2022年03月13日(日曜日)
03.12.花粉がすごくなってきた、10年前のブログの面白い花粉の話。
三月になって中旬になったとたんに「花粉」が舞っているようです。
今は薬が発達したので、昔よりはひどくありませんが、
花粉症の気の毒な人たちが涙を流して、くしゃみを始めました。
花粉は、自動車の塗装の上に乗っても、「花粉ジミ」という独特のシミになって、
洗剤で車を洗っても「花粉ジミ」は、頑固で全く取れません。
昔は、これを取るためにみんな大変苦労をしましたが、
ある時、花粉ジミは「70℃のお湯」で見事に取れることが判って、
この問題が一挙に解決したのです。
※「お湯」でなければいけません。
「ドライヤー」や「ヒートガン」を使うとすぐに熱くなりすぎて塗装を傷めてしまいます。
というよりも、この花粉ジミは取らずにそのままでも、
夏になれば自然にボンネット上が70℃になって、いつの間にか消えてしまっていたのです。
だから、今ではお湯をかけて強制的に取る人もいれば、そのままにしておいて、
夏の暑さで自然に取れるのをまつ人もいます。
10年前までの苦労が嘘のように解決しているのです。
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これはほとんど10年前の今日と同じ季節に書いた「花粉ジミ解決の発見」
「車の花粉ジミ」が、見事に消えることを発見した時の話です。
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2012.03.22.実録・スギ花粉のシミが消える連続顕微鏡写真
スギ花粉にはペクチンという物質が含まれていて、
花粉が大量に乗った車のボンネットなどが、
洗車で花粉をキレイに洗い流しても、どうしても取れない「シミ」を残すことがある。
これは万能、超強力かつ安全な「爆白」でも取れない珍しいシミなのだ。
しかし、このシミが「お湯」をかければ、いとも簡単に取れることが判明した。
お湯をかけてコンパウンドでこするとか、
研磨するとか、そんなのではなく、
単にお湯をかければ取れるという不思議な現象で、
ただお湯は70℃くらいのかなり熱いお湯であることが必要なのだそうだ。
早速、この方法をキーパーラボ足立店と、
鳴海店でやってみたら見事に取れた。
鳴海店の堀店長が写真を撮って送ってくれた。
お湯をかける前。シミが一面についている。
水銀灯の回りに細かいシミがはっきりと見える。
70℃くらいの熱いお湯をかけたら、それだけで跡形もなく消えている。
かけたお湯を拭いてもいない。お湯をかけただけだ。
これは面白い!
そこで我がアイ・タック技研技術開発研究所が動いた。
八王子から更に武蔵五日市に研究員が行き、山の中に入った。
山の中には、花粉の雄花の房がフサフサになっている杉の木がいっぱいだ。
(花粉症の皆さんには下手なオカルトよりも怖い絵かもしれない。ごめんなさい。)
山ほど採集してきたスギ花粉の房。
このビニール袋が二袋ある。
これを黒いテスト用塗装板の上に並べて、水を浸すが花粉は出てこない。
そこで花粉の房を包丁で切り刻んだら、花粉がいっぱい出てきた。
しばらく置いて、花粉房を取り除いたら、
早速花粉が塗装に何かいたずらを始めたようだ。
明らかにシミになっている。
塗装面上に残った花粉をきれいに取り除き、
×30のマイクロスコープ(低倍率顕微鏡)で撮ったら、
塗装の表面がクレーター状態になっている。
これがシミに見えていたのだ。
これはどんな洗剤でこすっても、コンパウンドで削っても取れない。
白い帯は、蛍光灯をうまく照明に使ったもの。
画面左の黒い点は塗装の微小なキズ。
このクレーターが出来た塗装の表面を、「ヘアードライヤー」で温める。
現在、表面温度45℃。
クレーターがこころもち浅くなってきている。
現在、60℃。
まだわずかだか表面が平らになってきた。
現在、70℃になってから30秒後。
明らかに表面が平らになってきている。
塗装の一番上の写真と見比べると違いがはっきりする。
現在、70℃になってから2分後。
もうクレーターがほとんど消えてしまった。
ヘアードライヤーをはずして、自然に冷えるのを待った1時間後、
完全にクレータが無くなって、シミがどこかに消えてしまった。
花粉でなぜクレーターのように塗装表面が凸凹が出来てシミになるのか、
そのメカニズムはまだ理解していない。
だから、なぜ温めるとそれが消失してしまうのかのメカニズムもまだ理解していない。
これから色々と調べるが、
いや、こんなに面白い実験は久しぶりであった。
最後に、花粉症が恐怖の杉の花粉の房。
あるいは塗装のシミの素。
塗装のシミは70℃で温めれば、無くなってしまうのは解ったが、
花粉症はどうなのだろう。
まさか人間を70度に温めるわけには行かないだろうから、本当にお気の毒です。
(悪い冗談でした。<m(__)m>