2002年11月10日(日曜日)
569話 背高リーゼント
わが社の東京営業所に、“平井”というスタッフがいる
今日はとうとう
この男について語る時がきた
彼は入社して何年になるのだろうか
もう、そろそろ2年か?
確かそれくらいである
だから、そろそろ時効だ
あの事件から・・・・
彼は、インターネットでの募集サイトを見て
応募してきて
面接したのは、谷常務
常務はそのあと、すごく悩んだ
「人材的には、ぜひ欲しい。」と言い切っていたが
何か引っかかっている様子
どうも
常務の小さい頃のいじめっ子に似ていたようだ
平井の風貌が
今でも常務は、平井と話す時
妙に、わざわざ、しかめっ面をして話すのは
何か、トラウマがあるのかもしれない
かといって嫌っているわけでもないし、むしろ一緒に飲みに行ったりして
えらく仲がいいと思うほど
(誘っても、常務は私とは滅多に飲みに行かないのに)
もちろん実力も認めている
平井は平井で、
常務の顔を見るとニマ~として
うれしそう
(あの“ニマ~”は、確かに、いじめっ子のあの“ニマ~”に似ている)
彼は入社時にもう40歳?位
何回か転職していたようだった
この会社では、入社したら少なくとも3ヶ月は
実際の洗車訓練を受けるために
刈谷快洗隊に、研修生として入る
彼の場合
自宅は東大和市であり、東京営業所勤務予定ではあるが
当然、入社してすぐ快洗隊に入ってもらった
3ヶ月は、妻子と別れて、刈谷の会社のアパート住まいだ
研修中は、まじめであった
技術的にも覚えがよく、熱心であったと報告を受けている
ましてや、彼は180cm以上の長身
1BOXカーなどの洗車にはうってつけで
研修中は、快洗隊でも彼の存在を重宝したらしい
洗車はうまい!
長くて短い3ヶ月
彼は、問題もなく、皆に祝福されて卒業した・・・
卒業した!ところまでは良かった
愛妻家であり、愛娘家である彼は
大好きな我が家に帰れることに“ホッ”としたのであろう
卒業のその日
彼は、どこかの居酒屋で
快洗隊の若い子達と一緒に祝杯を挙げ
そして、たんまりと飲んだようだ
そして
車に乗ってしまった・・
しかも、若い子達を乗せて
せっかくの卒業の日に
いくら、ホッとしたといっても、最悪のことをしてしまった
そして
ぶつかった
なぜか、KeePreを使ってくれているSSの防火塀に
激しくぶつかって大破
幸運にも、一緒に乗っていた若い子は無傷
全く幸運にも、本人以外は誰も、怪我一つしなかった
しかし
本人は、鎖骨やら何やら骨折していて
そのまま病院に直行
長い入院生活が始まった
(病院は、じきに自分の家の近くの病院に転院した)
事故のことを聞いて、刈谷にすっ飛んできた彼の奥さん
彼を見るなり
「事故の時、死んでくれた方が良かった。わたしも・・・」
3ヶ月間の単身状態での研修が明ける、まさかその日に
事故を起こして
久しぶりに見た夫の姿が、病院のベッドの中で包帯だらけ
平井に聞いたその時の奥さんの言葉を
私は、正確に覚えているわけではないので
不用意に書くべきではないが
はっきりと
奥さんの深い悲しみと
平井に対する奥さんの愛情を、私は感じたことを付け加えたい
「さすがに応えた」と、あとで平井は言っていた
それから、何ヶ月かの長~い長~いリハビリが続き
やっと東京営業所に赴任したのは
入社してから半年ぐらい経ってからであった
(こういうのは大器晩成とは言わない)
ちなみに、その時、大破した車とは
5年落ちのカローラレビン(当時)
私がレースを始めた頃で
どうしてもマニュアル車に乗りたくて
“買ったばっかり!”の私のプライベートカー
しかも
オートバックで特価の軽量アルミホィールと
ポテンザ何とかかんとかという新品タイヤに換えたばかり
しかも
初めてインターネットオークションで買った
中古の5ZIGENのスポーツマフラー
それを、息子に付け替えてもらったばかり
の!
私のレビンであった
(書いているうちに思い出してきた)
平井に対する話は、たったこれっぽっちではない
この続きはまた明日(又は、2.3日後)