2003年05月16日(金曜日)
709話 トヨタ製の空港
ただいま深夜1時過ぎ
日付は15日から16日に変わってしまっている
夕方からのタイムス編集会議をやって
その追加記事を少し書いていたので、こんな時間になってしまった
だから、今日はショートショート
今朝の新聞に
「珍事・中部新空港の建設費が余る」というような見出しで
今、伊勢湾の常滑沖に建設中の中部新空港が
四千何百億円の当初建設予算より、10%も安く出来てしまう見通しであるそうだ
しかも予定より一ヶ月の早く完成する
そう書いてあった
そして
こんなことは、初めての事である、とも
公共投資がらみの建設とは
当初予算よりはるかにオーバーすることが実際は当たり前であって
場合によっては予算の倍以上
あるいは何倍かになってしまうことが常識であった
それが、この中部国際空港に限っては10%も少なく出来る
約五百億円も余るのだそうだ
だから、珍事だと
この空港建設の采配を振るっているのは
毎度の元・高級官僚ではなく
元・トヨタ自動車社長の平野なんとかという人で
トヨタお得意のカンバン方式で建設の管理をしたそうだ
スッカーとする話しであった
役人は、付いた予算が余ると
予算の計算が甘い、となって翌年から予算が削られるので
無理しても金を使いきろうとする
一般の会社では、付いた予算が余ると
よく倹約した、コストダウンしたと誉められる
一般の会社では、自分たちのお金を使うので
出来るだけ少ない出費で予定のことが出来れば
余った分だけ利益となって、よくやったと誉められる
役人の場合は、他人の金なので
使わにゃソンソンか?
なんか狂っている
民間の会社の元経営者に
予算を使わせたら、当たり前のように一生懸命経費を節減し
コストダウンに努力した
だから、当たり前のように予算が余った
じゃあ、いままで
どっかの役人と政治屋が、何十年もかかって、日本国中で使った
何千兆円、あるいは何京円もの予算で、
民間の優秀な経営者にマネージメントさせたら浮いたはずの
天文学的な金は?
何だったのか
誠にばかばかしい
馬鹿な役人どもにいくら損させられたらいいのだろう
民営化とは
大切な税金を使うためのいろいろなマネージメント役を
自己の保身にしか興味のない無能な者から、取り上げることにある
中部国際空港が、トヨタ製の空港と呼ばれても
私たちの血税が何千臆円もの予算オーバーを避けられただけでなく
何百億円もの節約まで出来たとするなら
文句なしで万々歳である
今日は
睡眠不足の頭が
そんな過激なことを思ってしまったのだ
ついでにもう一つだけ
(この時点でショートショートではなくなってしまった)
今日、外出している時に、JALの飛行機の予約を電話で取ろうと思ったが
電話帳が手元になかった
だから
財布の中にあったマイレージのカードを出して
裏に書いてある電話番号にかけようと思ったら
どれも
通じなかった
そこに書いてあった電話番号は、すべてフリーダイアル
携帯電話からはつながらないのだ!
あったまに来た
いまどきは固定電話より携帯電話の方がはるかに多く使われている
家にいても、つい携帯を使ってしまうぐらいだ
それが、いくらタダだといっても
携帯からはかからない電話番号だけしか載せていないのは
アホである
フリーダイヤルの方が、「タダだからありがたがるだろう」とは
なんか役人っぽい匂いがする発想ではないか
航空会社の重役には、元・通産省などからの天下りが
ずらっと並んでいるという
「だからか?」なんて勘ぐっていたら
また腹が立ってきた
では、と思ってトヨタのカード
「トヨタレンタカー・ビジネスカード」があったので
その裏面を見てみた
やはりフリーダイアルの番号が目立ったところに書いてあるが
それでも
一番下に小さく一般電話の番号も書いてあった
「やっぱ、そうだよな」
と、一人で妙に納得したのでした。