谷 好通コラム

2003年09月27日(土曜日)

804話 プロフェッショナル

今日の朝一番の飛行機で、仙台に来ている

 

目的は2つ
1.仙台のSUGOサーキットでチーム“トムス・スピリッツ”の松永さんに会うこと
2.アイ・タックの仙台営業所で、スタッフミーティングをすること

 

“トムス・スピリッツ”は
レーシングチームとして有力チームであり名門でもある

 

私たちがチームキーパーとして参戦しているスーパー耐久シリーズにも
参戦しており、同じNプラスのクラスである
“トムス・スピリッツ”の2台の「アルテッツァ」は
このところ連続して優勝・準優勝の1.2フィニッシュを飾っており
Nプラスのクラスでは圧倒的な強さを誇っている
とにかく速い!
我がチームが完走、あわよくば3位での表彰台を目標にしているのに比べて
今の時点では、ちょっと別格である

 

松永さんはそのスーパー耐久には、監督の立場で出場しており
もう一つ格上の“全日本”GT選手権“に、ドライバーとして出場している

 

松永さんとはMINEで縁があった

 

去年の11月、鈴鹿でのGT選手権最終戦で
GT300クラスの松永選手が乗る「MR-S」を少しだけスポンサードさせてもらった
鈴鹿戦のみのスポットであり
申し訳ないほどの、ほんのチョポットだけのスポンサードであった
その時の「MR-S」のゼッケンは、?17であった

 

 

今年のスーパー耐久でのキーパーインテグラも、?17

 

 

まったくの奇遇ではあるが
これも何かの縁であったのかもしれない

 

今回、SUGOに来たのは
松永さんから、仙台の大手のディーラーさんを紹介したいと言われていたためだ
このディーラーさんは
ずっとトムススピリットと松永さんを応援している会社で
東北地区最大級のディーラーさん
たとえばタオルなどが、ビジネスとして成立するならば、これはありがたい話だ

 

今回のスーパー耐久には
我がキーパーチームは欠場してしまったが
“ぜひっ”との松永さんの熱意によって、仙台の責任者と担当者を連れて
お邪魔させていただいた
そして、パドックでその会社の方に
アイ・タック技研とその商品についてのご紹介をさせていただく

 

横から松永さんが
「この快洗Taoる、使ってみたけどすごく良かったですよ。」とか
いろいろ応援を出してくれる

 

約1時間ほども説明をさせていただいただろうか
松永さんは、私たちより一生懸命営業してくれる
ありがたいことだ
これで、この話が実際のビジネスに進むかどうかはわからない
先方のニーズに当てはまるかどうか
そこはビジネスなので
要らない物を付き合いで買っていただけるとは思っていない
私たちはチャンスを貰っただけだ
それで十分である

 

しかし、松永さんが本気で応援してくれたことは
ホントにありがたいことだと思った
このご紹介のほかにも
いっぱい、私たちのビジネスに役立つのではないかとの提案を貰っている

 

松永さんはGT選手権、鈴鹿最終戦でのスポンサードを希望している
そのスポンサーを欲しいから、いろいろと言ってくれるのか

 

もちろん、そうである
松永さんはレースのプロだ
GT選手権という日本で一番人気と観客動員数を多いレースででも
スポンサーのロゴを車に貼って走るだけでは
スポンサーの役に、十分に立てるわけではない
だから、ビジネスの面において自分の出来る限りの役に立ちたいと
具体的に行動してくれているのだ

 

相手の役に立ってこそ
自分たちのスポンサードを獲得できるものと考えている
これは、プロの考え方である

 

考えてみれば
過去、何の広告効果もない草レースに
しかも、私たちのビジネスにも役立ってもらいたいと
具体的なこちらからの提案にもほとんど反応なしの状態なのに
私自身、自分が走りたいので
判断が甘くなり
ただ単に、無駄なスポンサードをしてきたことを、つくづく反省する

 

知らなかったとはいえ
私もビジネスのプロのくせに、あまりにも甘かった

プロとは
相手の役に立ってこそプロ
プロとしての報酬を得ることができる

 

これはすべてのビジネスについて言えること
世の中のことすべてについて言える事なのかもしれない

 

スーパー耐久の田中篤氏からも
「よかったら、数十台ある自社のトラックに“KeePre”のロゴを貼らせてもらいます。」
との、ご提案を貰っている
最初はちょっとためらった部分もあったが
今は、ぜひお願いしたいと思っている
彼もビジネスのプロ
さすがにその姿勢はしっかりしている

 

ビジネスとは、give & take
相手に対して提供できる付加価値(give)があってこそ
自分は報酬(take)を得られるもの

 

その意味で、トムススピリットさんと松永さんは正常なプロのチームである
これも、チームの社長・鈴木氏の考え方が
間違いなく、プロフェッショナルであるからであろう

 

松永さんと鈴木社長

 

 

プロのレースドライバーは、タニマチを持つ相撲取りとはまったく違うのだ
キッチリ、ビジネスをしているのだ

 

私たちも全員、ビジネスのプロ
お客様に何を、あるいはどんな付加価値を提供できるのか
そこを基点に考えないと
何もかもが壊れてしまう

 

「洗車を買ってもらう」は、もらう事、takeである
「お客様の車を綺麗にして差し上げたい」がgiveである

 

“本気”で、「綺麗にして差し上げたい」と思えば
その気持ちは必ず相手に届くものだ
その自分自身の気持ちの中の“give”に自信が持てるならば
洗車メニューから
お客様の車のキレイのためになるものを、本気でお勧めするべきと思う
それは正しいと思う
しかし
そのお勧めが「買ってもらいたい」の“take”に基ずいているものならば
いっそのこと、何もお勧めしない方が
いいのだろう
一歩間違えば、ただの押し売りになってしまうから

 

午後2時から
仙台営業所でミーティングをした
中所長と、今度、仙台営業所から名古屋に戻ってくる石川誠君
そして、今回新たに仙台営業所に赴任した新人の石川和宏君
計3名でのミーティング
特に何かを決めたり。伝えたりの目的ではない

 

洗車ビジネスにおける
「綺麗にして差し上げたい」のgiveの気持ちに対して
営業に携わるものとして
「洗車ビジネスで成功してもらいたい」が、giveであって
「買ってもらいたい」は“貰いたい”に通じ、takeに当たる

 

本気で、お客様の車を綺麗に差し上げたい、と思えるかが
洗車ビジネスの基本であるのと同じように
アイ・タックの営業、あるいはインストラクターは
本気で、成功してもらいたい、と思えるがどうかが
仕事としての成功の分かれ目である

 

本物のプロフェッショナルであって欲しい
そんなことを、あらためて言いたくて
3人に集まってもらった

 

2年前に石川誠が仙台営業所に来て
中所長との絶妙のコンビネーションで、メキメキと実績を上げた
約束の2年を経て
石川誠が刈谷に帰ってくる

 

今、一時的に3人になっている仙台営業所
3人の仙台は、またしばらく見納めか
はたまた、中所長と石川和宏との新たなコンビが、もう一飛躍を呼んで
すぐにでも、また3人の営業所になるか
楽しみである

 

 

今日の朝
名古屋空港を出るときには、雲ひとつない大晴天であった
この分だと、上空からまた富士山が見えるかもしれないと思って
Aの席(進行方向に向かって右の席)を取った
案の定、離陸してわずか10分後ぐらいに
右の方向、はるか数百キロのかなたに
富士山のシルエットが見えてきた

 

 

やっぱり富士山が見えたときは、ラッキー
いい事がいっぱいやってくる

 

約50分後の仙台上空は
雲がかかっていた

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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