谷 好通コラム

2002年12月20日(金曜日)

596話 無理をしないで

この何日か、コラムを書けないでいる
いつもと特に変わったわけではないが、書く前に寝てしまう

 

体が睡眠時間を欲しがる

 

来年に向けての色々な仕事の準備を進めているが
今年中に準備が終わるであろうものは
一つもない
ものごと、自分の思った通りには行かないものだが
それにしても、自分自身が歯がゆい

 

その一つとして
洗車専用のタオルを用意しようとしている
普通、洗車の拭き上げには
いわゆるフェースタオルを少し短くしたものを使っているが
もう一度原点に帰って考えて
洗車の拭き上げに一番適したものを、作ってみようと試みているのだ

 

製造は中国
国内のタオル業者の方には申し訳ないが
コストの面ではやはり中国製が圧倒的に強い
輸入コストをかけても
コスト的にどうしても中国製になってしまう

 

問題は品質
もう何度もサンプルを作らせているのだが
なかなか、こちらの要求にピッタリのものを作ってこない

 

文句を言うと
「言っているのと、“ほとんど”同じでしょ」と明らかに不満そうに言う

 

上海、青島、西安
この3箇所の工場にしぼって、試作を依頼しているが
先日、面白いタオルが出来上がってきた

 

「おいしそうなタオル」である
西安の工場が作ってきたもの

 

西安は、中国の西の方に位置していて
大昔、シルクロードの拠点で“長安”と呼ばれていた
中近東の文化が入っていて、イスラム寺院が多くある
一昨年西安に行ったときには、イスラムの家庭に招待され
大変楽しい経験をしたことがある

 

イスラムの世界では
肉は“羊”が一番ポピュラーで
イスラム街に入ると、羊肉の香りが何となく漂っている
好き嫌いはあるだろうが
私には、その香りは“おいしそうな匂い”に感じる

 

つまり、西安から送ってきたタオルは
その香りがするのだ
「おいしそうなタオル」

 

 

タオルを織るとき、繊維のすべりをよくするために
織機と、糸にほんの少しだけ“油”をつけるのだが
このタオルは
その油に、羊の油を使ったらしい

 

「羊肉の香りがするタオル」
どうですか?

 

ダメでしょうね・・・・

 

こんな時、中国と日本の距離
長さとしての距離、時間としての距離
それよりも、文化としての距離、感覚の距離をしみじみと感じる

 

根気良く
無理をせずにやっていかねばならない

 

つかれるなぁ~~

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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