谷 好通コラム

2002年09月26日(木曜日)

531話 メッセージなし

3週間前、4日間、上海に行っていた
先週、6日間、ドイツに行っていた

 

数日の外国生活のあと
やっと日本に帰ってきて
名古屋空港に着いたら、すぐに
ワクワクしながら、携帯電話のスイッチを入れ
“留守番電話”を、チェックする

 

「お預かりしているメッセージはありません。」

 

むなしく、留守番電話センターのインフォメーションが流れる
ホッとするやら、さみしいやら
複雑な気持ち

 

ここ1~2年
私の携帯電話は、めっきりと鳴らなくなった
鳴っても、会社からのものが多い

 

お客さんからの電話などは、ほとんどかかってこない

 

営業関係は
常務と
東西の2部長
快洗隊とチェーン店は担当部長
商品開発・管理も担当部長が
一生懸命仕事をしてくれている
まだまだ、ではあるが
かなりの事まではやってくれている

 

仕事そのものに
私はあまり直接関わらないようにしている
「やってね作戦」は、かなり徹底しているのだ

 

その結果が
「お預かりしているメッセージはありません。」に、つながっているのか

 

そうかも分からない
あるいは
ただ単に
アウトルックに入ってくるメールに置き換わっただけなのか
いやっ、それだけではない
明らかに
私は無用になってきている

 

ムッフッフフフ
である

 

しかし
すぐさま、自由になれるとは思っていない

 

全体の把握能力と
クリエイティブな部分は
そんな簡単に育てられるとは思っていない

 

まだまだである
まだ話にならないぐらい、まだまだである
すべての責任は私にある
私がまだまだだから、なのだ

 

私は創業以来
50歳になったら、引退して
やりたいことをやるのだ、と宣言していた

 

やりたいことは、いっぱいたまっている

 

「やせ細るほど、連続して何日もサーキットで、レーシングドライブをしたい」
「出来れば24時間耐久レースに出てみたい」

 

「飛行機を乗れるようになりたい。パイロットとして」

 

「シベリヤ鉄道に乗って、何カ月がかりでモスクワに行きたい」

 

「モンゴルのゲルで何ヶ月か暮らして、馬暮らしをしてみたい。」

 

「南極で越冬してみたい」

 

など・・・
など、など・・
言い出せはキリがない
実は、この何倍かの夢がある
普通から見れば、馬鹿みたいな夢ばかりだが
本人は“本気”なのだ

 

なのに、引退を5年延ばした
昨年の正月のことだ

 

色々な夢を実現できるような引退の仕方が、出来なさそうだったので
しぶしぶ、5年伸ばしたのだ

 

「夢は大きいほど実現するもの」という
私の夢が大きいのかどうかは別にして
その多さは
自分でも呆れるほど

 

あと4年と少し
頑張らなくてはと思う

 

少なくとも、飛行機を操縦したいという夢だけは実現したい
雲を見るたびにそう思う
雲は見上げるより
近づいて見る方がずっと綺麗で、凄いのだ

 

何日も日本にいなくても、入らない留守番電話が
夢への実現に、ほんの少しだけ近づいた事を告げているようで
淋しくも
うれしいのだ

 

 

あー、雲の中にいたい

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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