2002年07月26日(金曜日)
477話 ラーメンと洗車? 告知編 その2
?見本を見せる。
?商品の現物を見せる
洗車の場合、「見本」を見せるというのは、車の一部、たとえばボンネットなどの半分をコーティングなどで処理し、もう半分をそのままの状態にして、その綺麗さの差を見せる方法がそれに当たると言えよう。
時々、スタンドの待合室の入り口脇にボンネットが立てかけてある。それなりの効果はあるのであろうが、私個人の感覚からすると、あまり好きではない。というのも、印象として「うそ臭く」見えるような気がするのだ。
しかし、これは好みの問題であり、それを否定するものではない。
では、現物を見せるとは、どういうことになるであろうか。
洗車した車を陳列するのか、それは難しいことだ。すぐに誇りを被ってきてしまうし、洗車とはキレイではない車をキレイにすることで、その差が付加価値になるのだから、洗車の陳列は事実上ありえない。
むしろコーティングの場合は、施工前、施工後との差を見せることになるので、前述のボンネットのような展示になるわけであるが、あれは「見本」であって商品そのものの陳列とは言えない。
洗車という商品では、「洗車作業を見せる」ことが非常に効果的と考えている。
「私達の洗車は、こんな作業で皆さんのお車をキレイにさせていただきます。」ということで、「商品陳列」ではなく「商品製作実演」と言ったほうがいいのかもしれない。
「手打ちウドン」の「麺打ち実演」とか、中華街で「北京ダック」を店頭で焼くのを見せているとか、十分に食欲をそそってくれる。
私どもの快洗隊パイロットショップにおいても、道路に一番近いところで、“快洗Jr”による手洗い洗車をやって、道路の通行車両の方達に“見せた”。その作業風景を見て、それが来店動機になったユーザーが来店客のうち半分近くいたことは、驚きでもあった。
?体験させる告知
食品で言えば「試食」、車で言えば「試乗」ということか。
車は非常に高い買い物であり、見ただけではその乗り心地とか、使い心地、走りなどが体感として分からないので、やはり実際に乗って見なければ買おうとは思えない。
では、試食はどうか。車の試乗とはかなり意味が違う。スーパーなどでハンバーグとか焼肉のタレの試食をやっているが、味に自信があって試食して欲しいという意味より、数ある同類の商品の中で目立とうとして、やっているような気がする。
洗車にとってはどうか、新しい洗車商品を発売する時に「お試し洗車」として、ある期間だけ半額で販売する例があるが、効果的な場合と、そうでなくかえってマイナスになる場合と両方ある。
うまく行かない場合。
たとえば「手洗い洗車」を初めて販売するケース。たぶん訓練をつんでそれなりに作業は出来るようになっているかもしれないが、まだ、手馴れている所までは行っていないはず、その状態で「半額お試しセール」を実施すると、大量に押し寄せたユーザーのすべてに対して高品質な洗車を提供できるとは思えない。慌ててしまい、あるいは慣れていない作業なので疲れてしまい、いい加減な洗車をやってしまうと大失敗に終わることがある。
たとえば、2000円の手洗い洗車を1000円に割引して、お試しキャンペーンを実施したとしよう。集まってくるユーザーには、2000円でも本当に車がキレイになるいい洗車ならば買い続けたいと思っている人もいれば、その逆に、1000円“だから”その洗車を買う人も大量に混じっている。その人たちに対して、慣れていないスタッフが疲れた状態で、いい加減な洗車をしてしまったとすると、1000円“だから”買う人たちだけが納得する商品になってしまい、2000円でも買う人たちは「この洗車ではなぁ」と継続しないケースが考えられる。
そうすると、その店での洗車は、1000円だから買う人たちばかりになってしまうので、結局1000円の洗車になってしまう。
特に「手洗い洗車」は、非常に手間のかかる商品である。手間とは、すなわち人件費であり、高コストの商品でもあるわけで、安い単価で販売することになってしまったのでは不採算商品となり、販売する意味がなくなってしまう。
このような例は多数目にしているので、スタッフが作業に手馴れていないうちに、安易に半額セールなどを実施するのは危険である。
うまく行った場合
たとえば、従来から快洗Jrなどで手洗い洗車を実施しており、スタッフが手馴れていて、そこに、快洗Bossのようにより効率化された機器を導入した場合。従来の作業よりより効率化され、スタッフの負担もぐんと減った状態での「お試しキャンペーン」は、非常に効果的である。スタッフの作業負担が半分以下になっているので、今まで以上の来店客があっても、スタッフは平気でこなすことが出来、しかも、上質な洗車を作り上げる技術と感性を十分に持っているので、「早く」「良い」商品に進化した手洗い洗車をより多くの人に買ってもらえるようになる。
実際にそんな例を目の当たりにして、これぞ、「快洗Boss」にぴったりの販売促進であると感心したことがある。
告知は、販売促進の基本中の基本である。
?ユーザーの目をひきつける役割は、「短い文字による看板」
?商品を正確に伝え、買う気にさせるのが「イメージとしての写真と、情報としての文字を適切に使った「メニュー」
?来店数を倍化させるには、効率化した上での「お試し」
多くの経験上、洗車の商品告知においては、この3つの手法がもっとも有効であると考えている