2018年12月19日(水曜日)
12.19.記録は、今日、破られました。
2001年、インプラント(人口の歯)を何本も入れて、
その人口の歯はいまだに健在で私の人生に大きな貢献をしていてくれている。
自分の歯が無くなったら、入れ歯などを考えるまでもなく
“インプラント”にすれば、自分の歯より丈夫で快適である。
しかし、あの時に入れたのが上あごの歯で
インプラントの本数が多かったので、オペも長くかかり、
しかも私はその頃毎日酒を飲んでいたので、麻酔も効きにくく
麻酔も大量に打ったのだが、
それが醒めてからがまた大変だった。
家に帰ったからが大変痛かったのです。
貰った痛み止めを飲むぐらいで我慢するしかなく、
家で痛さにのたうちまわっていたのですが、
そこへちょうど帰ってきた娘が、
内容は忘れましたが何か憎たらしいことを言ったのです。
痛さに苦しんでいた私は、頭にきて、家の壁を蹴飛ばしました。
そしたら、
足の甲に激痛が走ったのです。
あまりの痛さに外科の病院に行ったら、甲の骨が折れていました。
その骨折の痛さは、
インプラントのオペの後の痛さを凌駕していたようで、
すっかり忘れてしまったのです。
だから痛い痛いと言っても、
もっと痛い部分が出来ると忘れてしまうということを
私は、身をもって知っている稀な人間なのです。
多分あの時の痛さが私の記録だったのではないでしょうか。
しかし、その記録は、今日、破られました。
医者が事前に痛いと言い、
ウィキペディアにも大変痛いと書いてあった「神経”根”造影ブロック検査」を
今日決行したのです。
これは腰の背骨の表面を麻酔して、
脊髄に長い針を刺して(本当にものすごく長い)、
脊髄から出ている太い神経(神経根)にその針を刺し、
神経が針に刺された時の激痛が、
元々痛かった腰痛の場所といっしょなのかどうかを確認して、
造影剤を入れてX線撮影をした上で、
麻酔薬で痛みを無く神経ブロックという手術ではなくて検査です。
文字で書いただけで痛そうですが、
この検査をする台に登って寝る時に、
担当の医者が「痛いですから、頑張ってください。」と私に言う。
その時点で私は完全にビビってしまいました。
表面の麻酔は「ミエロ」で打ったので平気だったのですが、
長い針(管になっている)をグッグッグッと刺して、神経根を探す段階から、
体中から汗が噴き出るほど体がガチガチになって、
医者の「力を抜いて~、体動かさないで~」の声が完全にうつろでした。
「そろそろ神経に当たるので足の先がビリビリってシビレルから教えてね」
しかし中々うまく神経根に刺さらず、
長い針が体の中で動くたびに、つい、「痛い一!」と叫んでしまうので、
医者が「当たった?」と聞くたびに
「いや、針の所が痛いだけです。」と応える。
情けないが、
この痛さよりもっとすごいシビレが来ると言われると、
とにかくビビリまくってしまい、
針の痛さと分ってしても「痛い、痛いっ」と騒いでしまう。
しかし何度かやり直して、とうとう当たった。
しかしそれは先の言葉「足の先がビリビリってシビレル」は全く当たっていず、
雷が足に落ちて、
数万ボルトの電流の束に足全体が包まれ、
足がバラバラに引きちぎられると言った方が合っている。
ビリビリより、バリバリバリバリバリバリっバリの方が合っている。
私はただ
「ギャー、来た来た来た来た」と叫んだまま、
次の段階の作業に自らを晒しているだけ。
目から涙が吹き出し、
ものの十秒か、もうちょっとの時間、
声も出ず、口を開けたまま固まっていたのです。
それはじきに終わって、
最後は神経根に直接、麻酔を入れて神経をブロックするので、
かえって痛みが引いて、それで終わります。
あっけなく終わって、
部屋の外に出ると、
次の患者が連れてこられました。
私と同じくらいの歳の小さなおばさんです。
その人は割と無表情に澄ましていたので、
私は、つい、
「無茶苦茶痛いですよ。」と言いそうになってしまいましたが、
もちろん、
そんなことは言いません。
検査のついでのような神経ブロックは
劇的に効いて、腰が快適です。
病院の四階に造られた大きな庭園に散歩に出たのは入院以来初めてです。