谷 好通コラム

2001年01月27日(土曜日)

第5話 元気店?大阪 中もず

先日大阪に行って来た。
今開発中の機械の為の視察が目的だったのだが、そこの社長から聞いた話が大変面白かった。
その店はガソリンの販売がセミセルフ方式で、給油するスタッフはいるのだが、窓拭きとか灰皿の清掃などはしないシンプルな接客をしている。ガソリンの価格は周辺の店と比べて1円安。最近改装したらしく、こざっぱりとして外から見た印象は非常にいい。お客さんもひっきりなしに入って来てすごく活気のある店であった。
この店はセミセルフ店だけに、連続洗車機を使ったセルフ洗車も設置しているのだが、スタッフを使った“手洗い洗車”もやっている。それも結構いい値段でやっていた。
社長の話では、ガソリンの販売量もトップクラスらしいが、洗車の売上も大したものであった。

 

 

その店で感動したこと、スタッフの礼儀正しい態度。
実に“しつけ”が行き届いている。
言葉使いもしっかりしていて非常に好感が持てるスタッフばかりであった。
世間にはフルサービスと称して、窓拭き、灰皿掃除、お見送りまでやってくれるのだが、残念ながら“感じの悪い態度”の店も多い。
セルフだからこそ接客を感じよくしなくては、とおっしゃる言葉が新鮮であった。

 

窓拭きそのものが、灰皿掃除そのものが接客であろうか。
接客は人がするものであって、窓拭きそのものが接客ではない。ましてや窓を拭いてくれても、あまりきれいにならなければ、してもらわないほうが良いと思う場合すらある。
ちなみにその社長のいわく、「ダイヤモンドという経済紙に書いてあったのだが、世間のサービスで一番不要と思うサービスは何ですかというアンケートで、ガソリンスダンどの窓拭きがトップであった。二番目が百貨店の過剰包装ということで、窓拭きは余計なサービスの筆頭だそうですよ」と。

 

これはショックな話である。しかし、なるほどなぁーと思わせるような話でもある。
しっかりとしつけをされたスタッフの接客の方がお客様に喜ばれる。それもいい車に乗っている客にその傾向が強いそうだ。その証拠にハイオクガソリンの割合が全国でもトップクラスで高いとおっしゃっていた。
それで高い洗車もよく売れている理由がよくわかった。
商品にしても、接客にしても良質なものが求められているのであって、過剰なものは、安かろう悪かろうと同類でしかない。良質であれば過剰である必要は全く無い。
ちょっと目からうろこが1枚とれた日であった。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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