2001年04月03日(火曜日)
第73話 出会った人
昨日、新入社員が1人入社した
彼が入社にいたる過程が面白かった
まず、彼は私達のホームページSENSYA.COMの前身である
keepre.co.jpというHPを見てメールで応募して来た
去年の秋頃だったと思う
そのころのHPは、まだ至極地味であり気迫だけのものであった
あれを見て
この会社に入りたいと思った彼の感覚は
ありがたいとは思うけど
いまだによく理解できない
何かの波長が合ったということなのか?
考えてみれば、うちの人達はそんな感じの人が多い
彼から面接希望のメールが入った
まだ会社としてのメールアドレスを取得したばかりの頃だったので
外部からのメールがほとんど無い状態であり
唐突に入ってきた彼の便りにはビックリした
東海大学の海洋学部に在籍しているという
“漁師の卵か?”
「へんなやっちゃな~」ぐらいにしか思わず
とりあえず、書いてあった携帯電話にかけた
「もしもし、アイ・タック技研といいますが、石川さんですか?」
「あっ!はいっ。
すいません、今
うるさい所にいるモンですから、すいません」
「はぁ?」
「今、船の上なんです。船で実習しているモンですから
すいませんウルサイですよね」
確かに、船のエンジンらしき音と海の波のような音が聞こえている
気に入った!
私はこんな感じの出会いが最高に好きである
直感的なものがある
その後ちゃんと面接をして、会社説明をして、というプロセスをキチンとしたはずなのだが
その時のことはまったく憶えていない
憶えているのは
船の上に掛ってしまった電話、その向こうの彼の声
それだけで充分
“存在感のある人間”が又一人、仲間になった
もう一人
長い付き合いを予感させる人が
彼についてはもう少し経ってから、語ってみたい
あまり“好感を持っていない東京の町”の人
だんだん好きになってきたという、私にとっては珍しいパターンの人
この先、面白いことがいっぱいあるかも知れない
たのしみだ
出会いは人生最大の楽しみの一つ
楽しくってしょうがない
出会いがあって別れもある
それも、運命の術