わが社には、文書の中から誤字・脱字・間違いを見つける名人がいる
キーパータイムスとか、パンフレット・カタログなど
印刷物を大量に作っている当社としては
彼の存在をものすごく重宝している

 

ほとんどの印刷物作成に関わっているグリットなど
何度も、内容についての校正をかけた末に
最後の最後に彼のところに原稿を持ってきて
「チェックをお願いします」と丁重に
原稿を差し出している
そして、彼、Mは
「はーい」と無表情に原稿を受け取ると
文章あるいはビジュアルの中に間違いを見つけては
淡々と、赤字で修正を入れていく
間違いが一箇所も見つからなかった原稿は、今まで一回も無かった
彼は必ず間違いを見つける

 

グリット曰く
「Mさんのおかげで、どれだけ助かっているか」
とニコニコ

 

しかし
これによって、
誤字脱字の無い“完璧な原稿に必ずなる”かというと
そうとは言えない
Mの虫眼鏡的間違い検索を潜り抜ける間違いも、たまにはある

 

先日の幕張での、IAAE2002のショーのために作ったカタログの表紙などは
「CAR BUAUTY BUSINESS」とあるべきところを
「CAR BUAUTY BUISINESS」となっていた
どこが違うか分かりますか?
上は、「カー・ビューティー・ビジネス」と読めますが
下は「カー・ビューティー・ブイジネス」と読めてしまいます
「ビジネス」の、スペルの中の「I」が一つ多すぎるのです

 

表紙の大きな文字で、中学生でも分かるスペル違いを
やる方も、やる方であるが
あまりにも、当たり前のところであった間違いだったので
つい、全員が見逃してしまった

 

気が付いたのは、ショー前日の幕張の会場で
グリット吉田(わざと呼び捨て)が、バツの悪そうな表情をして
しかし愛想笑いをしながら
「すいません。大ポカを、やらかしてしまいました。」と、言ってきた

 

カタログは1万冊も刷った
しかも、ショー前日では、もうどうしようもない
それに私は、他の事で頭が混乱していたので
「しゃあないなぁ」で、その場は済ましてしまった

 

そんなことで結局
アイ・タック技研は、晴れの舞台、幕張で
「CAR BUAUTY BUISINESS」つまり「カー・ビューティー・ブイジネス」と
スペル間違いが表紙に書かれたカタログを
約7000冊も
全国から集まってきた方々に配ってしまったのだった
今考えると、顔が赤くなってくるほど恥ずかしい

 

これをお読みの皆さんで
赤い表紙の当社のカタログをお持ちの方
暇があったら、一度見てやって下さい、そして笑ってやってください
「CAR BUAUTY BUISINESS」と書いてあります

 

幕張でのショーそのものは、大盛況であったので
会期中は、そのことをすっかり忘れてしまっていた

 

翌月、グリットからの請求書をみていて
やっとまた思い出した
莫大な請求書の中に、一行
「カタログ間違い。1箇所 ▲40,000円」とあった
(この月のグリットの請求書は、私は自殺したくなるぐらいの多額であった)

 

「▲40,000円?」ほぉ～～～Z

 

それから何日かあと
たまたまグリット吉田が、何かの原稿を持って、会社にやって来た
そして、いろいろな相談のあと、いつもの行事
今回の原稿に対して、M君の「虫眼鏡的・間違い検索」を受けたのだった

 

 

その様子を見つけた私、ニヤニヤと曰く
「間違い1箇所で、40,000円らしいから
1箇所、赤、入れるごとに20,000円ぐらいは、グリットに請求出来るぞ
開発部の売上にしといたろか?」

 

M、ボソッと曰く
「いいですね～! ごちそうさま～。」

 

それを聞いていたグリットは
ただただ笑ってごまかす、しかなかったのでした (^_^;)

 

しかし、それにしても
間違いを見つけてくれるのは、ありがたいし、助かるが
自分の間違いを指摘されると、ついムッと来る
たしかに間違いなのだが
指摘されると、イカンと思いながらもムッと来る
間違いを見つけた時のMのうれしそうな顔に、ムッと来る
ありがたいとは思うのだが・・・

 

反対に
Mの間違いを、私が見つける時もある
そんなときの私の顔は、きっと喜色満面なのであろう
今度は、Mがムッとする番である

 

「私達は、まだまだ人間が出来ていないのである」

 

この時、Mは、馬鹿な物を持っていた
「ロバの耳を押すと、ロバのケツの穴から、タバコが出てくる、タバコ入れ」

 

 

ロバから出てきたタバコを、Mは嬉々として”口にくわえ”吸うのである

 

奴のキャラは、よく分からんが、ヘンであることは確かなようである
あえて言うならMr.ビーンか