2024年02月03日(土曜日)
02.03. 11話.転職はヒエラルキーからカーストへの変化だけだった。
自分が担当していた店舗の成績がたまたまの偶然で急激に上がり、評価してもらえた事でいい気になって、というより勘違いして、自分の意見が通らなかった時には公然と会社に対して批判じみたことを口にするようになったから、当然、上から叩かれるようになる。大きな会社の組織はかなりの階層によって成り立っていて、現場の立場というのはかなり底辺に位置していた。だから、現場で少し目立って成功したからと言って、上から褒められることはあっても、現場は現場であって上に意見を言える立場になった訳ではない。
大会社には主に学歴を元とした階層、今で言えばヒエラルキーが越えられぬ壁が厳然としてあった。しかし、私は勘違いしたまま楯突いていたので最後は会社を辞める事になったのだろう。大きな会社の中では仕事がいくら出来たとしても、ずっと褒められる立場にいるだけで、上から褒める立場にはならないのだと察したのです。
だから、今度はそれほど大きな会社ではなく小さな規模で、でも古い歴史をもった安定した会社に入った。小さな会社ならば、目立った活躍をすれば上に突き抜けるチャンスがあるかもしれないと思ったのです。一応、現場を走り廻らなくてもいいような立場になったのですが、担当の店舗は決まっていて店舗の管理と企画をして店舗の売り上げを上げる事が仕事です。現場にはいるが、現場の作業を直接はしなくてもいい要務職という立場のようでした。その仕事でも、一応の成果は出して店舗の成績は上げました。しかし、その店舗が終わったら、すぐ次の店舗を担当する形で、現場の仕事は続いて行ったのです。
ある時、何かの会合で食事の会があってそれに同席した時、その会社の社長はいかにも社長らしいビシッとした服装をして、私達とは一目で違いが解る堂々とした姿でした。と同時に同行していた社長の長男(普段はいつも私達と一緒に働いていた)も、いかにも跡継ぎらしく高そうな高級背広を着、私達とはいかにも違う世界の人間らしい堂々とした態度でした。
この時、理解しました。私は前の大会社で越えられないヒエラルキーを悟って小さな会社に転職したのですが、そこにはもっと強烈な「血のつながり」というもっと強固なカースト制のようなヒエラルキーがあったのです。
この時に明確に分かりました。自分は独立して(起業して)、最初から社長になって、自立してその会社を大きくしていくしか納得できる方法は無い。と。