谷 好通コラム

2003年03月13日(木曜日)

661話 続・なぜ4軒連続

前の660話で
なぜ快洗隊の直営店を4軒も連続して造ることにしたのか
「やる気のある人間が、続々出てきて
いい物件が次々と出てきて、やらない理由が見つからなくなったから」
そんな風に書いたが

 

もちろん
私たちがこのような事を、目的を持ってやろうとしたから
そういうやる気のある人が集まってきたのだし
物件も、一生懸命探したから、次々と出来たわけだ

 

何が目的なのか
何を考えて一生懸命になっているのか
「日本の新しい洗車文化」を、本気で作り出そうとしているから

 

5年前オープンした快洗隊刈谷店によって
今まで未開拓であった新しい洗車需要層の存在が証明されたわけだが
その新需要層を
いろいろなロケーションの中で本格的にビジネス化することによって
この新需要層がどこでもビジネス化できることを証明したい
そう考えた
加えて、その実践の中で
まだまだ新しいノウハウが蓄積できるとも考えた

 

私たちの会社は今
主にSS業界の中で活動しているわけだが
この業界における「洗車」という存在は、やはり、脇役である場合が多く
SS業界の中でのこの新しい洗車需要層の開発は
中途半端な形になりがちであった

 

新しい洗車需要層とは
従来のSS洗車よりももっと高品質な洗車を望む層なので
その作業環境も
日陰が必要であったり
それなりのスペースが必要であったりする
加えて、作業スタッフに十分な技術を習得してもらったりしても
スタッフの転勤が多い事情の中で
そのレベルを維持することが難しい場合もあった

 

そこで考えたのは
この新しい洗車需要層が
単独での洗車ビジネスに値するだけのマーケットを持ち
十分に商売として成り立つことを
快洗隊刈谷店でだけでなく
いろいろな条件と環境の中でも、専業店を造りだし
運営していくことによって
証明しようとしているのだ

 

そして、洗車専業店としてビジネスが、どこででも成り立つことを証明すれば
SSの中でも、洗車が脇役としてではなく
「もうひとつの本業」として
よりよい作業環境と、洗車技術の構築と維持を
SSの中に、もっと作り出すことが出来るのではないか
そんな気になってくれるのではないか
そう考えた

 

それが、新しいSSのあり方のたとえばひとつ
いろいろな形に変わっていくであろう形態の、たとえばそのひとつとして
世間に広がれば「日本の新しい洗車文化」の実現が
より容易になると考えたのだ

 

もちろん
洗車専業店を造り続けることもやっていく
それで十分な利益を得ることがひとつのビジネスとして成り立たねば
やる意味がない
しかし、単独の洗車専業店を更地から1軒立ち上げるのには
やはり2000万円以上の初期費用が必要である
これを短期間に何十軒、何百軒と、独力で構築していくことは
とうてい無理であり
チェーン店さんを募ったとしても
ここまでの初期投資を出来るところは限られている

 

SSとの併設店、あるいはSSからの転業ならば
土間、待合室、ピットなど
かなりの部分の設備を共用あるいは、転用できるので
初期費用はおそらく半分以下で済む
このパターンは初期費用が軽い分、開発スピードも速いであろう

 

また、今までのフルサービスSSの中での
洗車技術の向上意欲が高まることも期待できる
セルフSSでの併用タイプも本格化するかもしれない

 

いずれにしても
「日本の新しい洗車文化」を創るなどと
大それたことを
私たちの独力だけでは何も出来ないことは明白であり
いろいろな形での多くの方たち、多くの業態の方たちの
新しい洗車文化作りへの同調を得られなければ
実現できないと考えた

 

そのためには、まず専業店の多店舗展開に成功することが
新しい洗車文化作りの
すべてのモチベーションの起点になると考えたのだ

 

SS業界は、いまだかつて経験したことのない
大きな曲がり角に来ている
“今までどおり”であり続けることが困難な状況であることは
周知のことであり
そんな経営環境の中において
新しいSSのあり方のひとつとして
新しい洗車需要層をビジネスとして実現したSSがあってもいいのではないか
案外それが
この困難な環境を切り抜ける有効な手段の一つではないだろうか

 

あるいは、最悪、廃業を余儀なくされたSSなどの店舗が
業態転換のひとつとして
選択の一つになりうるのではないか
それはそれで意味があるし

 

そんな風に考えたのです

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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