2001年08月01日(水曜日)
第181話 怪談“パチンコ屋”
先週、美祢に行った時のこと
レースの日が
「山口キララ博」というイベントをやっている日程とかち合い
いつもの小郡のホテルが取れなかったので
美祢市内の、前に一度だけ止まったことのある“美祢グランドホテル”に泊まったのだが
ホテル内の食事は、今回はやめようという事になった
(理由は聞かないで下さい)
美祢市は繁華街らしいものが無い
「JRの駅の近くに、食事をするところが何軒かは、ありますよ」
と言う事で、駅に行ったのだ
午後7時くらい
JR美祢駅は、単線の山口線の何の変哲も無い駅であった
駅前はし~~んとしている
開いている店は数軒
最初の居酒屋は「予約で満員です」と断られた
焼き肉屋は、何故か本当に満員であった
もう1軒の居酒屋は定休日であった(土曜日に!)
結局最後の店、こざっぱりしたレストラン入ったのだが
この店は大正解であった
ものすごく感じがよく、しゃれた料理を出す、そしてホントにおいしかった
この店については、また今度行った時に取材して見たい
食べ物やさんも少なかったが、ほかの店も取りたてて無い
静かな駅前であった
が
パチンコ屋だけが全部で“5件”有った
1軒目
駅前の小さなローターリー脇に、最初に目に入った店「アポロ」
※よく見ると「アポロ」と書いてある
店の中には3人客が入っていた
2軒目
「アポロ」の3軒となりに
小さいながらも、今風の店構えになっている
閉まったパチンコ屋
※多分、定休日ではなく、つぶれているようだ
3軒目は、駅の横の道にチョッと入った所に「アポロ」と同じぐらいの店
店の中までは見なかったが、客の入りは「アポロ」並か
4軒目
駅からチョッと外れたところに
あれっ?
という感じでネオンが瞬いていた
「アッこれもパチンコ屋だ!」
3軒の極小パチンコ屋を見て、目がそれに慣れた後では
この華やかさが、同じパチンコ屋であることには
しばらく気が付かなかった
※ 「パーラーBIG1」チェーン店でなのであろう
中は随分にぎわっていた、いっぱいの人がパチンコをやっていた
5軒目は、その隣にほぼ同じぐらいの規模であった
同じくほぼ満員
何という恐ろしい光景であろう
ほんの少し前まで、駅前ロータリー周辺の3軒の小さなパチンコ屋は
流行っていたのだろう
3軒がしのぎを削って、競争をしていたのだろう
JR美祢駅前1等地に、3軒が陣取り
「こっちの店の方がよく出しますよ」と呼び込みまでいたのかもしれない
※ここからフィクション(想像の話)
いつの日にか
突然「パーラーBIG1」がやってきて
いつのまにか、もう一つデッカイのが出来てしまって
一気に客がそっちに行ってしまった
最初はタカをくくっていたに違いない
「こんな小さな町に、あんなデッカイ店作っちまって、採算が取れるわけが無い、そのうち出ていくさ」とか
だが、何処にこんな人がいたのか、というぐらい
このデカイ店達に客が来た
そのうちに、1等地の3軒のパチンコ屋には誰も見向きもしなくなった
あせって、そのうち1軒が小さいまま改装したが
ほとんど客足は、戻ってこなかった
改装の借金がたたって、“閉店”
あとの2軒は、ジッと何もせず
ひたすら金を使わずに、ガラガラのまま店を開き続けている
いずれ死んでしまうのをジッと待ちながら
数人の客と、軍艦マーチ?がから響きする中
死んでいくのをジッと待っている
背筋がゾッとするような光景でした
サーキットのある小さな町、「美祢」の世にも恐ろしい怪談でした