谷 好通コラム

2003年01月25日(土曜日)

628話 船頭が二人の船

「一艘の船に、船頭が2人」とは
一つの組織(船)に指揮系統(船頭)が複数あって
指揮が混乱し
組織が目的に向かって円滑に進んでいない様子を指している

 

指揮者が2人いれば、違う命令が同時に出て
組織が混乱する
その様は容易に想像できる

 

それだけではなくて
「一艘の船に、船頭が2人」によって
もう一つ、深刻な現象が出ることを経験した

 

それは
「指揮者であると同時に、責任者でもあるはず」の、2人の船頭が
2人とも、責任者である自覚を失ってしまうことである
2人とも
会社存亡の危機であり
自分自身も保証者として
破産の危機にある状態なのに、まるで他人事のように思っている
そんな事があるのだ

 

考えて見れば
船頭が2人いれば
その船を自分の考え通りに動かしているわけではないので
船がどこに行くのかは
自分だけの責任ではない
つまり、自分の責任ではない

 

組織の責任者とは
会社で言えば代表取締役
すべてにおいての最終責任者であって
何があっても、すべての事に、自分の身を持って責任を取るものだ
「すべて全部、自分が被る」と覚悟が出来ているから
自分の信じた道にみんなを引っ張ろうとし
強力な指導力を発揮することが出来る

 

しかし、船頭が2人いて
2人の妥協から
自分の信じた道とは違う方向へ行かざるを得ず
そちらへ引っ張っていくにも
妥協の産物でしかない方向へ引っ張っていくのは、力が出るものではない

 

強力な指導力を持っていない組織は
概して“弱い”
あまりパワーのない、パッとしない組織になってしまうことが多い

 

共同経営での会社がすべて駄目かと言うと
もちろん、そんなことは決してない
こういうケースを何度か経験してきたと言うだけ

 

お互いに指揮権を、妥協しながら発揮していると
その経営の結果が
たとえば切羽詰ったものであっても
2人とも、他人事のように、ノンキにしていることがある
信じられないかもしれないが
本当にこんな事があるのだ

 

「自分のせいではない」と言う感覚の恐ろしさは
時には信じがたい無責任心理を作り上げてしまうことがある

 

「一艘に船には、一人の船頭」
私は、絶対この方がいいと思っている

本文と写真はまったく関係ありません。(当たり前か)

 

 

もっと関係ない
わが社のアイドル「トンボ」近況です。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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