以前にも書いたが、私は東京が苦手である
東京に行くと
他の都市に行ったときより倍は疲れる

今日も普通の仕事として東京に来たのだが
そして普通に楽しく、仕事を終えたのだが

帰りのタクシーの運転手さんとの話でどっと疲れてしまった
栃木から来た、東京の人より、東京を感じさせる変な運転手
15分間喋り続けた

東京で会う人は
ほとんど何処かの出身であって
元々の東京の人である場合の方が少ない
なのに
なぜか、東京で会う人からは同じような印象を受ける
東京が
色々な人、その人を、東京の人にしてしまうのか

人々は、東京に住むと、東京の人であらんとするのか
みんな“石原慎太郎”みたいなしゃべり方で
“石原慎太郎”みたいな事を言う

「だってさ」「そんな事言ったってさー」「・・・じゃない、結局は」
みんな
みんな
世の中を卓見しているようだ

「俺はこう思ってるんだけど、みんな違うんだよね、だからダメなんだよ」
みんな物知り
みんな普通以外の人
みんな普通以上の人

あまりにも
多すぎる人の
中に居ると

自分は、他の人とこんなに違うのだ
と言い続けないと

自分が
どっかに行ってしまう
と感じるのか

有名人を口にしていないと
自分が消えてしまいそうになるのか

あまりにも多い人達の中では
自分を相対として自覚する事を強いられ
対比の中でしか自分を見ることが出来ず

風のように飄々としていることは
透明感をもって存在することは
水の中で息をすることより難しいのだろう

ほんの5時間余りの東京での滞在であったが
今、新幹線の中で息たえだえである

一昨日からの“禁煙”も手伝って
ホントに疲れた午後からの半日であった