谷 好通コラム

2001年03月14日(水曜日)

第53話 見せる・見せる!

台湾の外食の主役は、何と言っても“屋台”
夜ともなると、あちらこちらに無数の屋台が出現する
屋台は外食の主役どころか、台湾の夜の主役と言っても過言ではない

 

それぞれの屋台は嗜好を凝らし
料理の材料を屋台の前にうず高く積み上げ、客に見せつけ
匂いを当たりに撒き散らして
自らの存在を主張している
どの屋台の料理を見てもメチャクチャうまそう!
目移りして、何を食べるのかかえって決まらない

 

決して清潔そうではないが
強烈な香菜の匂いをかいでいると、毒消しになっていて大丈夫かなとも思える
まわりはすべて商売ガタキばかりなので
それぞれの屋台は自己主張のかたまりとなって

 

自分の料理を必死になって“見せる”、見せつける!

 

 


関西のあるガソリンスタンド
前運営者から引き継いだばかり、と同時に快洗隊を始めた
大変素晴らしい人達の運営なので、絶対うまく行くと確信し
期待も大きかった
それが、まだ、うまくいっていない。低いレベルで低迷している
なんどか話し合ったのだが出口が見えてこない

 

それが先日訪問した時にふと気がついた
快洗隊の主役である「手洗い洗車機“快洗Jr”」が置いてある場所がおかしい
車の整備をする“ピット”の中に置いてある
訪問したのが夜であったので、片付けてあるのかな、と思ったら

 

そこで洗車をしていると言う
○私
「こんなところで洗車をしても、お客さんから見えないじゃないですか」

 

●運営者社長
「大丈夫ですよ。
洗車を頼んだお客さん、見に来るんですよ。
ちゃんと、イスから立って、時折、見に来るから大丈夫、見えています。」

 

○私
「何故この場所で洗車をするようになったんですか?」

 

●運営者社長
「谷さんが言った場所で洗車していると、店が混んでくるとガソリンを入れるのに
邪魔なんです。
洗車はここの場所でやっていれば、ちゃんと“見れますから”こっちへ移動しました。」

 

“見れる”とは、客が見ようと思えば見る事が出来るということ。客が主体
“見える”とは、見えていること。
“見せる”とは、こちらが積極的に見せるということ。こちらが主体

 

似ているが、意味合いが全く違う

 

洗車屋・快洗隊にとって、手洗い洗車は“看板商品”である
“見せる”べき!

 

 

出来るだけたくさんの人に
店の前の通行車両にも、いやがおうでも“見せ付けるべき”

 

台湾の屋台が料理を一所懸命見せていたと同じだ

 

快洗隊は洗車の質そのものが他の店との明確な“差”であり主張である
それを見せずして何も考えられない
“文字を書いた看板”は立ててある
しかし、一番効果的な看板とは、文字より“商品そのもの”であろう

 

文字としての看板なら他の店にも「洗車のプロ」とか「洗車に自信あります」とか
素人よりもへたくそな洗車しか出来ない店でも、平気で看板をデカデカと上げている

 

そんな店との違いを見せるには「“洗っているところ”を見せるのが一番効果的なんだよなぁー」
これでもかと、料理と料理をしているところを見せ付けている台湾の屋台を見てつくづく思った。

 

洗車を頼んで待っている客は、洗車をしている所を、見ようと思えば見る事が出来る
今の場所
洗車をしているところを“看板”と考えるならば
それでは全く話にならない

 

「洗車」が、この店の看板であり、一番のお勧めならば
“見せる”べき!
出来るだけたくさんの人に、見てもらうべき

 

ガソリンなどの燃料はどこで買っても商品そのものに違いがあるわけではないので
商品そのものを見せる必要はないが
洗車は
特に快洗隊の洗車は、見せるべき価値があり、また見てもらいたい
見てもらって「おっ!」と思ってもらえるから
快洗隊の快洗隊たるゆえんだと思う
申し訳ないが、さほど出ているとは言えない燃料の給油の導線を
阻害するからとして、見せるべき洗車商品を引っ込めるのは
理屈に合わないと思った

 

台湾の屋台
結局、途中で道を親切に教えてくれたオバチャンの店に入った
屋台街の中の“固定した店”の海鮮料理
味はマアマアであったが
ボッタクラれた
あとで考えれば、あの店、料理に値段が書いてなかった
足を棒にして結局選んだ店、親切なオバチャンの店
ボッタクラれた、どっちにしても大した金額ではなかったが

 

 

さんざん文句を言って少しだけ値切ったが
帰り際まで、あくまでも“満面の笑顔のオバチャン”、にくめなかった
いや、ホントにたくましい

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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