2022年05月28日(土曜日)
05,28.あの相談の行列は、ほんとに「面倒くさい」のです。
カンブリア宮殿の画像の中で、
会議室のドアの外に出来る行列の場面がありました。
あれは、あの場面を「造って」撮影したのですか、
造ったと言っても、無いものを捏造したわけでもなく、
人数は大抵の場合もっと少ないですが、ああいう場面は実際にあります。
というより、
皆、あんなに行儀よく並んで待っているのではなく、
私の姿を見ると押しかけてきたり、エレベーターで待ち伏せされたり、
色んな部署の奴が喫煙室にドカドカと入ってきて
「ちょっと見て欲しい」「相談いいですか」と、無茶苦茶です。(楽しいのですが)
しかし、彼らは、
何かの許可をもらいに来たり、
指示を仰ぎに来ている訳ではなく、
ただ、本当に相談や報告(ほぼ世間話?)を、しにくるだけです。
そんな時は、細かい事まで言って応えますが、
皆は、その通りにするかどうかは判りません。
というより知りませんし、いちいち憶えていません。
特にデザイナーたちは、
私が何をどう応えても、
「○○○にした方がいいと思ったので、こんな風にしました。」と、
平気で私の答えをボツにして、自分が良いと思ったように書いて来ます。
だから、私は受けた相談に乗って、意見を言っているのであり、
決して指示をしているのとは違うのです。
あの番組の中での相談の行列場面を見た方が、
「この会社では、あんな細かい事までいちいち代表の許可がいるのか」と、
心配をされていましたが、
ご心配なく、私がそんな面倒臭い事をする訳がありません。
私は、起業以来、何から何まで全部知っていなければ気が済まず、
何から何まで自分が考えて、指示して、
指示通りに事が進まなければ気が済まない、いわゆるワンマンでした。
社員の顔と名前も一人残らず知っていて、
給料から何から何まで見て、知っていました。
しかし、
社員が300名越した時分から目が届かなくなり、憶えられなくもなり、
面倒臭くなって、手を抜き、何気なくサボるようになってから、
かえって会社の物事が早く進むようになって、
私も、こまごましたこともあまり考えず、気を八方に配る事も無くなって、
かえって、物事を大局的に考えられるようになったみたいで、
物事が非常にうまくスムーズに進むようになったのです。
もちろん、その頃には新しく社長と専務の経営陣を決め、
会社運営の執行を全権委任するようになっていたので、
私は「面倒臭い」を連発して「手抜き」しても許されるようになっていました。
その方が、本当にうまく行くのです。
(その頃、私も体を壊したのでちょうど良かったのですが。)
それから、面倒くさがることに味をしめて、
あの行列のような相談の時でも、
「面倒くせいな。」と、ブツブツ言いながら応えているのです。(ほんと)
そういう意味で、この会社は私がいなくなっても本当に大丈夫なのです。
仕事を面倒くさがる手抜きがいなくなるだけで、
デザイナーたちも相談相手がいなくなって、
彼らが、もっと自分で考えるようになるだけです。
次の話では、昔から決まっていて、古い人なら知っている
「私が引退する時の決まっているストーリー」をお話しします。