谷 好通コラム

2001年01月31日(水曜日)

第9話 冬眠はしたくない

洗車をビジネスにしているものの一番の悩みであり、共通の悩みでもあるのは、季節・天候にその売上が大きく左右されることであろう。
快洗隊でも、雨の日は晴れの日に比べて10分の1以下しかない。
また、毎年1月、2月は、平月の2分の1程度になってしまう。
熊とかリスでもあるまいし、冬眠状態のようだ。
雨の日についてはいずれ話題にしたいが、今回は冬、特に年明けに洗車が激減することについて考えたい。

 

まず第一に、「こんな寒い日に車を洗って欲しいとは、店の子が気の毒で、とても言いづらい」という、お客さまのとてもやさしい気持ちがあるようだ。

 

自分で車を洗ったときの水の冷たさ、寒さを思うと、当然ガソリンスタンドの人達も嫌がるだろうと想像するのは当然で、「いやいや、そんなことはありません、どうぞお気軽にご用命ください」と言われても「チョットやはり頼みづらい」と思われるらしい。
実際、多くの一般の人からそんな事をよく聞く。

 

 

確かに水も凍るような寒い日に洗車をするのは“つらい”。
だけどみんなそれが仕事であって、つらかろうと思いやってくれて洗車を注文してくれないのは、スタンドの人達にとってみれば死活問題なのだ。

 

「店が困ろうとも自分が楽であればイイ、寒い時洗車なんか絶対したくない」という“不心得者”もたまにはいる。

 

だけど実際は、「寒かろうなんて事を気にして貰わなくてもいいから洗車を注文して欲しいのになぁ」と思っているスタッフの方が絶対的に多いのです。
とは言ってもお客さまにしてみれば、相手が嫌がるかもしれないと思いながら、なかなか注文は出来ないもの。

 

そこで考えたこと。
洗車に使う道具、機械、方法。
洗車するときの装備、服装。
洗車をする場所、環境。などなど
それらを思いっきり工夫して“寒くない・冷たくない”洗車を創る事。
スタッフが洗車をしているところを、誰が見ても「あれならつらくないだろうなぁ、結構楽しそうだなぁ」と思って貰えれば、だれでも気軽に注文して貰えるはずだ。

 

この季節、お客さまにとっても自分で洗うのは、間違いなく“ツライ”のだから、そんなあったかい洗車をやっている店があれば、そこで洗って貰おうと思うのが当然だろうと思う。
そうなれば「心やさしいお客さま」がその店に集中するであろう。
考えただけでも楽しい。

 

案外、そんな“コロンブスの卵”的発想が、洗車の冬眠を解消する決め手かもしれない。
今年はぜひそんな事を実現することに挑戦してみたい。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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