谷 好通コラム

2003年03月15日(土曜日)

663話 続・何度も何度も

前の662話において
東京ディズニーランドを例に
リピート客確保の重要性について書いた

 

あらゆる商売、とりわけ小売店舗にとって
一度来店し利用してくれたお客様に、いかに「また来たい」と思っていただけるか
つまり、リピート客になってもらえるかが
繁盛店と、暇な店との決定的な分かれ目である

 

膨大な販売促進費をかけて、集客しても
集まってきたお客様にとって
※商品に魅力がないか
※接客が悪く、気分が悪いか
※あまりにも不便なところであると
結局「また来たい」とは思わず、それっきりになる
繰り返し同じように販売促進をかけても、その人は2度と来ない。1-1=0

 

1-1=0が、いくらたくさん来ても、何も積み重なっていかず
集客でその日12人の来店があっても
翌週あるいは翌月には
0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0+0=0
誰も来ない
だからまた集客をかけても
その販促効果だけの12人が来るだけ
販促をかけて集客をすればするほど、1-1=0の人が増えるだけで
その地域における販促効果も、みるみる減っていく
無駄な販促費がそのまま赤字に上乗せされるだけ

 

逆に
※商品にすごく魅力があり
※いい接客で、気分が良くって
※それがあまりにも不便でもないところにあれば
お客様は「また来たい」と思い、きっと“また来る”
つまりリピートする
1=1
そんな人がだんだん増えていけば
1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1=12
翌週あるいは翌月その12人がまた来て
そして、それに新たに12人が集客されれば
12人+12人=24人
その翌週あるいは翌月には
24人+12人=36人がやってくる

 

しかも、「また来たい」というその魅力を他人に喋ってくれるぐらい
その人に「また来たい」と思ってもらえれば
12人×2=24人となり
翌月あるいは翌週には
24人+12人=36人であり
そのまた翌月あるいは翌週には
36人×2+12人=84人となる

 

「もう来ない」と思わせてしまう店は、永久に繁盛することはないが
「また来たい」と思わせた店
それどころか「また行きたい」と他の人にも喋ってもらえれば
その店は、あっという間に大繁盛店になってしまう

 

その差は、決定的なものである
物が売れるかどうか、来店が多いかどうか
それは実に、いかにリピート客を作り出せるかどうか
その一点にかかってくる

 

一度来てくれたお客様をリピートさせるには
「上質の商品」「もてなし=上質の接客」「立地」
そして、リピートをつかみ続けるには
その「質の維持」「新鮮さ」
TDLの例では、そのどの要素をとっても
前話のごとく
繁盛するべくして繁盛していると言える

 

TDLのリピート率はなんと97%
何という凄まじいまでの数字

 

ここまで読んでいただいて
「安い」という要素には、全く触れていないことにお気づきであろうか
意外かもしれないが
リピート客を得るためには「安い」という要素は、実は大きいものでないのだ

 

TDLの入場券は決して安くない
アトラクションの利用も決して安くない
園内での食事も、キャラクター商品などの土産も決して安くない
絶対金額としては決して安くない

 

しかし
価格というものは「相対的」なもので、絶対的なものではないということ
つまり
買うものの価値に対して、その価格が「高いか・安いか」
どう感じるのか、それで決まるのだ
だから、TDLは高いといえば高いし
その楽しさを覚えてしまった人にとっては、十分に払う価値ある値段
ということになる

 

値段は、「?商品の持つ価値」と、「?接客=気分がいいかどうか」で決まるので
「他より安い」必要はない
「価値に対して不当に高い価格」では当然通用しないが
価値に見合った価格であれば十分に通用するものだ

 

ただし、同業者と全く同じ商品を扱う商売である場合、話は違う
全く同じものならば「安い」方がいいに決まっている
たとえばガソリン、軽油、灯油などもそうであろう
「?商品の持つ価値」においては、通常全く同じなのだから「安い」方がいい
しかし、しかし
価格は「?接客=気分がいいかどうか」という要素も大きい
だから、前話に出てきた“熊本・アイビー石油さん”
“長崎・ボスコさん“の様に
圧倒的に質の高い接客を持って、周辺価格よりはるかに高い単価でも
お客様たちから圧倒的な信頼を得て
堂々たる実績を築き上げている例もある

 

「上質の商品」「もてなし=上質の接客」「立地」
そして、リピートをつかみ続けるには
その「質の維持」「新鮮さ」

 

それがどの商売にも言えるのではないか
そして、確実にリピート客を獲得している店が
デフレであろうと、何であろうと
勝ち残っていく
そんな風に思うのです。

 

前話に続いて、またまた長々と書いてしまった
肝心の洗車の話、キーパー、快洗隊の話にちっともならない
ここでチョッと一服して
今日中に何とか書きたいと思っています。
・・・・・
と、俄然眠くなっきた
・・
ダメかもしれない
「明日の朝書こうか」と、意志の弱い部分がうずく(#^.^#)

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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