2002年03月23日(土曜日)
380話 案外そういう物か
何週間か前に、東京の「東京オート洗車」を尋ねていった
いくつかある店舗のうちの練馬店
私たちの東京営業所のHIRAI君に連れて行ってもらった
名前は良く聞いていたし、そのすごい売上も有名である
その日のお天気は晴れ
午後5時ごろであった
HIRAI君は、爆白!の売り込みに一生懸命
私は、尻馬に乗った野次馬である
仕事熱心のHIRAI君をほったらかしにして、ウロウロ、キョロキョロ
好奇心丸出しで見て回った
一言で言えば
「な~んだ、ビックリするような物ではないな。
しかし、それにしても客が次から次へと、よく来るもんだ」
敷地はかなり広い
“ナイロンブラシ”のでっかい連続洗車機が軸であって
洗車機で洗う前に、タイヤを前洗浄したり、マットを出したり
アルバイトの若い女の子たちが、“寄ってたかって”車を取り囲む
そのまま連続洗車機に車を通して“洗う”
出てきた車にまた、“寄ってたかって”車を拭き上げたり
マット入れたりして
仕上げる
そばでは「ワックスがけ」をやっていた
これも文字通り“寄ってたかって”である
1台のワックスがけに6~7人は着いていただろうか
よく見ていると、これが面白い
役割分担が、ビシ~ッと決まっているのだ
タイヤワックスを塗る女の子は、ひたすらタイヤワックスを塗っている
ボンネットをワックス掛けしている男の子は
ただただボンネットとフロントグリル・バンパーを磨き続けているし
左側面担当は左利きか?
屋根を担当している子は、やはり背が高いし、腕も長い
それぞれがスペシャリストなのである。場所の・・
これは確かに早い!
早い上に、みんな同じ場所しかやらないので
それぞれ、作業が正確である
「早くて、うまくて、安い」
こりゃあ、三拍子揃っているではないか
売れるわけだ!
まさに「人間連続ワックスマシーン」である
次から次へと車が入ってくる
タクシーが意外と多い
フト考えた
こんなにたくさんの人間を使って、採算が合うのだろうか?
簡単である
客が、休みなくひっきりなしで入っているので
みんな働きっぱなし
客数で、人件費をまかなってしまっているのだ
東京ならではの「底なしマーケット」、関東圏には日本の1/3の人口がいる
そういうところだからこそ通用する手法なのか
しかし、そうであったとしても、理にかなった商売である
人件費の安い(社会保障がいらない)アルバイトを使い
取り掛かる仕事(場所)を細かく限定して
技術を単純化させている
だから、たくさんのことを覚えさせる必要が無い
ボンネットならば、ボンネット
ボンネットについてはスペシャリストなのだ
それぞれのスペシャリストが、寄ってたかって車を仕上げる
だから、それなりの質を保つことが出来るし、しかも圧倒的に早い
人間の数は、客数でまかなう
なるほどなぁ~
チョッと考えてみたい
なぜこんなに、この店に洗車客が集中するのか
多い時は、ひと月に12,000台洗うそうだ
すぐ近くの、スタンドの洗車機は地面が乾いていた
「早い、うまい、安い」(安いといっても洗車で800円、ワックスがけ3,000円位)
非常に簡単である
快洗Bossが求めているものに、かなり近いものがある
接客は、コンビニのレジのオネェちゃんぐらい
東京の濃密なマーケットならでは、とはいえ
非常に合理的であって、つくづく感心してしまったのでした
次の日、帰りの富士山はぼんやりとしていて
春霞でも掛かっているのか?
煙突からの煙か?