2001年07月13日(金曜日)
第165話 昔の四人家族
昨日、7月12日午後
私の父が亡くなりました
別れは唐突にやってきて、惜しむ間もありませんでした
4月に入院し、途中で40日ほど帰宅して
2週間前に再入院
まだまだと思っていたのですが
不意に亡くなってしまいました
ついさっきまで
話をしていて
少しあえいでいたけど
それでも
話し掛けた言葉に、うなずいたり、ニコっと微笑んだり
平和な時間が過ぎていて
チョッと弟に預けて、部屋を出た
1・2分後
突然、呼吸が止まった、と電話が言う
ちょっとした病変ぐらいのつもりで、それでも大慌てで
部屋に戻ったら
もう逝っていた
ちょっとだけよそ見をしたら
不意に
逝ってしまった
姿かたちは
逝ってしまった後も
同じで
同じ空気が流れていて
ただ、心電図の信号が一本の線になっていて
親父が動かない
“止まってしまった”
親父が止まってしまった
人の死とはこんなに不意なものか
動揺する間もなく
逝かない事を懇願する間も与えずに
不意に逝ってしまった
昨晩は
家に帰って来た親父を脇にしながら
すぐさま何時間も
気持ちと妙に不釣合いな式の手配やら寺との相談交渉のドタバタがあって
みんなが帰ったあと
親父とオフクロと、弟と、私の四人で
昔の四人家族で
いっぱい話をした
ビールを飲みながらいっぱい話をした
親父の事を楽しく、楽しく、いっぱい話をした
涙ではなく、笑顔で
最後の四人家族を、した。
そして同じ部屋で四人並んで寝た
何故かみんな朝までぐっすり寝た
男・タケシは静かな最期でした
皆さん、ご心配をおかけしました
親父の話はこれでオシマイです
ありがとうございました