2022年05月06日(金曜日)
05.06.ダイオウグソクムシの深遠な世界に引き込まれる。
昨日はオオグソクムシを見たのだが、私の認識とは違って小さかった。
姿形はダンゴムシそっくりで、私が想像していた形で同じだったが、
私が自分の部屋のオーディオの上に
置いてあるダイオウグソクムシの実物大模型より、随分小さい。
どうも私が思い込んでいるダイオウグソクムシと、
今日見たオオグソクムシは、
名前は似ているので同じ生き物と錯覚していたが、どうも別者のようだ。
家に帰ってからネットで調べた。
「”オオ”グソクムシ」とは、
等脚目 スナホリムシ科に属する海生甲殻類の一種で、
水深150-600メートル程の深い海底・大陸棚に棲む体長が10-15cmの生物。
一見して可愛い。
対して
「”ダイオウ”グソクムシ」とは、
同じく、等脚目 スナホリムシ科に属する海生甲殻類の1種であり
メキシコ湾や西太平洋周辺の
深海200m – 1000mの深海の海底砂泥地に棲んでいる。
世界最大であり、体調は20-40cmで、最大50cmにも達する巨大種である。
「”オオ”グソクムシ」と「”ダイオウ”グソクムシ」は、
同じ等脚目 スナホリムシ科に属する海生甲殻類であり、
極めて近接種であり、
姿かたちはそっくりだが、その大きさがかなり違う。
大きさが2倍以上も違うと、
体積と重さは2の3乗となるので、8倍から10倍も違うことになり、
ダイオウグソクムシの体重は1kgを越す。
食性も似ていて、
両方とも海底の生き物の死骸を食べる掃除屋的な生き物である。
決定的に違うのは棲んでいる海底の深さであり、
オオグソクムシは、深い海ではあるが、陸続きである大陸棚くらい迄の海。
ダイオウグソクムシは、海溝ほど極端では無いが、
太平洋に広がり、もう陸には縁がなく広大ないわゆる”深海”域。
ほとんど同じ種である近接種生物が、
棲む海底の深さが深くなると体が巨大化する傾向があり、それを
深海巨大症(しんかいきょだいしょう)というらしい。
(英語: deep-sea gigantism, abyssal gigantism)(ウィキペディアより)
これによると、深海巨大症とは無脊椎生物や他の深海で生活する動物種が、
浅いところに棲む近縁の動物よりも大きくなる傾向のこと。
深海での少ない食料資源、
高い圧力、低い温度への適応などからと説明されている。
深海の巨大生物として、
ダイオウイカやダイオウホテイイカ、タカアシガニ、リュウグウノツカイなど、
不思議な巨大生物は多い。
1,000mの深海と言えば、
100気圧。つまり1㎝平米あたり100kgの水圧の世界。
地上の100倍もの圧力がかかる私達の想像を絶する世界だ。
そんな過酷な環境で生きていると、
かえって体が巨大化するという意味が容易には理解できないが、
光が全く届かない暗黒の100気圧の海を、
自由に泳ぎ回る10mを超す巨大なイカ達と、
プランクトンの死骸がマリンスノーとなって降り注いだ深い泥の海底を、
体重1kgもの巨大なダンゴムシが無数にうごめく世界とは、
地上の私達にはとても怖く、不気味だか、そこに住む彼らには
自分の知っている世界のすべてであり、それが当たり前の普通の世界。
そこで生きている自分は、食べ物にもたまに出会えるだけ。
それでも代謝が低いのでそれでも平気で、年単位の絶食も平気なようだ。
成長もゆっくりだが成長はし続け、
低い代謝のおかげで40~60年と長い時間生きるので、巨大な体になる。
深海は真っ暗だが、
睨みつけているような表情の頭部の複眼は、
3500個の個眼から形成されていて、節足動物の複眼としては最大で、
何かを見ていることは間違いなさそう。
嗅覚も鋭そうではないか。
泳ぎも、腹部のヒレを盛んに動かし上下逆になって泳ぐらしい。
天敵はいるかもしれないが分かっていない。
固い殻に身を包みその身はとても臭いらしく、天敵は多分いないのだろう。
私の自分の部屋で、オーディオを聞きながら、
スピーカーの上にいるダイオウグソクムシのフィギアを見ていると、
真っ暗闇の深海で、
その世界しか知らず、
でも多分、何の不満も無く、
動き回って、ゆっくり生きているダイオウグソクムシの事を想像していると、
鳥肌が立つような不思議な感覚に包まれる。
音楽を聞き終わって、
陽が差す明るい居間に出て、現実に戻ると、
明るく温かい自分の世界に、心底、ホッとして思わず涙が出てくる。