谷 好通コラム

2022年01月03日(月曜日)

01.03.私は夢を見ない。

お正月早々「私は夢を見ない」とは、穏やかではないが、

夢とは、寝た時に見るあの夢の事で、

私は本当にもう何十年も夢を見たことがないのです。

学生の頃か、もっと前の小学生の頃か、

はるか昔、たぶん思春期ぐらいまでは夢を見たが、

いつからか、寝たらすぐに熟睡状態になるのだろう、

寝る時の記憶の次は、夜中にトイレに起きた時か、朝起きた時の風景で、

その間はまったく”無”の状態で、

手術を受けた時の、あの全身麻酔の感覚そのものなのです。

人にそれを言うと、「眠りが深いんだね。うらやましい。」と言われるが、

私は夜12時過ぎるまで目が冴えていて、

ほとんど寝られないので、睡眠時間そのものはあまり長くなく、

車を運転するとすぐに睡魔に襲われる。たちが悪い癖を持っています。

 

それと関係があるかどうか分かりませんが、

希望という意味での「夢」も、私はほとんど持っていません。

2015年、東証マザーズに上場した時は

「夢が叶いましたね。」と、よく言われましたが、

上場は夢でなく、目標でも、目的でもない。

たまたまのタイミングで証券会社の営業の方が見えて、

「この会社は上場できますよ。」とおっしゃったので、

上場した場合のメリットを考え、

この会社の成長を考えると、

その時に手段としてそうすべきと考えて、行動し、

上場へのステップを踏んだら、

この会社は元々公私混同などの問題を何も抱えていなかったので、

準備を始めた翌年にはマザーズに上場して、

翌年には東証一部に市場変更しました。

何の障害もなく、スムーズに事は進んだので

成長の為の有効な手段として順当な上場でした。

だから夢が叶った訳でもなく、

元々それが夢でもなく、達成感もほとんどありませんでした。

 

会社の成長は常に考え、その方向に行動しますが、

成長の果てにどんな地点にまで行きたいという夢がある訳ではありません。

極端な言い方をすれば「今よりもっと‥」と行動するだけです。

と言っても目先の事だけを考えて、目先の利益に走っている訳ではありません。

会社の存在意義、社会的な役割、

役員も含めたすべての社員にとってこの会社がどうなるべきか、どうすべきか、

3年から5年先の会社の方向と、在り方を考えながら、

今やるべき事は何なのか、社内の事とステークホルダーの事も考えながら、

今の行動を決めて実行し、すべきことを実現していきます。

 

何十年も将来を考えて、我が欲しい姿を思い浮かべて夢を見る。

という感覚とはずいぶん違います。

 

3年から5年先は最も先のことで、

実際は、1か月~3か月先の事を具体的に実現することが行動になっています。

だから、具体的な到達目標はすべてが途中経過であって、

はるか未来を見た到達点としての「夢」とはまったく違い、

どこまで行っても到達せず、

いつも途中経過であって・・・・

・・・・・

しかし、ふと気が付くと、

自分にとっては間違いなく最終到達点である「死」が近づく「老い」があって、

いつまでも「途中経過」とのんびり言っている場合ではないことに気が付く。

そう、最終到達点が「死」であることからは逃げようがなく、

そこに最終目標つまり「夢」を持ってくる訳にはいかず、

そう考えると、

死ぬ直前まで全力で生きて、

つまり仕事を全力でやっている最中にバタンと倒れて死ぬのが、

一番いいのかなと思ったりします。

 

仕事を引退後、余生を楽しむというスタイルは、

どうも、つまらなさそうで、面倒くさいだけで面白くないなと思える。

 

やっぱり、私は夢を見ない人なのかもしれない。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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