谷 好通コラム

2021年09月05日(日曜日)

9.04.パラリンピックを見て

パラリンピックは心身に障害を持った人たちによって

その障害の度合いによってランクを分けられて競技するものだが、

健常者と呼ばれる”普通”の人は、

多くはそれをかわいそうがって見るが、

競技している障害者たちは、自分をかわいそうがっている様子はまったくない。

競技に勝てば得意満面に喜び、

負ければ真剣に悔しがっていて、

彼らが持っている障害の存在を全く意識していないように見える。

 

そう、彼ら、彼女らは、自分が持っている障害の存在を意識していません。

むしろ、自分が持っている障害をただの個性としか本当に思っていないのです。

その自分の個性と同じ個性を持っている他人がいたら、

無条件に親しみを感じて、

ましてや、その他人が自分と同じ競技をしていたら、

まったく自然に勝ちたいと思い、勝てれば無条件にうれしい。

同じような個性の持ち主がお互いに親しみを感じ、

同じ競技をするなら当然ファイトが沸き、勝とうと頑張るだけで

そして勝てば、無条件にうれしい。

 

どう表現していいのか分かりませんが、

例えば目が見えない障害者は、

自分の事を目が見えないかわいそうな人とも

目が見えなくて不自由な人とも思っていないのです。

ただ単に目が見えないだけなのです。

 

例えば私は4歳の時のポリオで左足が不自由ですが、

だから、かわいそうなどと思ったことも感じたこともなく、

ただ、不自由なだけで、うっかりすると痛いだけなのです。

新幹線などの料金が割引になりますが、ただ、得したとしか思っていません。

 

パラリンピックの競技に出ている人の表情に態度に、

微塵も暗さも可哀そうさも無いのは、

本当に自分を可愛そうだとは思っていないからなのです。

ただ単に目が見えなかったり、

ただ単に足が無かったり、

ただ単に腕が無かったり、

背が高かったり、低かったりと同じように。

 

彼らが競技に勝って、大喜びをしている姿を見て、

瞼が熱くなって感動するのは、

その喜びに、かえって混じりけがないからなのでしょうか。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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