谷 好通コラム

2018年03月09日(金曜日)

3.09.ラベルの「ボレロ」のような人生でありたい

多分、中学生の時の音楽鑑賞の時間であったに違いない。
音楽鑑賞の時間はいつも、つまらないクラシックの名曲を、
延々と聞かされる苦痛の時間であった。
しかし、
ラベルの「ボレロ」から変わった。

 

遠くから聞こえるクラリネット一本の演奏から始まって、
同じリズムと同じメロディが繰り返し、繰り返し、
徐々にいろいろな楽器が加わって、
弦楽器が静かにリズムを刻み始めるころには、
音が心を響かせ始めていて、
木管楽器のソロが単純なメロディに色艶を加え、
いつの間にか、
オーケストラ全体が、
それでも控えめにメロディとリズムを刻み、
大きな金管楽器が響き渡るころには、
心が震えて、生まれて初めてクラシックの音楽に聞き入り、
オーケストラの壮大な音に心をわしづかみにされながら、
最後のクライマックスでは、
大自然に解放された様な
大きな感動を得た覚えがあります。

 

あれからクラシックが好きになりました。
しかしもちろん本格的な教育を受けた訳でもなく、
何か楽器の訓練を受けた訳でもなく
だから、ただ単に聞いて楽しむだけのファンですが、
バッハなら幅広く、ベートーベン、シューベルト、モーツァルト、
ガーシュイン、ショパン、ラベル、シベリウス、とけっこう幅広く好きで、
特に今はラフマニノフのピアノ協奏曲にぞっこんです。

 

武骨でデブなおっさんキャラの私が、
クラシック音楽が好きだとは全く似合っていませんが、
似合っていようといまいと、好きなものは好きで、
その素が、
中学校の時の音楽鑑賞で聞いた「ボレロ」だったということです。

 

昨夜のどしゃ降りで空のチリがすべて洗い流されたのでしょうか、
青く澄み渡った空が素晴らしいので見上げていたら、
そんなころを思い出しました。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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