2002年08月13日(火曜日)
493話 思ったより単純
よく、新幹線の座席で携帯電話をかけている乗客がいる
車掌「皆さんのご迷惑になりますので、携帯電話はデッキでお願いします。」
乗客「俺も、高い金出して切符を買って乗ってんだ。俺の勝手だろう。」
この乗客が私の知っている人なら
今後、この人とはお付き合いを控えよう、と判断する
“この乗客は、周りの客に不快感を与え、ひょっとしたら信用を失った”
※場面は変わって
子供の手を引ながら
信号無視して、横断歩道を渡るお母さんがいた
子供「お母さん、信号まだ赤だよ」
母親「いいんだよ、車が来ないんだから、渡っちゃえば。早く行った方がトクだもんね」
子供「先生は、信号を守りなさいって、言ってたよ」
母親「先生だってやってるよ、こんなことぐらい」
この子供は
今後、大好きなお母さんを見習って
信号を守らなくなると、交通事故に遭う確率がグンと上がった
そして、この子供は
先生を信じなくなって、先生の言うことを聞かなくなるかもしれない
“このお母さんは、信号を待つ時間を何分かトクした代わりに、子供に不幸を与えた
※再び場面は変わって
ある夜、一杯飲み屋で、同僚同士で飲んでいた
同僚A「お前知ってるか?客先のCは、聖人面しているが、実は○×▲なんだ」
同僚B「人の悪口なんか聞きたく無いな。そういう事言うのやめたほうがいいぞ」
“同僚Aは、つかの間の憂さ晴らしを得た代わりに、同僚Bの信用を失った”
“同僚Bは、自分も悪口を言われるかもしれないという警戒心を持った
※テレビで日本ハムが嘘をついたと報じていた
商品に関わる不正が発見されたが、会社ぐるみで、それを隠そうとしたという
“隠したことがバレなければ、回収費用が浮く
しかし、バレたら、社会の信用を失い、損害どころか会社その物が危なくなる”
自分の些細な
しかも目先の利益のために
他人がどれだけの迷惑、損害をこうむるか知れなくても
あるいは、取り返しのつかない事態になる可能性を、軽く考えて
平気で、自らの“目先のトク”を取る
これがtakerの特徴
いずれは必ず大きな損をこうむる
しかも本人はそれに気が付かない場合すらある
※場面は、あの信号の横断歩道に戻る
子供の手を引いたお母さんが、横断歩道の信号を待っていた時
信号が赤なのに、子供が渡ろうとしかけた
母親「ダメだよ、信号は守るもの、青になるまでお母さんと一緒に待とうね」
子供「だって友達が、車が来なければ渡っていいって言ってたよ」
母親「私は可愛いあなたが、交通事故で痛い目をするのがツライから言ってるの」
子供は、交通事故に遭う確率が下がった
子供は、母親から愛されていることを知った
先生から言われたことが正しいことを、母親から学んだ
“母親は信号を待つたった何分かで、子供に将来の幸せを与えた”
※
誰かが誰かに相談事をした
「私、どうしても欲しいものがあるの、ちょっとだけ、サラ金、使おうかなぁ」
しかし、相談を受けた人は、その人のためを思って
親身に「ダメ!絶対ダメ!サラ金はダメ」と答えた
きっと、その人は、同調してもらって自己弁護の為だけに相談したのに
逆に叱られた
ムッとしたが
結果的には間違ったことをせずに済んだ
相談を受けた人は
同調しておけば、その人と仲良くしていられるだろう
叱ったりしたら、友達を失うかもしれない
でも、その人のことを本気で思えば
ダメとしか言えなかった
叱ったその人は、目先だけの仲良しを選ばず、叱ったことで深い信頼を得た
※
商品を開発する時には
ユーザーが満足するものを作ろうとする
ユーザーの気持ちに立って
この商品が、すこしでもユーザーを幸せに出来るかどうか
少なくとも、払ってもらった代金以上に
いい商品とは
きちんと、買った人の役に立つこと
買った人がそれによって、うれしいことが発生して
何らかの形で幸せを得ること
だから、いい商品は、いつか売れる、そして、ずっと使ってもらえる
意外と単純なことだ
成功する商品作りには、色々な要素があるが
肝心なことはこれだけ、そんな気がしている
今日は、快洗隊の定休日、火曜日
しっかりと英気を養ったスタッフが
明日からまた
車がキレイになる幸せを、世の中にいっぱい作り出す
不思議なことに、快洗隊の1件隣と、斜め向かいに
大き目のクリーニング屋が2件続けて開店した
“洗う”という共通項で、快洗隊にくっついてきたのか
なんとも不思議である
13日は盆の入り
親父と兄貴のために、お袋が“迎え火”を焚いた
私も、柄にもなく神妙になってしまったのだ