2023年09月07日(木曜日)
09.07.昔から政治的権力者が利用する被害者的”憎悪扇動”
「デマ (デマゴギー)」をネットで調べると、
“デマ”ゴギーとは、
政治的な目的で意図的に流す扇動的かつ虚偽の情報のことです。
デマゴギーを行う政治家や権力者をデマゴーグと呼びます。
デマゴギーの略称が「デマ」という言葉で、
事実に反するうわさや悪宣伝を指します。
今で言うなら「フェイクニュース」か。
昔から政治的な意図をもって、
デマ・嘘のニュースをでっちあげて流布するのは、
権力を志向する政治家などがよく使った手段です。
これは敵の悪口を言うだけではなく、
大衆に、標的となる敵を憎ませるために、
「敵のせいで皆さんはひどい被害をうけている。」
あるいはその敵が「皆さんをひどい目に合わせようしている。」と、
人々にその敵を憎ませるように煽る憎悪扇動を行って
敵に対する憎悪の反力で、自分への大衆の支持を得ようとする。
たとえば、
第一次世界大戦後、ドイツ国民全体がひどく経済的に苦しい時、
ナチスのヒトラーはドイツ国民に
「ユダヤの奴らが富を独り占めにしている。だから皆さんが苦しいのだ。」と、
金融を握っていた者にユダヤ人が多いことを棚に上げて
「皆さんが貧乏で苦しいのは、ユダヤのせいなのだ。」と、
ドイツ国民の「ユダヤ人への”憎悪”を煽り」
ドイツ大衆の自分への熱狂的な支持を獲得し、
ドイツの政権を取り、やがて独裁者になった。
そしてユダヤ人を600万人殺した。
そして自国民をも戦争でそれ以上に殺してしまった。
太平洋戦争の時、日本の軍事政権は
敵のアメリカ、イギリスなどの連合国を
「鬼畜米英」と、鬼や獣のように残虐な恐ろしい国だと国民の憎しみを煽った。
貧しい人々の支持を得る為に、
大衆に「皆さんが貧乏で苦しいのは一部の金持ちのせいだ」と、
金持ち≒権力者を憎ませるのは、世界中で今でも通用する手段だ。
関東大震災の後、生き残った避難民が、飲み水にも困っていた時
「朝鮮人が飲み水に毒を入れた」とでたらめなデマが一人歩きして、
在日韓国人への憎悪が、勝手に、避難民の中に広がって、
普通の市民までが、在日韓国人を見つけ次第、
残虐にも、一説には数千人もの罪もない在日韓国人を殺してしまった。
これは政治的意図を持ったデマではなく、
何百万人もの避難民の
大きな不安と悲しみが作り出してしまった悲しくも残酷な幻想的デマだった。
あるいは、大衆からの支持を失いつつある落日の政治家が、
自らへの支持を取り戻すために
憎むべき”敵”を設定して、
憎悪キャンペーンを張って(憎悪扇動)、自分への支持を取り戻そうとする。
国民の支持率を失いつつあった何年か前の韓国大統領が
一世紀近い昔の出来事を蒸し返して「反日キャンペーン」を張り、
一時的にも盛り上がったことがある。
多くの人が死ぬような残虐な結果は何もなかったが「憎悪扇動」の典型だ。
もちろん、その落日の政治家は失脚した。
今、中国が
福島原発の事故後の「処理水放出」について、
これを「日本の、世界を敵に回したひどい環境破壊だ」と、
執拗な反日キャンペーンを張っている。
これはひょっとしたら、
今の独裁的権力者の最後のあがきなのか?
彼は、大衆の支持を自分が失ってきていることに焦って、
最強かつ最後の手段「憎悪扇動」に出ているのか?
彼はそろそろ終わりなのか?
憎悪扇動は非常に大きな力を持っていて効果的だが、
最後まで成功し続けた例は、知っている限りは、一例も無い。