谷 好通コラム

2025年12月07日(日曜日)

12.07. 人時生産性が高過ぎるのは赤信号であり危険信号でしかない。

 

12月に入ってから今日でちょうど一週間。

これで週周りの差が無くなって昨年との比較がそのまま出来るようになる。

関東と関西は濃厚なTVCMを出しているのだからなのか絶好調。

それに対し中京・東北は、

関東・関西の3分の1程の量しかTVCMが無いからか、いまいちの出発だが、

いずれにしても、

年間最大のピークである「年末」を含んだ月の最初の1週間だから、

そのペースを今時点で越しているのは大変な事です。

それでも人時生産性は7,008円/人時であり、

ちょうど標準値ぐらいで、人的には、まだまだ余裕がある状態でしょう。

 

 

今年は6・7月の時点で大幅な増員をしています。

夏に入る前に、今年は記録的な猛暑になると予告されていたので、

最新の冷感アンダースーツを7月に入ってすぐ全員に3枚ずつ配布したり、

アイスなどの冷菓が経費で食べられたり、

暑い外での洗車にインセンティブが付いたりで色々な施策を用意したが、

大変な時期には、結局、労働量を抑える事が最も効果的という事で、

決算明けの7月、スタッフの大募集をかけました。

 

それなりの大きな費用も掛けましたが、

それで大量の応募を得られ、結局、社員を約120名、

(洗車に特化した形で)初めてまとまった数のアルバイトを約80名入れました。

(彼らには年末にまた来てもらう事をお願いしてあります)

 

この時点での200名の増員は、今回が初めですが、

例年ならば、ピークの12月に必要であることと、

年明けからの新店ラッシュの用意の意味で、10月に増員するのですが。

今年は7月8月9月に猛暑が予想される為、

猛暑対策として前倒しで7月に大量増員したのです。

それが功を奏して、

去年の8月、

売上約9億7千万円で前年比116%。 人時6,639円であったものが、

今年の8月は、

売上約11億円で、前年比113%。 人時は6,748円にとどまり、

しかも人数を、先んじて増員した事で、

1人当たりの残業と休日出勤が確実に減って、猛暑を乗り越えた。

 

そしてこの夏、

熱中症での搬送はゼロ!で終わった。・・・みんなで勝った。

 

この時にかかった費用は、

結局、洗車のインセンティブが一番多かったが、

(※更に若い子達は、おいしそうに信じられない程アイスを食う。)

全部で約1億3千万円。

(※これにプラス40周年パーティーに約5千万円)

これらのマイナスを売り上げのプラスでは補いきれず

先月の会社全体の営業利益額と営業利益率が、若干下回った。

しかし、

この時の臨時猛暑対策費用約1億3千万円と約5千万円を差し引くと、

今期の1Q利益率などは前年1Qのそれとほぼ同じになります。

 

 

話が逸れました。

 

話を、人時生産性に戻します。

 

昨年の12月、最終的に

LABO直営127全店で1,623(百万円)、

1店舗当たり平均1千2百77万円は、すごい。

この時、

人時生産は平均8,181円/人時であった。

これは標準の7,000円を1,000円以上も上回って警戒すべき水準です。

8,000円/人時以上を我々は「注意域」と呼び、黄色で表現しています。

さらに、

9,000円/人時を越すと「危険域」と呼んで、赤色で表現しています。

 

これは地域によって偏っていて、

たとえば、この地域の店舗は全店予算を達成しているが、

注意域は3件、危険域は1件だけであり、

全店が前年を上回り、しかも予算を達成している。

この下記の複数の表は、

2024年12月の実績表

(有明店の11,780/人時はディーラーの建物の中にあるので単価の低い洗車が少なく、

人時が異常に高くなっているが、これは危険信号ではない。)

 

この地域の地域担当は、現在は副部長を務めている。

 

さらに、

この地域は、人時生産がほぼ標準域にあり、注意域が1件だけ、

全店が前年実績を上回り、予算も全店達成している。

この地域の地区担当は昨年定年を迎えたが、

そのままの職務と待遇で延長となっている。

 

しかし、

この複数の地区担当の地域においては、

注意域と危険域がほぼ全店であり、その半数までが危険域にある。

ほぼ全店が予算を達成しているが、全年を割っている店舗もまばらにある。

この地域の店舗は古い店舗が多いので必ずしも前年を上回る必要は無いが、

危険域の店舗が半数、注意域までいれればほぼ全店であるのは、

人時生産が異常に高い事を良しとし、人時生産が緊急の事態とも考えず、

それを解決すべく行動を起こさず放置し、

その上、残念な出来事を引き起こしていても反省の念無しと考え、

明らかに、その危険な人時の基に働く身になって考える事が出来ない者として、

しかるべき処遇とし、私達経営陣自らも厳しい減給を処した。

 

年末は、自分の部署のメンバーを、

いかに働かせるか、ぶっ倒れる迄働かせるか、でなく、

いかに、メンバーに無理させず、

いかに、たくさんのお客様を受け入れ、

いかに、多くのお客様の喜びを獲得するか。

その成功を、いかにメンバーに無理せずに達成させられるか。

部長、副部長、地区担当、シニア店長、店長達の腕の見せ所です。

 

年末の皆が大変な時期を、

態勢を準備するには店長、地区担当、副部長、部長、

それぞれの責任者は、かなり前の時期からみんな必死で格闘します。

年末は、

全員LABO出身の営業部約100名のメンバー全員、

LABO出身者が多い事務所・営業所、開発の

総務・経理・企画、デザイナー、PRO SHOP事務局、技術製品開発部の全員、

それぞれのメンバーに対して、

LABOの部長・副部長、各地域担当、そして店長が、

猛烈にスカウトコール、ラブコール?をかけるメールが飛び交います。

さらに、

会社を退社した(卒業した?)メンバーもラブコールの対象で、

年末の店舗を訪ねると、実家の仕事を継ぐ為にやめた連中などが、

大晦日近くになるといっぱいいます。懐かしいぐらいです。

と思うと、

社員の奥さんとか、旦那さんとか、親ごさんとか、兄弟とかもいます。

そんな人達にはただただ感謝で頭を下げるだけです。

 

私達、歳とって役に立たなくなった者には誰もラブコールを送ってきませんが、

 

 

 

今年11月は、売り上げが直営全体で、前年比9.3%増えているのに

人時は、今年6681/人時  去年は7,117/人時

前年比約93.9%  約6%も落ちています。

早期の増員が効いているのかもしれません。

今年の年末は、TVCMも効いて、場所によっては折込チラシも効いて、

目を離せない年末になりそうです。

 

 

1号店「KeePer LABO 刈谷店」で、キレイな黄昏を見た。

 

今日訪問したLABO刈谷店とLABO東海店の事は、明日また書きます。

色々考えました。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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