2001年06月13日(水曜日)
第137話 創生期
商売をはじめた頃
私の会社は「ボロは着てても心は錦」そのものであった
立派な建物のとはずっと縁が無い
今の社屋も借り物であって
倉庫はでかいが
事務所はそれにくっついている物を使っている
(第83話ガンダーラ)
2年半前にこの建物に移ったときには
とんでもなくデカイところを借りてしまって、いいのかなぁ
と思っていたら
またまた狭くなってきている
特に今は、人財を育てるときだと考えているので、毎月何人かが入社してくる
来月あたり、2階の物置になっているところに窓を開けて
事務所にしようと思っている
どの部署の人間が、その物置改造事務所に行くか?
どうもIT推進室が行きそうか?
事務所は狭い方がいいと思っている訳ではないが
いつも狭い
この会社は、まだまだ創生期真っ最中だと思っているので
それでいい
立派な本社ビルを建てる予定などさらさら無い
そんなものが欲しいと思うようになったら
この会社は“止まった”と考えていい
ただの立派な事務所など何の役にも立たない
オンボロの木材倉庫を改造した東京営業所では
今日も総合洗車スクールが行われた
相変わらず盛況である
私の出番が終わった後
その足で、王子に来て
C-dreamという会社で
このSENSYA.COMについてのミーティングをした
この会社は、創立10ヶ月あまりの
まだ、出来たてのホヤホヤと言ってもいい会社
しかし、けっこう凄い事をやっている
「オフ会のポータルサイトを目指す」という訳の分からないスローガンを掲げ
ひと月数十万件のアクセスを取っている凄いサイトを運営している
さぞや、りっぱな事務所か、と訪れてみて
びっくり仰天
唖然、呆然、えっ~~っ!
決して立派とは言えないビル(失礼)の
5階にあって
しかもエレベーターが無い!
1階上がるごとに1回転する変形らせん階段を
ヒイヒイゼイゼイ、目を回しながら登っていく
やっとたどり着いたら
長屋風の廊下の一室に
黄色い小さな紙切れに社名が書いてある(失礼)
入って・・・
また、びっくり・・
四畳半と6畳の中間ぐらいの部屋が一室あるのみ
台所も
洗面所も
トイレも!!!
風呂も
廊下すらも無い
何も無い!(失礼)
かろうじて、押入れがあるが、当然のように仕事の書類棚になっている
その空間に
なんと8人!が
8人が・・
“パズル”のように、“うまく収まって”
パソコンを叩いていた
実に楽しそうに
聞くと、皆それぞれ高い能力を持った人揃い
この会社は、創生期なのだから
まだ収入が無いのだから
こんな部屋で充分
当然だと、アッケラカンと言う
私は思った
「この会社は絶対にでかくなる。間違いない」
人は事業を始めると
まず、それなりの事務所を持ちたがる
「来客があったとき恥ずかしくないように」と言う
最初から体裁を繕いたがる
バカ言ってんぢゃ~ない
稼ぎもない時から体裁を考えるなんて
今の時代、そんな会社に先行きなんかある訳がない
「ポロは着てても心は錦」
創生期は
こうでなきゃ
デカクなった会社は、最初みんなこうだったのだろうと思う
IT革命の最先端を行っている会社
しかも創生期、ということを分かっている会社
「稼げない」うちは、「金を使わない」ことを当たり前だと言える
せまい事を、皆の距離が近くて楽しいと言い
決して不便だとは感じていない
この会社有望です
私はこの会社と、このオーナーと、真剣に提携することを考え始めた
※写真を撮りますよと言ったら、ドタバタと配置につく人たち
※入り口もせまく全体を1枚では撮りきれず、2枚にして撮った
パズルのように収まった人達