2001年10月24日(水曜日)
257話 北緯69度回り
名古屋からドイツ・フランクフルトまで11時間40分の予定と
機内アナウンスが言っていた
そして、機長から今日の航路の説明があった
名古屋を離陸後、北上し
日本海、オホーツク海から「ハバロフスク」を通って
ロシア領に入る
シベリアのツンドラを北上しながら、延々と西へ西へと飛ぶ
北緯69度まで、北に回り込みながら西進する
そして、フィンランドを通ってドイツに進入する、ということだ
北緯69度といえば
北極圏に近い
離陸から2時間ほど経ってから
何時間も、何時間も
外の景色は、白く凍り、雪に覆われた大地が見渡す限りに広がっている
まだ10月の下旬だというのに
北極圏に近いシベリアは、もう極寒の世界だ
ところで、異様なものを見た
地上に映る、何本もの直線の影
なんだろうかと考えながら、上を見て気がついた
この飛行機と同じ高さに、ず~っと黒い帯状の雲が見える
“飛行機雲”だ
それが何本も何本も、平行して並んでいて
地上に、何本ものまっすぐな影を映しているのだ
日本からヨーロッパへの飛行機は
みんな、きっちりとこのルートを飛ぶみたいだ
なぜ?
このルートが、アフガニスタンから一番遠いからか?
そうかもしれない
いずれにしても
今、航空業界は致命的なダメージを受けつつある
今、乗っている名古屋→フランクフルト便
1ヶ月にチョッと前、チケットを予約した時には、キャンセル待ちの状態であった
満席が当たり前の便であったようだ
それからすぐ、アメリカでの連続テロ事件があって
今日、実際に乗ってみてビックリ!
キャンセル待ちであったはずの飛行機が、ガラガラ
このA340かなり大型で
3クラスでも300人は乗れるであろうが
今日乗ったのは、50人ぐらいいるかどうかで
文字通りガラガラ
完全に採算割れであろう
みんな中央列の肘かけを上げ、ベッド状態にして寝ている
これならエコノミー症候群も関係ない
航空旅客、とりわけ国際線の旅客が激減したとは聞いていたが
これほどまでとは・・・・・
名古屋発着の国際線が、潮が引くように撤退が続いている
たとえば、デルタ航空の名古屋事務所は
事務所閉鎖の発表の翌日、留守番一人を除いて全員解雇だそうだ
テロは、人の命を奪うばかりではなく
経済を壊し、人の職場をも奪う
その影響は、とんでもないところまで出ているものだ
みなさん、こんなときにこそ飛行機に乗りましょうよ
国際便にバンバン乗りましょうよ
安いし、ガラガラで楽だし、こんな時にこそ飛行機に乗りましょうよ
どうせ
道路を走っているほうが、よっぽど危険なんだから
どうせなら、こんな時にこそ、飛行機に乗りましょうよ
テロなんかに負けてちゃイカンと思うのです
脅しに負けて
航空会社を、潰しちゃ、イカンと思うのです
ヨーロッパ便は、北極海を見れるんですね~