2002年06月23日(日曜日)
451話 闘いおわって
新幹線の中でビールを飲み、ピーナッツを食べながら
これを書いている
MINEからの帰り
レースが終わって、体の隅々まで疲れている
結果は、また2位
しかし、今回の2位も、人の不運のおかげで転がり込んできた2位
前回は
?99福島君と、?58重富君のデッドヒートの挙句
福島君の車?99が壊れてリタイア
この2人のずっと後ろの方で走っていた私が、2位になってしまった
今回も、前回と同じく?99福島君と、?58重富君のデッドヒートであった
しかも
今回は、ただのデッドヒートではない
抜きつ抜かれつで、3度も接触するほどの、大白熱戦であった・・・そうだ
「そうだ」とは、どういうことか
またもや
私は、この2人に、はるか後方に置いていかれてしまったのだ
だから、観衆はこの二人のデッドヒートを見ているが
私は、まったく見ていない
この二人とはおよそ関係のないところを
トコトコ走っていたのだ
アクシデントがあったのは
二人のデッドヒートも終盤で
それも、最周回
ゴールまでもうちょっとのところで
?58重富君がイエローフラッグ中に、?99福島君を追い越してしまったのだ
イエローフラッグとは
事故車などがあって、コース上に危険があり
「追い越し禁止」の指示のフラッグ
?58重富君は、これに気がつかず、追い越しをしてしまったのだ
このルール違反で
ペナルティ60秒加算を科せられ、繰上げで私が2位になってしまったのだ
うれしくない
“完走”出来たことには、満足をしているが
2位なったことは、ちっともうれしくない
前回は、それなりに「ラッキー」とも思ったし
初めての2位でうれしいとも思ったが
今回は、自分の遅さの方に腹が立って
2度までも、同じような状況で2位になったって、ちっともうれしくない!
話はさかのぼって
午前中に行われた予選の話を
予選は、たった15分の中でベストラップを作り出す、結構難しい
それでも何とか
1分47秒台を出せた
実は、この予選には結構ドラマがあって面白かった
(詳しくは、話が長くなるので省略)
同クラスの?58重富君が、1分45.1秒
同じく?99の福島君が、1分46.8秒
?25の私が、1分47.8秒
同じクラスはこの3台だけ
混走レースなので、レース自体は、全部で13台一緒に走るのだが
賞典に関わる同じクラスは、とうとう3台になってしまったのだ
決勝はいつものとおり、緊張しまくり
車に乗り込む前に2度も続けてトイレに行くほど
レースは
ドンピシャスタートで、福島君に食いついていく作戦
いざスタート
作戦は10秒で崩壊
予選順位通りに、縦に並んで第1コーナーに入って行き
そのままジワっと引き離されていく
「ああっ、またか」
コース1周半ばで10m離された
ところが
シケインの立ち上がりで
福島くんがハーフスピンした
片輪をダートに落として、失速する
すかさず
福島君?99を、“抜いた”
1周回ってピット前に戻って来たときは、私の方が前にいて
?99を従えて走り抜けた
さぞや、私を応援してくれている人は、喜んでくれただろう
そんなことを考えながら
うれしくって仕方なかった
しかし、そんな状態も長くは続かなかった
どんどん追いつかれて
必死になればなるほど
動きが硬くなるのか、かえって遅くなっている
?99との距離が、詰まってくるのをどうしようも出来ない
追い回されて
挙句の果てに
最終コーナー入り口で、インを刺され
福島君に、あえなく抜かれた
抵抗する間もなく
あっけなく抜かれた
私の?25が、彼の前にいたのは、わずか1周足らず
悔しかった
こんなに悔しいと思ったことは、久しく無い
情けなくって
くやしくって
ヘルメットの中で涙が出た
「ぐあ~~」っと
底から湧き出るような、わめき声を上げた
今思い出しただけでも、悔しさが蘇ってくる
「もっと、もうちょっとだけ速くなりたい」
痛烈にそう思った
先を行く重富君?58と
福島君の?99の姿が見えていたのは、11周を過ぎる頃まで
終盤には、両方の車とも私の視界から消えた
だから
そのあと繰り広げられた?58と?99の死闘は、私は見ていない
当然、イエローフラッグ違反のことも知らない
長~い、長~い16周の末
ゴールしてから
そのアクシデントがあったことを知り
先ほど、清水さんからの電話で
レース審査部の長い審議の結果
私が2位に繰り上げになったことを知った
「もっと、もうちょっとだけ速くなりたい」
とは、本気でそう思っている
悔しさを、何とか克服したいと、強い願望が今の私を支配している
今回は、腱鞘炎があった
レースが終わった今
無理をしてしまったので
右手薬指の付け根は、腫れ上がって、指が曲がらなくなっている
それだけでなく
悪い方の左足は、クラッチを何百回もすばやく踏んで
萎えている
歩くのもつらい
私はもともと、運動神経が良い方ではなかった
小学校・中学校の体育の通信簿の成績は「2」以下であったし
鈍い方なのである
そして、もう50歳を過ぎた
当然、体力は無い
いい条件など、ひとつも無い
あるのは、集中力だけ
その集中力すら、清水さんに言わせると
「まだまだですね」・・ダゲナ
それでも、あきらめない
絶対、あきらめたりしないのだ
いい歳こいて
反応が鈍いし
体力が無く
不自由な体でも
練習の回数を重ねて、「慣れる」という手がある
私は、絶対、あきらめないのだ
重富君にも、福島君にも
絶対に追いつくのだ
そして、一緒にデッドヒートをやるのだ
絶対、やるのだ
もう決めたのだ
もう、決めてしまったのだ
!
!
?
?
?
?
!?
!?
!!
!!
おまけ!
草レースでもこんなに素敵な
レースクイーンがいるのだ