谷 好通コラム

2018年05月11日(金曜日)

5.11.他人ごと(ひとごと)と自分自身のこととの差

よく「経営者は孤独」といいますが、
私はたくさんの仲間と一緒にひとつのあるべき事をしているので、
決して孤独ではないといつも思っていました。
その反面、強烈に孤独を感じる一瞬もあります。
誰もが、仕事の一つ一つを自分自身のこととして、
同じように共有していると思って仕事をしていますが、
ある時、本当に自分自身のことと思っているのは、実は私だけで、
どんな人も、仕事とは、
あくまでも私生活とは切り離した他人ごとである事に気が付いた時、
ふと、自分の周りに誰もいない事に気が付きます。

 

これが「経営者は孤独」ということだと思うのですが、
だからツラいとか、
寂しいとは思わないのです。
それは多分、身近な家族がそれをよく解っていてくれるからだと思います。
と同時に、周りの仲間たちが、
ほとんどの人が距離を感じさせない人達で、
この仕事をよく理解して、愛している人達であるからでしょう。
本当にそれは信頼出来ます。彼らはこの仕事を本気で愛してくれています。

 

それでも、最後の一枚の部分で他人ごとと感じさせるのは、
彼らは、何か決定的な理由があれば、
他の仕事をして生きていけるからでしょう。
しようと思えば、辞表一枚でこの仕事を辞め、
他の仕事について生きていくことが出来ます。
しかし、私にはそれが出来ないという事だけなのでしょう。
たったそれだけのことですから、
私が感じる「経営者の孤独」なんて大したことはありませんし、
だからどうだということもありません。
ある意味うらやましいところもありますが、
私は、この仕事が体の中まで、
精神の最後の一枚の中まで、この仕事と一体である事に、
「どうだ、いいだろう。」と思うところもあるので、
そう思うと
「経営者の孤独」なんて相殺されてしまいます。

 

私はこの仕事がまったく他人ごとではなく、
100%自分のことと感じられるのは、
単に経営者でなく、創業者だからでしょう。
パブリックな会社になることを求めて株式を上場しましたので、
経済的には確かに会社はパブリックになりましたが、
精神的にはどこまで行っても個人企業から抜け切れない部分が、
創業者の特権でしょう。ばんざいですね。

 

サーキットでファンと一緒に

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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