2002年07月03日(水曜日)
459話 シーサーの笑顔
この会社?3の男
と言っても幹部ではない
アイ・タック技研、3番目に古い男
一番目は、もちろん私だ
私が作った会社なのだから、私が一番古い
2番目が、弟、現・常務である
そして3番目の男
シーサーみたいな男
OBATA
シーサーというのは、沖縄の狛犬(こまいぬ)のようなもので
古い家ならたいてい、門の上に、対で飾ってある
厄除けの神様である
私が、西表島にゾッコンで通っていた頃
西表島に船で渡るために、必ず寄らなくてはならない石垣島の窯元で
面白いシーサーを見つけた
私は、そのシーサーを見つけたとき、大笑いをした
見れば見るほど
OBATAそっくり
ここまで、見事にOBATAを表現するとは
この作者は、ひょっとしたらOBATAを見たことがあるのか
とまで思ったほど
見た目が似ているだけでなく
あいつの生き方までを
表しているようで
その出来にホレボレしてしまった
OBATAは、劣等生である
いわゆる世間の定規で計れば、立派な劣等性である
何に対しても、だらしなく
礼儀など、あっちへ忘れたっきり
計画性などこれっぽっちもなく
行き当たりばったりを、絵に描いたような能天気である
博打は大好きだけど負けっぱなし
PS2が無二の親友で
・・・・・・
寂しがり屋だ
誰にでも、会ったその瞬間に心を開いてしまう
その意味では天才だ
ある意味では、純粋そのもので
でも
一歩間違うと、ただの馬鹿
つけこもうと思ったら、こんな無防備な男はいない
悪い奴にとっては、まさしくカモだ
天真爛漫も
度が過ぎれば、こっちは迷惑この上ない
ツケがとめどもなく回ってくる
しかし、こんなに愛されている人間も珍しい
特に、若い子から慕われているその多さと
信頼の深さには、感心を通り越して、驚きすら感じる
一言で言えば「大変分かりやすい人間」か
そのままなのである
あるがままの人間なのである
ある意味では
あくまでも、ある意味においてはであるが
「うらやましい」と、感じるときがある
しかし、年を取った
これから先、今までどおりには行かないことを、本人もよく知っている
私は、彼がこれからもずっと幸せであることを、強く願っている
あったその瞬間に、心がカパッと開いてしまい
顔中が笑顔になってしまう
シーサーのような男
OBATA
OBATAのようなシーサー