谷 好通コラム

2024年04月24日(水曜日)

04.24. 40話. 2015年.東証マザーズに上場し、翌年、東証1部へ

KeePer技研株式会社は2015年2月に東証マザーズ市場に上場しています。

※この会社、元々の社名はアイ・タック技研株式会社でしたが、上場の前年9月に商品ブランドであるKeePerを社名にした方が良いということでKeePer技研株式会社に改名しています。

上場のきっかけは、2014年のはじめに東海東京証券の営業の方が飛び込みで来られて「この会社は株式市場に上場できるので、しませんか。」と色々なメリットを上げ、そのメリットの中の「社会的信用が増して”求人”がすごく楽になる。」という部分が気に入って上場することにした。

その当時のアイ・タック技研は技術認定店KeePer PRO SHOPが4,000店を越し、直営店も30店舗を越して毎年20%程度の成長を続けていた頃なので、常に人員募集に力を入れていなければならなかった。そこに「株式上場すると目立って応募してくる人が増える。」の言葉が強烈に魅力的であったのです。

 

そして、上場実現までの「証券会社からの審査」、「東証からの審査」は、手間と時間が必要で面倒だったが、元々、この会社は非常にシンプルな構造で、公私混同が一切ない明解な経営をしてきたので、コンプライアンス的に解決しなければならない問題や、変えなければならない所もほとんどなかった。そして経営実績もずっと増収増益で年間数億円の経常利益があったので、上場準備を始めてから1年足らずで東証マザーズ市場上場が実現したのです。さらに、翌年には東証一部に市場変更まで出来た。

上場して良かった事は、もちろん人の集まりが劇的に改善された事が一番。そして経営に関する物事をキチンと数値化して考えるようになった事と、機関投資家とのIRなどでのコミュニケーションで、客観的な指摘とアドバイスをたくさんもらう事で、自社の経営状態をいつも見直すことが出来るようになった事。

しかし、いつも成長圧力を自分自身に課すようになって営業姿勢が伸び伸びとしなくなり、売り上げの前年増加率はかえって少し鈍った。加えてキャピタルゲインが人を狂わせるのか、残念ながらストックオプションを受けていた幹部社員の何人かが会社を去って行った。残念ながら。

 

東証マザーズ上場の当日。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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