高い洗車をする店みたいだよ。」
「快洗隊?って言うんだ、あの店、どういう店だろうね。」
「だけど、洗車屋って言うぐらいだから、
大きい車持って行ってもいやがらないかもしれない。きっと」
「一回行って見るか」
なんて感じで、
街中の人たちが話をしてくれるのかもしれない
マーケットが濃い場所で
あふれるほどの店舗が、ケバケバしい看板を競って上げ
目立ったが勝ちの商売をしていくのも良いかもしれないが
少ないマーケットの中で存在感あふれる店舗を作ることも
あながち間違いでもないかもしれない
本気でそう思った
佐世保はスーパー耐久の田中さんのチームの本拠地でもある
最近は、夜、田中さんと酒を飲みながら話をする事が
佐世保に来る楽しみの一つにもなっている
その田中さんに
「今度、有福に快洗隊が出来るのですよ。」と言ったら
「エ~ッ、有福?何で有福なんですか?
あそこは、幾らなんでも人が少なすぎるでしょ。」と
有福に快洗隊が出来ることを不思議がった
そう言われると、私も心配になってきたものだが
妙に、快洗隊をやっても大丈夫なような気がして仕方なかった
有福のその少ない人たち“みんなが”、快洗隊の存在をよく知ってくれる
そんな在り方もあると思った
有福店は伸光商事?さんという
快洗隊のことをすごく理解していただいている会社である
そして、マネージャーは緒方君
快洗隊研修で、すべての技術を最短記録で合格した若者
スタッフの和田君も野田君も合格!
有福に快洗隊を、との話が出たころに
アイビー石油の馬場さんと話をしたことがある
「どうしても、あの人口の少なさが気になります。」
馬場社長
「イヤイヤ、白藤(アイビー石油さんの第一号店)の店の周りなんて
有福の店の半分ぐらいしかなかったですよ。」
気持ちの奥底に引っ掛かりがあったことはあった
しかし、店のキャバシティといい
会社の姿勢といい
スタッフの姿勢といい
成功する条件は揃っている
人口についても、多ければいいものではない
その地域の中で、もっとしっかりとした存在感を作ることができれば
むしろ、狭い地域の方がいい
そんなふうにも考えた
そして、15分も走れば、かなりのマーケットを持つ佐世保の市街がある
口コミが始まれば面白いだろう
むしろ、この立地は好立地なのかもしれない
今日、初めて完成した有福店を見た
2週間ほど前見たときは、その完成を想像できる程度ではなかった
ここ何日かの突貫工事であったようだ
オープニングセレモニーが始まる1時間ほど前に店に行った
出来栄えは素晴らしかった
想像以上に存在感のある立派な設備であり
ものすごく安心した
マネージャーの緒方君もスタッフの人達もうれしそう
DUC長崎の森所長
福岡の平山君も応援に来てくれていた
吉牟田新社長が現れる
新社長は
10月1日つまり今日
先代の社長が会長に退き、常務から社長に就任したのだ
まだ30代前半の若き社長であり、バリバリのやり手である
10時からセレモリーが始まった
こんなにきちんとしたセレモニーは初めてで少し緊張する
吉牟田新社長の挨拶の言葉の中に
「私が社長に就任したこの日にオープンの、この快洗隊には
強い思い入れがあります。・・・・」
この言葉には
私は、かなりのプレッシャーを感じてしまった
緒方マネージャーが、成功への決意の言葉を述べる
なかなかしっかりした若者だ
いよいよテープカット
みんな揃って、緊張の瞬間である
有福店の第一号のお客様は
あ・の・福島さんであった
佐世保の隣町、有田で陶器屋「隠居屋」を営む福島さん
と言うより、スーパー耐久で麦わら帽子をかぶってピットウォールに立っていた
国籍不明のあの福島さんが
(彼はパソコンの先生でもあるという。ますますよく分からん人である)
有福の快洗隊オープンのことを聞きつけて
一号客になるべく、駆けつけてくれたのだ
ありがたい
その後も、次々とお客様がやってきた
私たちがいたオープン後1時間の間に5台もお客様が来た
“さくら”ではない
オープンの記事の入ったコミュニティー紙などを見て来店してくれたらしい
れっきとしたお客様たち
結局この日の5時までに
15台のご来店、洗車売上で7万円のオープン日であったらしい
しかも、5万円のハードシールド一台の預かりがある
仕事としては、全体で12万円分
5時以降、これにプラスどれだけあったかは分からないが
いずれにしても
順調な滑り出しである
ここは、マジッ、すごくいいかもしれない
午後からは
同じ長崎でも、佐世保とは反対側に当たる島原に走った
10月半ばオープン予定のBOSCOさん
本社のある湯江店を大改装をして
本格的な快洗隊を、SSとは離して建設中
その工程会議に出席した
熱心なやり取り
この店も、素晴らしいものになりそうだ
わくわくルンルンの長崎の10月である
大阪から始まった3日間の強行軍の出張が終わった
長い行程を経て
長崎空港から飛び立ったとき
体から力が抜けるようであった